こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 バイオ業界は京大・山中教授のノーベル賞受賞で騒然としています。私も昨日は山中教授インタビューのため、急遽、京都に向かいました。

京大・山中教授インタビュー、「iPS細胞の作成技術と同様に評価技術も重要」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121012/163726/

 iPS細胞研究所に着いてみると、インタビューの順番待ちをするマスコミで玄関は混雑し、お祝いに送られた大量の胡蝶蘭も並んでいました。建物の外ではおばちゃんが記念撮影しており、すっかり観光名所です。

 さらに本日は、朝からBio Japan2012での山中教授と本誌の宮田満編集委員との対談を取材してきました。これについても本日中に記事にします。

 本誌は、iPS細胞で有名になる前から山中教授を取材してきました。iPS細胞に関しては山中グループの研究成果だけでなく、ライバルの動向や知財競争の現状、実用化に向けた企業の動きなどもカバーしてきました。大量の記事が蓄積されていますが、アーカイブに眠らせておくのはもったいない。そこで、過去から現在までの記事を掘り起こして再構成し、時系列的にiPS細胞の研究開発や事業化の状況が理解できる電子書籍を発売することにしました。詳しくは来週、アナウンスします。

 ところで、意図的か偶然かよく分からないのですが、ドンピシャのタイミングでトリックスターが現れました。自称・ハーバード大学の客員研究員、森口尚史氏です。昨日、京都の向かう新幹線の中で、「iPS細胞由来の心筋細胞を注入することで心筋症を治療する臨床試験を実施していた」と書いている読売新聞を見て驚愕しました。

 本当ならすごいことだと早速、山中教授にぶつけてみましたが、どうも様子がおかしい。山中教授は森口氏のことをほとんど知らないようで、「安全性を確保する策が講じられているのかどうか」と戸惑っている雰囲気がありありでした。

 今日になって、ハーバード大や臨床試験を実施したとされるマサチューセッツ総合病院が関係を否定するコメントを出すに至り、どうも臨床試験事態があったこと自体が怪しくなってきました。

iPS細胞の臨床試験、Harvard大は許可与えていないとの報道、山中教授も懸念のコメント
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121012/163732/

 今週掲載したiPS細胞関連のその他の記事を以下に記しておきます。今週はこの辺で失礼します。

京大の山中教授、ノーベル生理学・医学賞を受賞、実用化への期待も後押し
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121008/163646/

ノーベル賞有力候補者のトムソン・ロイター引用栄誉賞、2012年ノーベル生理学医学賞の山中伸弥教授は的中
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121009/163668/

ノーベル生理学・医学賞受賞の山中伸弥教授、06年のCell誌論文の被引用数は4035、hインデックスは35
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121009/163672/