皆さん、お元気ですか。
 
 現在、台風一過の鹿児島に向かう飛行機の上でこのメールを書いております。1日出張が早かったらきっと豪雨の中、彷徨っていたはずです。沖縄と九州地方の読者の方にはお見舞い申し上げます。今年は台風の当たり年となりそうです。太平洋高気圧が弱まるにつれて、本州にも上陸する確率は増大します。但し、弱い雨台風なら渇水に悩む本州では歓迎されるかも知れません。但し、稔りの秋には風の強い台風は迷惑千万ですが。。。

 さて、RNAiです。

 miRNAを標的とした医薬品開発で、デンマークのSantaris Pharma社と覇を競っている米国Regulus Therapeutics社が、2012年8月20日に米国証券取引委員会に上場申請を行いました。

 少なくとも、miRNAの医薬開発を標榜したベンチャー企業の上場第一号となる見込みです。Santaris社はLNA(Locked Nucleic Acid)という修飾核酸をベースにしたオリゴ核酸医薬を開発するベンチャー企業であり、必ずしもmiRNA専業という訳ではありません。Regulus社は米国Alnylam社と米国Isis Pharmaceuticals社が設立した合弁会社です。Alnylam社のRNAi技術とIsis社のオリゴ核酸医薬の技術を持ち寄り、miRNAを標的とした医薬開発を加速するため設立したものです。いわば最強の技術プラットフォームを合わせて、バイオテクノロジーの新しい世界であるmiRNAに挑戦することを目論でいます。親会社はすでに、NASDAQに両社とも上場しており、Regulus社によって更に株式市場から資本調達を狙う強欲ともいうべき企業戦略を実現しようとしているのです。

 現在、Regulus社は製品売り上げはなく、立派な赤字を記録している企業ですが、英国GlaxoSmithKline社、英国AstraZeneca社など大手企業と戦略的提携を行い、既に17億ドル以上のマイルストーン契約を結んでいます。上場申請の資格は十分なのです。久々に、Genentech社やAlnylam社など、それぞれ遺伝子操作、siRNAという技術突破に基づく本格的なバイオベンチャー企業の株式上場が迫っているのです。

 バイオテクノロジーをドライブするのは、儚い景気の変動ではなく、まさに人類の叡智の進化である技術革新であることを、改めて納得させるニュースだと思います。

 もうそろそろ着陸です。今月もどうぞお元気で。

      日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満