先週金曜日(2012年9月7日)に引き続き今週も「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けします。日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。

 今日(9月14日)は昨日に引き続き、函館で開催の第26回カロテノイド研究談話会を取材しました。この研究談話会は、国際カロテノイド学会日本支部である日本カロテノイド研究会が主催しています。北海道での開催は今回が初めてとのことです。

 特に優れた研究成果発表をした若手研究者を対象としたトラベルアワードが今回、急きょ設定されまして、「酸素発生光化学系II複合体におけるβクリプトキサンチンの同定」という演題名で発表した岡山大学自然科学研究科/パリ生物物理化学研究所の川上恵典氏と、「緑藻Chlamydomonaus reinhardtii由来カロテノイド酸化開裂酵素の機能解析」を発表した大阪大学大学院薬学研究科の尾形卓哉氏のお2人が受賞なさいました。

 このアワードの発表と表彰は、研究談話会の実行委員長を務めた北海道大学大学院水産科学研究院の宮下和夫教授が、閉会のあいさつの前に行いました。

 今年の函館の夏は例年に比べ、とても暑かったことも宮下教授は閉会のあいさつでお話しでした。函館では、気温が30℃を超える日は例年2日とか3日ぐらいのところ、今年の夏はすでに20日もあったとのことです。函館では冷房のある住居は5%ほどなので、函館の皆さんは、猛暑対策で冷房が普及している地域の方以上に、暑い夏に苦慮されたのではと思います。昨日に続き今日も大分気温が上がりました。

 研究談話会の会場は函館ベイサイド近くの函館国際ホテルでした。函館ベイサイド地域は東日本大震災の津波の影響を受けたとのことですが、現在は以前と変わらぬ活気のようです。

 さて、カロテノイドの研究に戻ります。ひごろの取材では、アスタキサンチンやβクリプトキサンチン、βカロテン、αカロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、クロセチンなどの健康機能に関する報道をする機会が多いのですが、エネルギー問題や環境問題とも関係が深いという点に特徴があると思います。抗酸化活性がある機能性素材というのはいろいろありますが、その中で抗酸化活性を発揮する電子移動などのメカニズムが最も明確になっているのが、カロテノイド素材であるということが大きいのではと思います。「一重項酸素の消去」と説明されます。

 有機薄膜太陽電池やカーボンナノチューブの関連発表もありました。カロテノイドは天然色素として地球上にたくさん存在していますが、光合成で重要な役割を担っている分子でもあります。光合成の初期過程である光捕集作用で、カロテノイドの励起状態が持つ役割に注目し、フェムト秒誘導ラマン分光で解析した成果も、東北大学と大阪市立大学などの研究グループから発表がありました。

 この研究グループの大阪市立大学複合先端研究機構の橋本秀樹教授は、文部科学省の科学研究費補助金の新学術領域研究「人工光合成」に、研究分担者として参加なさっています。光捕集機能を有する人工光合成システムで「光捕集機能の解明と高効率化」に取り組んでいます。

 この新学術領域研究の実施期間は2012年度から2016年度まで。8月2日に都内でキックオフミーティングが開かれたとのことです。領域代表者は、首都大学東京大学院都市環境科学研究科の井上晴夫特任教授がお務めです。

 カロテノイドの健康効果については、金沢大学医薬保健研究域脳・肝インターフェースメディシン研究センターの太田嗣人准教授が脂肪肝炎の進展阻止に関する招待講演を行い、ユニチカ中央研究所と東京薬科大学、アスタリールが肌への作用で興味深い成果を発表しました。

 また、沖縄県うるま市に本社があるサウスプロダクトの伊波匡彦社長は「沖縄産海藻と培養法によるカロテノイドの生産」と題した招待講演で、創業してから10年の取り組みを紹介しました。日経バイオテクONLINE記事で紹介するとともに、年末に発行する「日経バイオ年鑑」の関連項目のとりまとめに反映してまいります。

 先週末に東京農業大学の世田谷キャンパスで開催された日本きのこ学会第16回大会は、現在のところ以下の3本の記事をまとめました。

雪国まいたけとハイファジェネシスなど、GFPやRNAiなどマイタケの遺伝子機能解析ツールを構築
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120910/163161/?ST=ffood

ホクトがエリンギ品種を識別する高精度SSRマーカー、次世代シーケンサー活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120908/163137/?ST=ffood

東京農大できのこ学会第16回大会、放射性物質汚染回避のキノコ生産で公開シンポ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120907/163129/?ST=ffood

 メール原稿の締め切り時間になりました。この1週間で日経バイオテクONLINEで報道された機能性食品関連の主な記事のリストをメール末尾に掲載します。ABCヘルスラボや、北里大学の海洋生命科学部の記事もご覧ください。

科学に裏付けされた健康食を次世代に伝えるABC HEALTH LABO始動、坪田一男慶大教授が指導
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120914/163232/?ST=ffood

北里大、相模原キャンパスに海洋生命科学部の新棟が竣工、20tの海水用受水槽を設置
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120913/163223/?ST=ffood

           日経BP社バイオ部
           日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長 河田孝雄

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※2012年9月7日から14日の機能性食品関連の記事リスト(掲載の新しい順)
 リンク先は、日経バイオテクONLINE機能性食品版です。

科学に裏付けされた健康食を次世代に伝えるABC HEALTH LABO始動、坪田一男慶大教授が指導
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120914/163232/?ST=ffood

北里大、相模原キャンパスに海洋生命科学部の新棟が竣工、20tの海水用受水槽を設置
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120913/163223/?ST=ffood

農水省の予算要求、農林漁業6次産業化で86億円、ファンドも本格始動
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120912/163201/?ST=ffood

農水省のバイオマス新規予算要求、バイオマス産業都市づくり34億円と食品産業環境対策17億円
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120912/163200/?ST=ffood

東洋紡がポリアミン含有大豆胚芽素材でエージングケア、2017年に5億円目指す
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120912/163178/?ST=ffood

理研PSCと岡山大など、植物免疫応答を増強する薬剤の探索法を開発、プラントアクティベーターを5個発見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120911/163176/?ST=ffood

雪国まいたけとハイファジェネシスなど、GFPやRNAiなどマイタケの遺伝子機能解析ツールを構築
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120910/163161/?ST=ffood

ホクトがエリンギ品種を識別する高精度SSRマーカー、次世代シーケンサー活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120908/163137/?ST=ffood

日健栄協、消費者庁トクホ審査基準検討会の座長は寺田雅昭氏、機能性評価委員会の座長は金澤一郎氏
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120907/163130/?ST=ffood

東京農大できのこ学会第16回大会、放射性物質汚染回避のキノコ生産で公開シンポ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120907/163129/?ST=ffood

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日経バイオテク/機能性食品メールの次回発行予定日は、2012年9月21日(金)です。