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 アグリバイオ最新情報【2012年8月31日】のハイライト
       ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表
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 米国では洪水(冠水)耐性ダイズや乾燥(旱魃)耐性トウモロコシの試験が順調に進み、異常気象に対する対応策も出来つつあるように見える。誠に素晴らしい限りである。

 また、欧州委員会(EC)主席科学顧問のAnne Glover氏(前スコットランドの主席科学顧問)のコメントも誠に素晴らしい。「遺伝的に改変された生物(GMOs)は相当する従来のものよりもリスクが高いわけがない」とか、「EUの政策立案に科学的な証拠を強化するために、加盟国の中の個々のチーフ科学アドバイザーのネットワークを構築する可能性を探っている」などと述べている。これはすごいことである。

 我が国には米国のような研究成果も、EC主席科学顧問のような見識もない。両方共ないのは大きな懸念材料である。

 話は飛ぶが、先日いわゆるリスクコミュニケーター関連の会に出た。学生は一生懸命のようだが、これを教える先生に問題がある。学生を教える先生にまず何をすべきかを訓練する事業を文部科学省がやらずして、科学技術を一般に正しく伝えることは無理だなと感じた。

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2012年8月31日】

世界

食糧農業機構(FAO)の事務局長が学界に飢餓に対する対策に挑むように提言
食糧農業機構(FAO):コメの世界的生産は増加する

アフリカ

遺伝子組み換えバナナが5年以内にウガンダに?
国際熱帯農業研究機構(IITA)は、ビタミンA増強トウモロコシをナイジェリアに提供
南アフリカで遺伝子組み換えトウモロコシの商品許可申請が確認された
ウイルス抵抗性キャッサバ試験は良い結果だった
バイオ栄養増強プログラムがウガンダのビタミンA欠乏症を減らした

南北アメリカ

洪水耐性ダイズに明るい未来がある
線虫耐性品種育種のための分子マーカー
寄生性ツル植物に対抗する植物の機構
乾燥耐性トウモロコシが良い結果を出した
減耕起でワタ栽培における化石燃料、土壌、労働が保全できた
多重形質をもつ品種AGRISURE VIPTERATM 3220 E-Z REFUGETMがカナダで承認

アジア・太平洋

オーストラリアの小麦の収量増に向けての共同研究
イネ研究者は、C4 イネプロジェクトを更新した
パキスタンは、ワタ収穫量のこれまでの記録を塗替えた

ヨーロッパ

欧州委員会(EC)主席科学顧問のコメント:遺伝的に改変された生物(GMOs)は相当する従来のものよりもリスクが高くない
調査によるとGM作物研究への支援が増加している
TEAGASCが遺伝子組み換え疫病耐性ジャガイモの環境影響を調査開始
GLOVER氏は、遺伝子組み換え食品は、リスクをもたらさないと述べた
遺伝子組み換え飼料の投与実験としてBTトウモロコシを豚に与えたが問題なかった

研究

将来の遺伝子組み換えワタ品種開発のためのワタミ壁特異的プロモーターの同定と解析
中国の試験でBTワタが非BTワタへのピンクオオタバコガを抑制することがわかった
遺伝子組み換えトマトの遺伝子の流動とマルハナバチの摂食行動への影響
IRRI の科学者がリン効率の良いイネを開発

文献備忘録

栄養素を増強した遺伝子組み換え飼料作物に関する冊子:POCKET K 41  
国別遺伝子組み換え作物の現況と動向

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https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120905/163101/