毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日の日経バイオテクONLINEメールの編集部原稿も担当しております日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。
先週金曜日の8月31日に続いてお目にかかります。

 今日は昨日に引き続き、東京農業大学の世田谷キャンパスで開催されている日本きのこ学会第16回大会を取材しています。キノコ産業は、原子力発電所の事故による放射性物質の飛散で大きな影響を受けました。きのこ学会では放射性物質関連の発表が多くありまして、また昨日開催された市民公開シンポジウムのテーマも「福島原発事故による放射性物質の汚染を回避したキノコの生産法を探る」でした。

東京農大できのこ学会第16回大会、放射性物質汚染回避のキノコ生産で公開シンポ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120907/163129/

 今日はキノコのLED利用栽培や遺伝子解析などの発表がたくさん発表されています。雪国まいたけやホクトの注目発表もあります。順次報じてまいります。

 今日は、2013年度概算要求が締め切られます。東日本大震災の復興経費も加えると総額は100兆円を超え、過去最大規模になるようです。重点3分野は、環境・エネルギー、医療、農林漁業。いずれもバイオテクノロジーと関係が深いので、バイオ事業化に役立つ予算措置も充実しそうです。近く日経バイオテクで概算要求の特集記事をとりまとめるべく、取材を進めております。

 今回のメールではもう1つ、、北里大学(東京・港)で開かれた第29回和漢医薬学会学術大会で9月1日に聴いた特別講演2「米国臨床治験薬になった漢方、その魅力と最新のエビデンス」がとても興味深かったので、少し紹介します。講演なさったのは、この4月に札幌東徳洲会病院先端外科センター長に就任なさった河野透さんです。旭川医科大学外科学講座消化器病態外科学分野の准教授をなさっていましたが、病院のセンター長就任に伴い、大学のほうは客員准教授になられました。

 「日本伝統薬として植物薬である漢方薬が、世界的に使用される薬となる可能性が出てきた」「高騰する医療費と合成薬剤の限界から、安全性と品質で日本の伝統医療である漢方に対する期待感が巻き起こり、米食品医薬品局(FDA)がこれまで決して認めようとしなかった合剤を初めて臨床治験薬剤として、TU-100(大建中湯)を認可するにいたった」「その契機となったのが大建中湯の薬効機序に関する分子レベルの研究。その機序解明から炎症性腸疾患、術後の腸管運動改善、過敏性腸症候群などの臨床治験が全米で展開されている」など、河野センター長は要旨にお書きです。

 大建中湯は、人参(ニンジン)、山椒(サンショウ)、乾姜(カンキョウ)の3種類の生薬で構成されます。その薬物動態、吸収試験をTOF-MSなどで確認したとお話しでした。TRPチャネルの解析結果も紹介ありました。記事にとりまとめ中です。

 河野さんは米Chicago大学でもご活躍なさっていますが、Chicago大の2つ下のフロアで中村祐輔教授が大きく展開しているとのこと、中村さんにも漢方の研究に参加してもらえれば、という話もありました。

 メール原稿の締め切り時間になりました。この1週間で直接まとめた記事リストを掲載させていただきます。ご参考にしていただければ幸いです。

※2012年8月31日から9月7日の記事リスト

日健栄協、消費者庁トクホ審査基準検討会の座長は寺田雅昭氏、機能性評価委員会の座長は金澤一郎氏
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120907/163130/

東京農大できのこ学会第16回大会、放射性物質汚染回避のキノコ生産で公開シンポ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120907/163129/

立命館大と筑波大、京大、三重大ほか、単細胞真核生物プロティストはクロロフィルをシクロエノールに変換して光毒性を消去
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120906/163123/

理研OSC参加の国際プロジェクトENCODEがヒトゲノム機能の80%を解明、Nature誌で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120906/163102/

松谷化学、20億円投資の香川県新工場は2013年夏稼働で年1万2000t生産、D-プシコースの愛称は「さぬき新糖」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120905/163100/

資生堂、基底膜のヘパラン硫酸の減少を抑制する2成分でシミ対策、11月にインドで発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120905/163097/

ヤマサ醤油が5’-ウリジン一リン酸を抗ストレス素材として実用化へ、
食品科学工学会で発表https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120905/163090/

東大医科研とJST、肥満細胞表面のP2X7受容体へのATP結合が炎症性腸疾患の一因
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120904/163087/

東大とJST、超微小水滴中で反応させる1分子デジタルELISA法で検出感度100万倍
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120904/163086/

サッポロがSBL88乳酸菌の下痢改善作用を実証、安曇野食品工房がヨーグルト新発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120904/163085/

カネカと滋賀県立大、グラボノイドは単回摂取で脂質代謝を亢進、運動で効果顕著
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120904/163084/

キリンがトクホコーラの1.5Lを10月9日発売、年間販売目標は当初比7倍の700万ケース
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120904/163082/

林原がL’プラザ東京ラボを長瀬産業東京本社に移転、9月19日にラボ業務開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120903/163049/

東洋新薬、すいおうに桑葉と異なる血糖値上昇抑制作用、健康科学学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120903/163048/

A-STEP、カルタ、日中交流シンポ【日経バイオテクONLINE Vol.1778】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120831/163026/