こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 米国で、50年ぶりとされる記録的な大干ばつによって、穀物価格が高騰しています。トウモロコシの産地である米中西部を熱波が襲い、干ばつは米国土の6割にも及ぶといいます。国際連合食糧農業機関によると、干ばつにより米国のトウモロコシ収穫予測は悪化し、7月にトウモロコシ価格は23%上昇したということです。日本にいても各地で豪雨や水害が頻発し、天候不順を実感しますが、この異常気象は世界的な現象のようです。

 穀物価格が高騰すると、トウモロコシのバイオ燃料への利用に反対する意見が強く出てきます。実際、米国ではガソリンやディーゼル燃料に一定割合の再生可能燃料を使用することを義務付けた再生可能燃料基準(RFS)の見直しを求める声が出てきています。ただし、RFS制度によってインセンティブを与えていることが、米国でバイオベンチャーなどにインセンティブを与え、バイオ燃料に関する研究開発を促進している側面があるのも確かです。一方で、セルロースなどの非可食部に由来する次世代バイオ燃料がトウモロコシ由来のバイオ燃料に取って代わるようになれば、食料と燃料が競合するという問題は解決に向かう可能性があり、多くのバイオ燃料関係者もそこをゴールに目指しています。単にトウモロコシを燃料に使うなと叫ぶだけでなく、RFS制度をセルロース由来のバイオ燃料の研究開発の促進にインセンティブを与えるような制度に修正していくことが必要なのかもしれません。

BIO、再生可能燃料基準を堅持するようEPAと米議会に要請
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120816/162719/

 いずれにしても、世界的な異常気象が一時的なものなのか、地球温暖化の影響によるものなのかは分かりませんが、世界人口の増加や、新興国での肉消費量の増加といったトレンドを見ると、食糧不足は今後、一層深刻化していくでしょう。一方、経済のグローバル化によって人や物を輸送する需要が高まる中で、バイオマスを輸送燃料として利用する機会も増えていくと思います。こうした問題を解決するには、農業の生産性を向上するとともに、バイオマスを燃料などに効率的に転換する技術開発不可欠です。

 7月30日に政府の国家戦略会議が発表した「日本再生戦略」では、「グリーン成長戦略」のところに「バイオマス」の文字はなく、省エネ技術や蓄電池の導入が施策の中心で、唯一、海洋エネルギーに関連して「藻類を活用したバイオエタノール生産技術の開発」に触れられているだけです。バイオマスの利用は「農林漁業再生戦略」の中に位置付けられていますが、そのような限定的なとらえ方でいいのかは疑問です。少なくともバイオマスはエネルギーだけでなく、プラスチックなどの原料としても重要で、国内外の企業による技術開発は進展しつつあります。確かに、日本国内でまとまったバイオマスを入手するのは困難かもしれませんが、バイオマスをエネルギーや樹脂原料に転換する技術の開発にはより力を入れるべきだと思います。

国家戦略会議、日本再生戦略を決定、2020年には新薬・先端医療技術関連で3万人の新規雇用達成を目指す
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120731/162454/

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                    日経バイオテク編集長 橋本宗明