こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 ひょんな経緯から、長崎大学熱帯医学研究所のケニア拠点のことを取材させていただくことになり、現在、ケニアのナイロビに来ています。私にとってアフリカ大陸上陸は初めての経験で、欧米への海外出張とはかなり勝手が違う思いをしています。

 予想外だったのは、雨期で天気が悪いせいもあって、昼間でもずいぶん寒いことです。事前に「防寒具を持ってきた方がいい」と言われていましたが、確かにセーターやコートは手放せません。また、ちょうど今はラマダンの真っ最中で、明け方になるとどこからともなくコーランを唱える声が聞こえてくるというのにも新鮮な思いをしています。治安の悪さについては事前にも聞かされてきましたが、ホテルやオフィスビルに入る際のボディチェック等の厳しさや、銃を持った警備員が立っているのを見るにつけ、用心して行動しなければと痛感します。衛生面もそれなりに用心しなければならず、とりわけ疾患の媒介蚊に対しては十分な対策が必要なようです。ちなみに、隣国ウガンダではエボラ出血熱による死者が多数出ていますが、ケニアの国立研究機関の研究者は、「我々には十分な経験がある。それほど心配することはない」と強調していました。

 取材の方は順調で、長崎大学ケニア拠点の研究者らの他、共同研究相手のKEMRI(ケニア中央医学研究所)の研究者、プロジェクトのスポンサーである国際協力事業団(JICA)の関係者、ケニア政府の関係者らにインタビューでき、これまた新鮮な思いをしています。いわゆるネグレクテッド・トロピカル・ディジーズの克服に向けて、日本のアカデミアがこれほど積極的に取り組み、現地で評価されているというのは知りませんでした。ケニア人の若い研究者が、「長崎大学は公衆衛生の研究のためのプラットフォームを作ってくれたことに加えて、我々に医学研究の教育をしてくれたことに非常に感謝している」と語るのを聞いて、いたく感激しました。後程、日経バイオテクONLINEで、現地でのプロジェクトの幾つかにスポットを当てた記事を紹介したいと思います。どうぞご期待ください。

 取材する中でちょっと意外だったのは、欧米などの援助団体が行っている公衆衛生面の援助活動が必ずしも歓迎されているとは限らないということです。前出のKEMRIでは、ヒトエイズウイルス(HIV)やB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)に対する診断キットを製造・販売しているのですが、海外の援助団体が無償で海外の診断キットを持ち込んだ結果、KEMRI製の診断キットが売れなくなってしまった経験があるということです。KEMRI製の診断キットは現在、世界保健機関(WHO)の認証を取得するための手続等を進めているところで、現時点ではケニア政府以外に対して販売できないという事情があるので、決して援助団体を非難するエピソードではありませんが、いずれにしても、こうした援助活動は、単に手を差し伸べる、物を与えるというのではなく、人を育てたり、雇用や経済活動に結び付けたりすることを視野に入れていかなければならないと強く感じました。

 現在滞在しているナイロビは、東アフリカの玄関口であり、高層ビルが立ち並ぶ大都会ですが、これからマラリアの流行地帯であるビクトリア湖周辺の小さな町に向かい、熱帯医学研究所のフィールド活動を取材してきます。現地での活動を含めて、皆様には改めてご報告したいと思います。本日は少し短いですが、この辺で失礼します。

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