国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2012年6月30日】

(2012.07.12 18:00)

(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2012年6月30日】の日本語訳を掲載したものです。

世界


トマトの全ゲノムの完全塩基配列が決まった

トマトゲノムコンソーシアムは、トマトの全ゲノムの完全塩基配列を初めて決定し、研究活動の総仕上げとしてNature最新号に報告した。コンソーシアムは、品種 「Heinz 1706」について研究し、12染色体上に約3万5000の遺伝子が配置されてることを明らかにした。この研究成果はトマトだけでなく、他の作物の収量、栄養、耐病性、味や色を改善に向けた重要な一歩である。

コーネル大学のBoyce Thompson研究所及び米国農務省農業研究所が研究チームを率いたのは、James Giovannoniである。彼は、「トマトのどの特性、例えば味、自然の害虫抵抗性または栄養成分について、実質的にすべてのそれらに関与する遺伝子を把握した。」と述べた。彼は、更にこの研究が種子会社や育種研究者が他の品種の研究開発を安価に、容易に行えると付け加えた。トマトと近縁種の遺伝子配列を入手できるsolgenomics.netと呼ぶインタラクティブなウェブサイトがBoyce Thompson研究所のLukas Mueller氏とそのチームによって作成されている。

トマトゲノムの遺伝子配列は、他の多肉質の果実をもつ植物種、特にイチゴ、リンゴ、メロンとその遺伝子配列の特徴を共有している。果実の成熟およびそれに関与する経路に関与する遺伝子情報は、他の作物の品質を向上させるために適用可能なものである。

トマトゲノムコンソーシアムはアルゼンチン、ベルギー、中国、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、イタリア、日本、オランダ、韓国、スペイン、英国、米国の科学者からなる国際的なグループである。

ニュースリリースは、以下のサイトにある。
http://bti.cornell.edu/index.php?page=NewsDetails&id=135
また、Natureの論文は以下のサイトにある。
http://www.nature.com/nature/journal/v485/n7400/full/nature11119.html
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ナシのゲノム情報を発表した

中国の南京大学が率いる国際科学者チームは、ナシゲノムの塩基配列のドラフト版が完了したと発表した。塩基配列プロジェクトはアジアで商業的に重要なナシ品種 「Suli」(Pyrus bretschneideri Rehd. cv. Dangshansuli)である高品質の二倍体ナシのドラフトゲノム配列を決定した。ナシの17染色体の遺伝子地図として決まった配列は、ゲノム全体の97.1パーセントをカバーするものであると報告された。

塩基配列プロジェクトの科学者たちは、ナシの塩基配列がナシの進化とナシと他植物との関係を理解する上での重要な情報源になると述べた。データはオンラインで他の研究者が利用できるようになる予定であるので果実の味、色、品質、保存期間延長に加えて害虫や病気に罹りにくくなることについての情報解明に役立つと期待されている。

ナシ塩基配列プロジェクトは、2010年春に開始され、このチームは、南京大学のナシ工学研究センター、エンジニアリング技術研究部門、BGI-Shenzhen、 the Zhejiang Academy of Agricultural Sciences、日本の東北大学、the University of Illinois at Urbana-Champaign、 the University of Georgia、及びd the University of Hawaiiから構成されている。
ニュースリリースは以下のサイトにある。
http://www.genomeweb.com/sequencing/consortium-releases-pear-genome-data.
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DR. DANIEL HILLEL が2012年世界食糧賞受賞者に決定

イスラエルのDaniel Hillel博士は、2012年世界食糧賞受賞者に選ばれた。世界食糧賞財団の会長Amb. Kenneth M. Quinn氏がこの賞は同氏のマイクロ灌漑技術による不毛地帯と乾燥地での作物に水を与える先駆的かつ革新的な研究に与えると発表した。授与式は、国務省Kerri-Ann Jones氏(海洋及び国際環境科学外務次官補)の主催でJonathan Shrier氏(世界の食料安全保障特別代表)の出席の下で行われた。

Hillel博士は、ネゲブ砂漠の高地での農業と水の極少ないことに関する重要な問題に挑戦した。彼はそれまでの大量の水を定期的に短期間根に与える代わりに連続的に少量の水を根に直接灌漑新しい革命的方法開発した。Dr. Hillel博士の水供給技術は、作物を育てるための水の量を削減し、一方、作物の健康を維持し、高い収量を得ることで多くの人々に食料を供給するもである。この考え方は、国連食糧農業機関が推進することで世界中に広がっており、現在世界中で600万ヘクタール以上の農地で活用されている。

世界食糧賞は、アイオワ州、州都Des Moinesで10月18日に「相互提携と優先順位:変わりゆく世界の食料安全保障の姿」のテーマで行われるボーローグ記念国際シンポジウム開催の際にアイオワ州議会議事堂で第26回受賞者表彰式で授与される。
原報告は以下のサイトにある。
http://www.worldfoodprize.org/index.cfm?nodeID=24667&audienceID=1&action=display&newsID=18914
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アフリカ

アフリカ首脳は、バイオテクノロジーは促進すべきとした

アフリカの指導者たちは農業研究とバイオテクノロジーを促進することでアフリカ大陸の多年にわたる食糧不足と飢餓に実際的な解決策を図った。国と政府の首脳は、南アフリカ、ヨハネスブルグで2012年5月28日に開催されたグローバルアフリカのディアスポラ•サミットの終わりに当たり、この共同宣言を採択した。

その共同宣言文には、「我々、AU(アフリカ連合)、CARICOM (the Caribbean and South America)の首脳は、AU, CARICOM及びディアスポラの代表者からなる複数の利害関係者からなる以下の優先分野に関するワーキンググループの設立に合意した。優先分野は、経済協力と科学技術 であり、 低軌道衛星、農業とバイオテクノロジーの研究を含むものである。」国家と政府の首脳の宣言は、バイオテクノロジーがアフリカの農業に好適なものであるとのコンセンサスがアフリカ大陸に拡がってきているとの考えによるものである。

サミットの宣言の内容は以下のサイトにある。
http://appablog.wordpress.com/2012/05/28/declaration-of-the-global-african-diaspora-summit/
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ブルキナファソでは、BTワタが増え続けている

Le Pays氏のインタビュー及びABNE(the African Biosafety Network of Expertise)の出版物は、2012年5月10日にRadio France Internationale(RFI)がブルキナファソではBtワタの栽培が放棄されようとしているとした放送を一蹴した。

Dehou Dakuo博士(ブルキナファソ有数の綿花会社のSOFITEXで綿の生産と開発の部長)はそのインタビューの中で、RFI放送の情報源を確かめることもできない虚偽のものと述べた。Dehou Dakuo博士によるとSOFITEXは、その放送の最中にワタの生産者とBtワタのため毎年恒例のプレ苗フォーラムを開催していたらからである。彼は、RFIにはニュースを放送する前に、真実を確認しておく必要があることを強調した。 「いかなる利害関係者、またはワタ業界内外を問わずその情報源をわかっていない。」と彼は言った。

Dakuo博士、ワタ業界の一般的な評価に関する報告書はブルキナファソワタ業界協会(the Association Interprofessionnelle du Coton du Burkina 、AICB)から一般に公開されていることを追加した。ブルキナファソは、まだBtワタ栽培をおこなっていることが報告書にある。SOFITEXとその利害関係者は、ベナン、コートジボワール、マリ、セネガル、トーゴなど他の近隣諸国にブルキナファソでの経験を行うように奨励している。「我々の経験がマイナスなものなら参考にするなどはできない。」とDakuo博士は言った。

全インタビューは以下のサイトにある。
http://www.nepadbiosafety.net/bt-cotton-in-burkina-faso
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ガーナは、現代バイオテクでワタ生産を再生

2012年6月11日に首都アクラで2日間のワークショップを開いた際に環境・科学技術大臣、Hon.Mrs Sherry Ayitteyは、「ガーナ政府は、綿部門を復活させるには現代のバイオテクノロジーの力の必要性を認識している。」と言った。産業省、食料・農業省、環境省、科学技術省とUNIDOと共同で主催したワークショップは、北部ガーナのワタの生産性を高めるために利用できる機会を利害関係者に知ってもらうことを目的としたものだった。ガーナの綿花生産は、1990年代の年間45,000トンから20,000に大幅に下落したことを指摘し、大臣は、現代のバイオテクノロジーがこの問題を解決する鍵を握っていると述べた。隣接するブルキナファソからのを含めて、グローバル綿産業を後押しするための効果的なテコ入れが行われている。

Btワタの利点を確認し、KarimTraore氏(ブルキナファソのワタ生産者の国民連合の会長)は、農業生産者が有害な殺虫剤の撒布を8回から2回に大幅に減少し、その散布時間を大きく減少し、農業生産者が最大の受益者であると述べた。「これらの農薬の危険が大幅に減少し、我々はより多くの食用作物を栽培するために余分な時間を使えるようになった。」とも言った。同じことが南アフリカの農業生産者Frans Malela氏とインドで10年間のBtワタに関する経験をもつBhagirath Choudhary氏によって確認された。

Frank Van Rompaey氏、UNIDOの国の代表が、パートナーシップは、綿の競争力を向上させる政府を支援し、利用可能な様々な選択肢を模索することを目的としていると述べた。重要な推奨事項は、生物学的安全性に準拠する法的手段の迅速な開発である;体系的に一般大衆に広報する戦略の開発;Btの技術の可能なサプライヤーを探ること-その利点・強み生かすため独立した農民/栽培者協会を設立し、強化する、そして、かって導入された高品質のBtワタの種子や糸を確保するために、国際基準に基づいて、国家標準を確立することである。

約160万ヘクタールの組み換えワタ栽培が1996年に初めて導入されて以来成功裏に行われている。Bt遺伝子を備えた害虫耐性ワタで除草剤耐性も備えたものが最初の製品だった。そのインパクトは、遺伝子組み換えワタを導入した13カ国全てで大きかった。即ち、2011年には2500万ヘクタール越えるものであった。インド1060万ヘクタール、米国400万、中国390万、パキスタン260万ヘクタールが世界のリーダーである。
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南北アメリカ

CO2レベルの上昇が野生イネから栽培種への遺伝子の流れに影響を与える

米国農務省農業研究サービス(ARS)の研究者は、大気中の二酸化炭素の増加量は栽培品種への野生または雑草イネの遺伝子の流れに影響を与えることを確認した。これは、このような発生を実証し、遺伝子の流れが均一でないことを説明した最初の研究である。

「地球規模の気象変動は、農業生産者が気象変動と作物の需要のシフトに応じて生産戦略を見直す必要になる。」 ARSの研究者Edward B. Knipling氏が述べた。「これらの新しい知見は、植物育種家の育種設計を支援し、気象変化が作物の応答に影響を与える可能性を予測する上で役に立つ。」と追加した。

詳細は以下のサイトにある。
http://www.ars.usda.gov/is/pr/2012/120523.htm
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新グリホサート耐性ナタネがカナダで承認された

カナダのナタネ栽培者は、近く新しい雑草管理手段を持てるようになった。Pioneer Hi-Bred 社は、Optimum GLY canola(グリホサート耐性)の栽培、飼料利用、食品利用の規制承認を受けた。

Optimum GLY brand canolaの開発者は、DNAシャッフリング技術をグリホサート耐性品種に行い、より収量の高い品種を開発した。

詳しい情報は、以下のサイトにある。
http://www.pioneer.com/home/site/about/news-media/news-releases/template.CONTENT/guid.171AB400-0E0D-8492-8614-7B4BDD325D09

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米国は遺伝子組み換えユーカリの環境影響評価の結果、圃場栽培を承認

遺伝子組み換えユーカリハイブリッドの圃場栽培試験の環境評価から動物および植物衛生検査サービス(APHIS)が承認された。圃場試験は、組換え品種の耐寒性、リグニン生合成の変化および改良した成長と開花を実証するためである。

APHISは、科学的な情報の評価と一般公共からのコメントをもとにして圃場での解放試験は、植物の害虫へのリスクや人間環境の質に大きな影響を与えることは、考えられないと結論した。したがって、当局は、環境影響に関する説明はこの圃場試験に必要ないと決定した。

ニュースリリースは以下のサイトにある。
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2012-06-06/pdf/2012-13760.pdf
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組み換えダイズのメキシコでの商業利用が承認された

遺伝子組み換え(GM)グリホサート耐性ダイズのMon04032-6品種が2012年6月6日にメキシコで商業利用が承認されたとUSDA FAS世界農業情報ネットワーク(GAIN)で報告された。このダイズ品種は、カンペチェ、キンタナロー、ユカタン、サンルイスポトシ、タマウリパス、ベラクルスとチアパスの各州で253,500ヘクタールの商業リリースを行える承認を得た。

メキシコの年間ダイズの栽培は165,000ヘクタールで、国内総ニーズのわずか5%の自給率である。大豆の供給のほとんどは米国からの輸入によっている。GMダイズ種子の導入で国内の生産収率は、大幅に増加すると予想され、メキシコでの大豆作付面積の拡大につながるはずである。法的枠組み(NOM-FIT0056)の下で、メキシコ政府は2010年にGMダイズのパイロットテストを承認した。

報告書はまた、2012年3月25日にメキシコ政府は組み換えトウモロコシの4つの組み換えコーンパイロット試験の承認した、これは2012年1月6日の組み換えコーンパイロットテストの承認に加えてのものである。

全報告は以下のサイトからダウンロードできる。
http://gain.fas.usda.gov/Recent%20GAIN%20Publications/Genetically-Enhanced%20Soybeans%20Approved%20for%20Commercial%20Use_Mexico_Mexico_6-8-2012.pdf
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BASF は、その革新的品揃えを発表

イリノイ州シカゴで2012年6月4-6日にBASFが主催したメディアサミットは、「持続可能性への道筋としてのイノベーション」をスローガンとした。サミットでは、農地減少と作物がより高価で厳しく規制される中で増加する人口を養うために農業生産者が備えるべき技術と持続可能な実践に焦点を当てられた。

BASFは、作物保護や植物バイオテクノロジーの革新に焦点を当てた研究段階にある自社製品の品揃えを発表した。製品の一つは、彼らがモンサントとの提携で開発したダイカンバ耐性(dicamba-tolerant)作物システムのEngeniaである。この製品は2013年または2014年に実用化が予定されている。雑草管理法の革新以外では非生物的ストレス耐性を持つ製品のリリース予定である。2013年までに、乾燥耐性形質を持つDroughtGuardハイブリッドが市場に出回ると予想している。

「天水が豊富なコーンベルト地帯にあっても乾燥耐性ハイブリッドを速く手にしたいのです。何故ならば、水が制限要素でなくとも生産効率を上げることができるからです。」とイリノイ大学作物生理学教授Fred Below博士が言っており、更に「乾燥耐性ハイブリッドコーンベルト全体に必要であるのは、生産性の向上に繋がるからである。」付け加えた。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.croplife.com/article/28079/2012-basf-media-summit-innovation-as-the-path-to-sustainability
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除草剤耐性雑草への挑戦と新しい手法

イリノイ大学分子雑草科学教授Patrick Tranel博士と助手Nick Hausman氏は、イリノイ州で除草剤耐性雑草の増加を認めた。彼らは、グリホサート耐性作物の利用の初期の成功が、他の雑草管理手法を考え、実施することを忘れていたことに課題の発生があるとした。したがって、グリホサート耐性雑草の発生増加は、これまでの懸念を呼び起こし、新しい雑草管理手法研究を再活性化する必要があるとしている。

ほとんどの技術開発は、雑草の除草剤耐性の問題に対して新しい除草剤耐性作物の創製と代替/代替品として使用することができる技術に関わっている。しかし、Tranel博士は、如何に新規な技術であれそれに対抗する耐性発現の進化は止めることができないのは、これまでの作物でのことと同じであると警告した。

「Roundup Ready 時代からの教訓の一つは、何かを使いすぎると言うことはよくないことであるとの現れである。」また「新しい雑草制御法を導入するに当たって、この教訓を忘れてはならない。いかなる雑草管理法でも賢明かつ慎重に使用しなければならず、しかもその有効性を保持するには、これが統合的雑草制御戦略の一つのオプションにすぎないことを忘れてはならない。」とTranel博士は、述べた。この報文は、8月16日にイリノイ大学の第56回農業学日で報告される。

さらなる挑戦と新手法と新手法については、以下のサイトにある。
http://cropsci.illinois.edu/news/herbicide-resistant-weeds-current-challenges-new-tools
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BTに対する抵抗性発生の退避

昆虫学及び作物科学公開講座担当イリノイ大学Mike Gray教授は、Cry3Bb1を発現しているBtコーンの西洋ハムシモドキの発生を増加するこれまでにない機構の存在を提案した。2011年に西部のキャス郡で始まり、同様のことが他の北中部の州、特にアイオワ州で浮上した。このような状況が継続的(少なくとも10年連続)にBtコーンの使用時に出てくる可能性が出てきた。キャス郡で、Cry3Bb1のBtコーンは、2007年から使用されてきて、このように抵抗性発生の淘汰圧が著しく増加した。

グレイ博士は、次のような管理慣行を実施することが重要であることを示した。1)他の作物との輪作、2)さまざまのBt品種を季節ごと回転使用、3)非Bt品種と土壌殺菌剤を播種時に利用、4)Bt品種と避難品種の利用。

ニュースは、以下のサイトにある。
http://cropsci.illinois.edu/news/bt-corn-root-injury-confirmed-and-exceptionally-early-western-corn-rootworm-adu
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アジア・太平洋

APEC: バイオテクノロジーは食料安全保障を改善する

アジア太平洋経済協力会議(APEC)の高官は、バイオテクノロジーは、地域の食料安全保障と持続可能性に貢献できることを認識した。5月30〜31日にカザン、ロシアで開催されたAPEC閣僚会議の前に、専門家は、気象変動、人口の増加、限られた耕地、水の不足がこの地域に必要とされる食料安全保障を行うことが必須であることを高官に警告した。

バイオセーフティシステムプログラムのDr. Julian Adamsは、APEC高官にこの地域におけるバイオテクノロジーの重要な将来性を説明した。Dr. Adamsが提起したのは「食物摂取は増加してきているがアジアで農地の拡大は限られている。」更に加えて将来水需要が増加することを議論して「2025年には、世界人口の3分の2、即ち5.5億人が中程度から重度の水不足の地域に住むことになる。」と述べた。

ニュースリリースとAPECの詳細は、以下のサイトにある。
http://www.apec.org/Press/News-Releases/2012/0528_food.aspx
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遺伝子組み換えススキ(MISCANTHUS)が初めて開発された

日本の北海道大学の研究チームは、史上初の遺伝子組み換えススキ(Miscanthus)を完成した。東アジア由来の多年草は、有望なエネルギー作物であると考えられている。この植物は、セルロース系の飼料作物とされているが、そのリグノセルロースは、エタノール生産に有用と考えられる。

ススキ(Miscanthus)のために新たに開発した遺伝子導入技術により、細胞壁組成を変える(リグニン含有量を下げる)ことによって糖化の改善や環境ストレス耐性を有するなどの新しい品種を作成できるようになると期待されている。

原報告は、以下のサイトにある。
http://www.hokudai.ac.jp/en/news/201103.html
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食料に関する中国農業生産者のGM種子に対する権利の考え方

中国Baoding UniversityのMinxing Zhao氏は、中国における食品に関する農業生産者のGM種子開発についての権利に関する論文を発表し、農業生産への導入は生産者の手にゆだねるべきだと提言した。これは種子および植物遺伝子資源の所有者、育種者、保存者としての農業生産者の権利を守ることになり、GM種子のメリットを最大にし、デメリットを最小限にするものであるとした。

全報告は、 the Developing Country Studies journalに発表され、以下のサイトにもある。
http://www.iiste.org/Journals/index.php/DCS/article/viewFile/1754/1707
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ヨーロッパ

窒素源有効利用(NUE)テンサイの圃場試験の結果が公表された

共同開発を行ってきたアルカディアバイオサイエンス社(Arcadia Biosciences)とSESVanderhaveは、窒素源有効利用(NUE)テンサイの3年間の圃場試験が成功裏に終わったと発表した。この品種は遺伝子組換えで複数年にわたるさまざまの施肥下でコントロールに比べて収量が上がるようにしたものである。

「我々がNUEテンサイで得たデータによるとさまざまな窒素施肥下での収量改善の非常に大きな可能性され、条件によっては低い窒素投入で高い収率がで達成できることが示された」とSESVanderHaveの研究開発部長のKlaas Van der Woude氏がコメントした。同氏は更に以下のように述べた。「我々は、急ぎテンサイの技術の開発を進行し、テンサイ産業の競争力と持続力を支援するためにサポートするために、NUEシード製品を熱心に進めている」

NUEテンサイの商業化に成功すると、農業生産者は、低窒素施肥で栽培して、持続可能な農業生産および環境負荷の低減に貢献出る。

ニュースリリースは以下のサイトにある。
http://www.arcadiabio.com/news/press-release/sesvanderhave-and-arcadia-biosciences-achieve-field-performance-milestone
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ノーベル賞受賞者が GMについてコメントした

英国の生物学者でノーベル賞受賞者であるRichard Roberts氏は、2012年5月22日から24日に、カザフスタンのアスタナで開催された経済フォーラムで遺伝的改変、合成生物学、幹細胞研究に関する彼の見解を表明した。彼は、遺伝子組み換え生物に対するEUの反対は政治問題であると述べた。

「政治的なレベルでは、政府が遺伝子組換え生物(GMOs)を受け入れる必要があり、純粋に政治的な理由で遺伝子組み換え作物の使用を反対しているEUの反対者には何ら道理はない」と、Roberts氏は述べ、さらに以下のように追加した。「ここで重要なことは遺伝子組み換え作物(GMOs)が害を起こしているという証拠が全くないことである。しかもこの分野がよく分かっている科学者は、従来法により育種された作物の方が、遺伝子組み換え作物よりも有害である可能性が高いと分かっている」

彼はまた、「ヒトゲノムについての情報の増加が医療と診断を格段に改良し、また幹細胞研究は、私たちの生活の質が加齢とともに減少しないことに間違いなく役立つ」と述べた。

原報告は以下のサイトにある。
http://www.healthcareglobal.com/press_releases/nobelist-speaks-out-on-genetic-modification-synthetic-biology-stem-cell-research
Astana Economic Forumの詳細は以下のサイトにある。
http://www.aef.kz/en/news/287573/
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2020年までのロシアのバイオテクノロジー開発プログラム

ロシアの 「2020年までのロシア連邦におけるバイオテクノロジーの開発のための包括プログラム」が最近、USDA FASグローバル農業情報ネットワーク(GAIN)に公開されている。文書では、全ての分野で2020年までにバイオテクノロジー指向の経済を振興するさまざまな戦略を備えており、先進国と途上国と同等であるとしている。現在、ロシアは農業バイオテクノロジーを含むバイオテクノロジーの利活用に遅れていると文書に記載している。

プログラムは、2相(2012年から2015年と2016年から2020年)に分けて行われ、農業バイオテクノロジーの発展のために全体の390億ドルのうち17%(67億ドル)が割り当てられる。政府は、ロシアでの農業バイオテクノロジー開発とロシア農業のためにこの技術の利益の実現にむけて全力を傾ける開発としている。

報告全文は以下のサイトにある。
http://gain.fas.usda.gov/Recent%20GAIN%20Publications/Program%20on%20Development%20of%20Biotechnology%20in%20Russia%20through%202020_Moscow_Russian%20Federation_6-7-2012.pdf
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ROTHAMSTED研究所 と 生物科学研究会議が小麦新品種「20:20 Wheat」を発表

Rothamsted研究研究所と生物科学研究会議(Biological Sciences Research Council 、BBSRC)新小麦品種「20:20Wheat」を公表し、今後20年以内に英国における小麦の収量をha当たり20tに増加させるプログラムを開始した。プログラムは、増加する世界の人口の中で食料安全保障の課題に取り組むための知識ベースとツールを提供することを目指した英国穀物2012イベントの際に公表された。

プログラムは、小麦の量と質を改善するための研究資金を、遺伝子の改善を通した光合成効率化、キャノピー(canopy)と根の構造の改善、種子の改善、栄養素の利用効率の強化などを対象に提供するとしている。

プログラムの開始に当たり、英国主席科学顧問Sir John Beddingtonは、以下のように述べた。「世界は、『大嵐(perfect storm)』に向かっている。つまり次の20年から40年に予想される気象変動の中で、エネルギー、水、食料の需要が劇的に増加する方向にある。世界の農業の課題は、これまでよりもより少ない水、肥料、殺虫剤を使用して、あまり増やすことのできない土地面積でより多くの食糧を生産することにある」

報告全文は以下のサイトにある。
http://www.bbsrc.ac.uk/news/food-security/2012/120613-pr-rothamsted-bbsrc-launch-wheat-20-20.aspx
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GreenInnovationメール2012

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