まずはお知らせです。

 日経BP社とバイオ専門のベンチャーキャピタル、バイオフロンティアパートナーズが共催するバイオのライセンス・投資担当者の教育プログラム「バイオファイナンスギルド」第11期の申し込み締め切りが、6月20日迫りました。目利き人材育成と新しい技術シーズや研究者、政府関係者、投資家などとのネットワーク形成を目指すプログラムにどうぞご参加願います。今回はベンチャー企業関係者に向けに特別価格も設定しております。先着5社限定。既に残り2社となりましたので、お早めに詳細をお問い合わせ願います。製薬企業、VCからの参加も歓迎します。
詳細はbtj-ad@nikkeibp.co.jpまで。お急ぎ願います。

 さて、昨夜のオーストラリア戦は、なんとも奇妙な引き分けに終わりました。オーストラリアはホームの声援をバックに、猛攻を仕掛けました。キーパー川島選手のファインプレーに何度も救われましたが、よく耐えていたと思います。主審は上がっていたのか、怯えていたのか不明ですが、納得できないPKを決められ、引き分けとなったことは残念でした。しかしこうした理不尽なことも起こるのがサッカーです。アウェイで豪州に引き分けは上出来と考えなくてはなりません。

 バイオでも、患者さんは学会というアウェイゲームで大健闘しました。

 昨夜(12日夜)、パシフィコ横浜で開催された第11回日本再生医療学会総会を取材して参りました。「この学会は単なる学術の追及だけでなく、再生医療を患者さんにお届けするとこまで責任を持ってやる学会だ」と日本再生医療学会理事長の東京女子医科大学岡野光夫教授が宣言するとおり、今や細胞培養技術だけでなく、法律や規制環境の整備も含め実際に再生医療に必要な総てを議論する学会に成長しました。実際に、どうやった細胞を品質管理すべきか?どうその品質を証明する書類を整えるか?など、あまりバイオ学会ではお目にかかれないシンポジウムも開催されました。本日は文科省、厚生省、経産省など再生医療にかかわる官庁の担当課長がそろい踏みするセッションもあります。つまり、学術を超えて、新しい医療や細胞医薬を実現する総ての関係者が参加する学会となっているのです。再生医療の実用化を目指し、新たな提言も今晩発表されます。

http://www2.convention.co.jp/11jsrm/

 今回の総会の会長をしている大阪大学の沢教授に捕まって、市民講演会に絶対参加しなくては駄目と言われ、抜け出せずにぐずぐず会場に残るはめに。しかし、これが良くある学会の啓蒙的なセッションとは違い、とても面白かったし、再生医療が実際役に立つのだということを猛烈にアピールするものでした。次の取材も忘れ、正面の一番前に陣取って講演やパネルディスカッションを聞き入ってしまいました。

 最大の理由は、自己骨格筋のシートを貼り付けて、補助人工心臓装置から離脱した患者さんなど、実際に再生医療の恩恵によって、元気を回復した心不全患者が3人も、パネルディスカッションに登壇したことにあります。参加したタレントのコメントの数1000倍もの迫真性を、患者さんのコメントはもっていました。パネルの前に、沢教授が心不全の再生医療のビデオを公開、実際に自己骨格筋シートを貼り付けた患者さんが元気な姿を見せたのだから、説得力も倍増します。3人とも根本的な治療は従来なら心臓移植しかなかった患者さんが、元気に歩き発言している姿は、何よりも強烈に再生医療が我々に役立つことを訴えかけました。司会の誘導尋問で、「再生医療は役立つ」などと言わされていましたが、そんなことより、患者さんがぴんぴんしていることだけで、会場に熱気を与えてくれました。心臓移植なら手術だけで3000万円、自己骨格筋シートは600万円とざっくり医療費を算出した澤教授の推定が正しければ、医療経済的にも福音となります。

 我が国の先端医療開発が米国に後塵を拝している結果を招いている最大の原因が、患者さんが研究開発のパートナーとして参加していないからだと、主張していましたが、再生医療学会でそれを体感することができました。バイオを学者の遊びに終わらせないためには先端医療の今まで無視されてきた当事者である患者さんの意思をプロジェクトに反映しなくてはなりません。これによって、技術だけでなく、実用化の頚木となっている制度の変革も大きく動くと確信しています。

  皆さん、今週もお元気で。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満