こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 一昨日、JSTが触媒科学に関連するシンポジウムを開催し、その基調講演で米Purdue大学の根岸英一特別教授が基調講演をされるというので取材してきました。シンポジウムは、国の戦略目標に基づいてJSTが研究領域を定め、トップダウンでイノベーション創出に資する技術シーズの創成を目指す戦略的創造研究推進事業に、「先導的物質変換領域」が設けられたことの“お披露目”で開催されたものです。先導的物質変換領域というのは、簡単に言えば、地球環境問題の根源ともいわれるCO2(もしくはその他のC1、C2化合物など)を低エネルギーで還元して、エネルギーやプラスチックなどの物質生産に利用するための触媒などの発明を目指した研究プロジェクトです。

JST、先導的物質変換領域シンポジウム、「いかにして二酸化炭素を有用な有機物にリサイクルするかが課題だ」とノーベル賞の根岸教授
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120522/161180/

 根岸教授の講演は、ご自身のクロスカップリング反応を考案された時のエピソードも含め、バイオの人間には少し難しい部分もありましたが、面白くお聞きすることができました。ただ、光合成反応のようなエネルギー生産を、触媒を用いた化学的な手法だけで行うというのは、かなり挑戦的なテーマといえます。有機化学は日本の強い分野の1つであるのは確かですが、例えば育種なども含めたバイオマスの効率的な生産・利用などとも連携しながら、より低コスト、低エネルギー、低環境負荷な、エネルギー・物質生産法の確立を目指していく必要があるように思いました。

 ところで話題は変わりますが、先週は弊社主催の「製薬企業向け中国進出セミナー」を開催したり、コーポレートディレクション(CDI)の「中国内需市場攻略を再考する」というセミナーを取材させていただいたり、他にも中国から来日された方とのランチミーティングありと、私にとってはChina Weekでした。おかげさまで我々が主催したセミナーは無事成功し、参加いただいた方にも概ね満足いただけたようです。セミナーの詳細は専門的な内容だったので割愛しますが、エッセンスの部分だけ、後程日経バイオテクONLINEで記事にしておきたいと思います。

 ちなみにCDIのセミナーで印象深かったのは、「『日本で売れているのだから中国でも売れるだろう』という感じで出て行って、現地で十分な投資もせずに、『やはり中国は難しい』という印象に結びついているケースが少なからずある」と指摘されていたことです。中国を知るにはその市場構造や流通などについて、より詳しく学ぶ必要がありそうです。我々が今回開催したセミナーは、「臨床開発と薬事申請のノウハウ」にスポットを当てたものでしたが、異なる切り口の製薬企業向け、医療機器向けの中国関連セミナーをご用意してもいいのかもしれません。「こういうテーマを」というご要望があればお聞かせいただければと思います。

 最後に少し宣伝です。5月28日に開催を予定している日経バイオテクプロフェショナルセミナー「核酸創薬イノベーション」の開催まで、あと1週間を切りました。今回のセミナーでは、最近、製薬企業の創薬研究者の間で急速に関心が高まっている核酸医薬、特にsiRNA、miRNAの話題を中心に、その創薬研究から臨床応用の可能性、課題や展望を議論します。アカデミアの基礎、臨床の研究者から、miRNAに関する基礎的な研究動向や、siRNA医薬の臨床応用を目指したなど取り組みなどを紹介いただけるほか、製薬企業や医薬品医療機器総合機構(PMDA)の人も交えてディスカッションも予定しています。セミナーは、来週月曜(28日)の13時から17時45分まで、東京・秋葉原の秋葉原コンベンションホールで開催します。まだ受付していますが、残席は少なくなってまいりましたので、この機会にぜひ、下記サイトよりお申し込みください。

 http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/120528/

 本日はちょっとまとまりのない話になってしまいましたが、この辺で失礼します。ご意見、ご批判は以下のフォームよりお願いします。

 https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/

                    日経バイオテク編集長 橋本宗明