3月23日以来3週間ぶりでお目にかかります。「日経バイオテク/機能性食品メール」も担当しております日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。

 先週から新たな2012年度が始まりました。産学連携でも注目すべき新たな動きがたくさんありますが、いくつか紹介させていただきます。

 東京大学では、2012年4月に寄付講座・研究部門が7つ、社会連携講座・研究部門が5つ新設されました。

東大の寄付講座にエピジェネや代謝工学、4月新設の3講座・4研究部門のうちバイオ関連が過半
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120409/160520/

東大の社会連携講座にRNA医科学と細菌感染、4月新設1講座・4研究部門のうちバイオ関連6割
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120409/160519/

 このうち、機能性食品と関係が深い講座・研究部門について2012年新設と継続の案件を抜粋してみます。

 東大の工学系研究科に2012年4月に社会連携講座「機能性天然生理活性素材創出」が新設されました。エリナが6000万円を拠出して設置期間は2012年4月から2015年3月までです。

 東大の生物生産工学研究センターには2012年4月に寄付研究部門「微生物機能代謝工学(協和発酵キリン)」が新設されました。2012年4月から2016年3月までの4年間で、寄付者は協和発酵キリン、寄付総額は1億7500万円です。

 東大の農学生命科学研究科の寄付講座「味覚サイエンス(日清食品)」は、07年4月から2012年3月までの5年間・2億5000万円が更新され、2012年4月から2017年3月までの2億5000万円が決まりました。寄付者は日清食品ホールディングスです。

 東大の医科学研究所に2012年4月に社会連携研究部門「細菌感染生物学」が設置されました。設置期間は2012年4月から2016年3月までの4年間で、ヤクルト本社と財団法人日本生物科学研究所が1億1600万円を拠出します。

 メールなどでご案内いただいた産学連携の異動につきましても少し紹介させていただきます。

 北海道大学の産学連携本部には、サントリー健康科学研究所の所長を長らくお務めになった木曽良信さんが移られました。北海道の食材を活かして健康への応用をお考えとのことです。北大の産学連携が一段とパワーアップされそうです。

 東京海洋大学で2012年3月まで10年間、ヘルスフード科学(中島董一郎記念)寄附講座の特任教授をお務めになられた矢澤一良さんは、東京海洋大の大学特定事業「食の安全と機能(ヘルスフード科学)に関する研究」プロジェクトで、引き続き活動を継続なさいます。スポンサーのえがおを中心に立ち上げられ、まずは2年間、「健康革命」を目標に、プロジェクト研究員(特任教授の称号)として着任なさいました。

 国立健康・栄養研究所で基礎栄養プログラムのプログラムリーダーをお務めになられてきた江崎治さんは、栄養士や管理栄養士、教師を育成する昭和女子大学の健康デザイン学科に異動なさいました。東京大学医学部出身の江崎さんは、論文発表の成果などで、国立健康・栄養研究所が独立行政法人として突出した業績を挙げてきたことにも大きく貢献なさいました。魚油に多いDHAやEPAのTVコマーシャルなどでも頻繁に引用されている、厚生労働省が定める最新の食事摂取基準で脂質のとりまとめ責任者もお務めになられました。国立健康・栄養研究所は2年後の2014年4月に、医薬基盤研究所と統合になる予定です。

 コムギ胚芽無細胞たんぱく質合成技術を確立した愛媛大学無細胞生命科学工学研究センター(CSTRC)センター長を務める遠藤弥重太教授は米国の西海岸で活躍します。愛媛大にも特別栄誉教授として残るとともに、米University of California Santa Cruz(UCSC)で研究を行います。

コムギ無細胞たんぱく質合成の遠藤弥重太・愛媛大教授、2012年春から米西海岸でncRNAとたんぱく質複合体を研究
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120314/160058/

 薬物動態、トランスポーター、マイクロドージングの第一人者である東京大学薬学部の杉山雄一教授は大学の定年退官を迎え、この4月からは理化学研究所での活動を始めました。薬物動態の研究は、食品の機能性研究と直結しています。

理研、杉山雄一・東大薬教授の特別研究室を26社の資金で横浜に開設、理研のCMISやOSCなどと協力
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120330/160371/

 日本を元気にするオープンイノベーションで、アカデミアの役割はますます大きくなっているように思います。

 3月下旬に京都市で開催された日本農芸化学会2012年度大会でも、産学連携に関連する催しや発表が相次ぎました。30本余り、報道しておりますので、記事にてご覧いただければと思います。

※日本農芸化学会2012年度大会の関連記事

農芸化学会、研究推進や人材育成をテーマに社長4人が講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120411/160552/

日本製粉と東洋オリーブ、小豆島産オリーブのマスリン酸が浮腫を軽減し関節炎を抑制
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120406/160489/

神戸学院大と長岡香料、カモミール精油成分がDNAポリメラーゼ阻害でがんと炎症を抑える、新規成分を同定
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120406/160486/

キユーピーが10億円でヒアルロン酸生産を1.5倍に、春学会発表3演題のうちアルキル化誘導体は今春商品化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120405/160485/

続報、東京聖栄大とハイファ研、AGFなど、コーヒーかすでマンネンタケやシイタケを栽培、エルゴステロールも増加
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120404/160464/

圧力と磁場で構造生物学推進、東大の田之倉教授らが高圧で巻き戻し促進、強磁場で結晶を高品質化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120404/160458/

富士フイルム、リコピンが皮膚細胞でKeap1-Nrf2経路を亢進してグルタチオンの産生を誘導
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120403/160437/

岐阜県と石川県、県産ブランド柿の未成熟果実の胆汁酸吸着作用はコレスチラミンと同程度、糖尿病予防効果など学会発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120402/160418/

杉山雄一氏は理研、江崎治氏は大学へ、明後日から新年度始まります【日経バイオテクONLINE Vol.1714】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120330/160374/

シナモンが非インスリン依存的に糖取り込みを促進、日大の関秦一郎教授らが学会発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120329/160335/

アミノアップ、ストレス対策の道産アスパラガス抽出物を年内に事業化、HSP70誘導活性など学会発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120329/160334/

京大の河田照雄教授ら、トマトの脂肪燃焼成分ODAは抗肥満対策の有望素材、食品加工特性も優れる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120328/160286/

ヤマサ醤油、酵素改変とGTP連続供給で医薬品期待のCyclic di-GMPを数十g合成
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120326/160227/

シジミのオルニチントリペプチドに肝保護作用、青森県と福島商店、東工大がES由来肝組織で評価
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120325/160224/

キリン、ウイルス感染防御の「プラズマ乳酸菌」を商標登録、ヒト試験成果を農芸化学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120324/160223/

ノエビアが大豆イソフラボンの美白作用を解明、J-TECの3次元皮膚モデル利用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120324/160222/

香川大と松谷化学、希少糖D-プシコースが線虫の寿命を20%延長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120324/160221/

味覚受容体、糖鎖、無細胞たんぱく質合成【機能性食品 Vol.43】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120323/160219/

日本農芸化学会大会が京都で開幕、初日は学会賞などの授賞式と受賞者講演会
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120322/160193/

フジッコ、黒大豆ポリフェノールの血流改善作用を農芸化学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120321/160167/

冷涼感受容体TRPA1を活性化するβユーデスモールを配合、キリン「すぅーっと茶」は発売後3週間で20万ケース突破
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120319/160139/

タキイ種苗、ピーマンの苦味成分をお茶大と解明、農芸化学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120319/160138/

待望の春学会、現地からも報道して参ります【日経バイオテクONLINE Vol.1708】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120316/160118/

味の素がグルタチオンに比べコク味10倍のトリペプチド創出、GPCRアゴニスト創薬技術を活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120315/160098/

安藤百福賞と農芸化学技術賞をW受賞の腸溶性ラクトフェリン、ライオンがTOKYOヘルスコレクションに出展
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120315/160096/

キッコーマンと日本デルモンテ、トマト種子中のトマトシドAはコレステロールの吸収を阻害して代謝を促進
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120313/160055/

文科省ターゲットタンパク公開シンポに400人、「大手企業に1件導出」と長野哲雄東大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120313/160040/

三井化学と阪大、組み換え大腸菌でイソプロピルアルコールを2日で113g/L
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120309/160005/

農芸化学会、FOODEX、トクホ講習会【機能性食品 Vol.42】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120309/160002/

東大の清水誠教授、農芸化学会2012年度大会の一般講演で食品機能の研究動向を分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120309/159985/

冷受容チャネルを活性化するβユーデスモールでキリンが農芸化学会のトピックス賞、3月16日に都内で説明会
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120308/159959/

冷受容チャネルTRPA1の注目度高まる、伊藤園とキリンが農芸化学会のトピックス賞を受賞
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120308/159958/

農芸化学会と協和発酵キリン、3000万円の被災地理科教育支援事業の目録贈呈式を3月24日に京都で開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120307/159957/

農芸化学会の技術賞はキリンのビール酵母とライオン・NRLファーマのラクトフェリン、3月22日に京都で授賞式
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120307/159956/

続報、農芸化学会が大会トピックス賞30題を発表、企業は花王、味の素、伊藤園、ヤマサ、キリン、三井、デルモンテなど11社
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120307/159952/

 メール原稿の締め切り時間になりました。この3週間で機能性食品関連の記事は30数本、日経バイオテクONLINEにて報道されましたので、メール末尾に記事のリストを以下に掲載し、ポイントを紹介させていただきます。

           日経BP社バイオ部
           日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長 河田孝雄

※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html

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