こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 昨年来、中国・アジア市場に関心を高めていろいろと調査、取材をしています。何よりも興味をひかれるのはその成長性と変革ぶりです。

 中国の医薬品市場は毎年2けたのペースで成長を続け、昨年は世界第3位となり、近く日本を抜いて第2位の市場規模になるとみられています。医療保険制度や薬事制度の改革も進み、市場は急拡大していますが、他の業種に比べて日本の製薬業界は中国に出遅れていると言わざるを得ません。

 中国市場が魅力的であるという話をすると、「大半が中国企業が生産するジェネリックの市場ではないのか」という反応が返ってきたりします。確かにその通りで、中国の病院市場でのシェアを見ると半分以上が中国企業によるものですが、欧米メガファーマを中心とする外資系企業の製品で構成される新薬市場もそう小さなものではありません。また、目下、地方の農村部での医療保険制度を充実させる施策が取られているため、中国のジェネリック企業はそちらにリソースを集中せざるを得ず、その影響で都市部の病院市場における外資企業と中国企業との競争が緩和しているという話もあります。

 これまで中国市場を気にしていなかった日本企業が押っ取り刀で出て行っても、既に中国企業がその製品のジェネリックを開発していた、などという話もざらにあるようですが、中国で特許出願していればそのような事態は避けられるわけです。何よりも中国では目下、医薬品GMPの施行や医薬品流通制度の改革などが急ピッチに進められており、大きな変革期にあります。また、2011年に始まった第12期25カ年計画の下ではバイオ医薬品産業を基幹産業として育成しようという政策が推進されており、技術移転機関の多くが中国国内で開発するための基礎研究のシーズを探しているもようです。

 このように大きく変化しつつある中国の事情を日本に紹介するとともに、中国における医薬品開発、とりわけ臨床開発と薬事申請の辺りの実際的なノウハウを提供するために、5月17日に「製薬企業向け中国進出セミナー」を開催することに致しました。

 実は昨年12月に「医療機器・IVDメーカー向け」の同様のセミナーを開催しており、その第2弾として企画しました。医療機器・IVDメーカー向けの時には中国の医薬品・医療機器の規制当局であるSFDAのOBを講師として招いたのですが、その立場だと制度の紹介にとどまりがちな印象だったので、今回はより実際的な講演にするために少し趣向を変えました。

 今回講師として中国からお招きするお一人は、現地でコンサルタント会社の社長をしておられる正田豊さんです。元アステラス製薬の北京支社長だった方で、中国の業界関係者や行政機関、医療関係者などと豊富なネットワークをお持ちの方です。日進月歩で変化する中国市場の現状とこれからの方向、日本企業の取るべき戦略についてご講演いただけると思います。

 もうお一人は、「医療機器・IVDメーカー向け」の時にも協力していただいた北京CROの張辛茹社長で、中国における臨床開発と薬事申請のノウハウについてご講演いただきます。北京CROは日揮ファーマと資本関係があり、CROとして多くの日本企業とも取引があるので、なぜ日本の企業がなかなかうまくいかないのかといったことから、医療機関、審査当局との付き合い方まで、細かなノウハウをお伝えいただけそうです。

 既に中国に開発・製造・営業拠点を有する企業でも、その戦略を再確認できるでしょうし、これから進出を考えるベンチャー企業などにとっても有益な情報を提供できると確信しています。お二人とも中国国内で顔が広いので、人脈作りという点でもお役にたてると思います。ということで、皆様ぜひともご参加ください。ちなみに私も来週深センに取材に行ってきますので、中国に関するホットな話題を少し紹介できるかもしれません。秋葉原でお待ちしています。

 http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/120517/

 それから、先週のメールでも紹介した核酸創薬のセミナーについてもまだまだ参加者募集中です。こちらは5月28日にやはり秋葉原で開催予定です。抗体医薬の“次”として注目の核酸医薬について、第一線の研究者と臨床、製薬企業、規制当局それぞれの立場の方を交えて議論します。他では聞けないユニークなセミナーになると思いますので、こちらもどうぞよろしくお願いします。

 http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/120528/

 本日はこの辺で失礼します。ご意見、ご批判は以下のフォームよりお願いします。

 https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/

                    日経バイオテク編集長 橋本宗明