こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 一昨日、医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)が開催した記者会見を取材してきました。METISは、医療機器産業の振興に向け、産・学・官連携して政策提言などを行うために設立された組織で、2001年3月にスタートして以来、1期3年をかけてさまざまな課題について提言を取りまとめてきました。09年10月に始まった第4期のMETISでは、1.革新的医療機器のレギュラトリーサイエンス戦略会議、2.医療機器の適正評価戦略会議、3.未承認医療機器の臨床研究戦略会議、4.アジアとの連携・交流戦略会議──の4つの戦略会議を設け、このほど成果を取りまとめたという次第です。詳しくは日経バイオテクONLINEでお読みください。

医療機器の政策提言団体が成果とりまとめ、薬事法改正の議論を視野に、次期は2013年4月スタート
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120314/160062/

 いずれにせよ、このところ医療機器産業には追い風が吹きつつあります。経済産業省が福島県で医療機器産業振興のプロジェクトを開始したことはこれまで何度も報じてきました。また、政府は現在、医療イノベーション会議で、医療イノベーション5カ年戦略について議論を行っていますが、その中で日本医療機器産業連合会(医機連)は、医療機器産業の競争力強化を図るためには、薬事法ではなく、医療機器の特性を踏まえて規制するための「医療機器法」の制定が必要だと提言。薬事法改正に向けた動きが本格化しそうです。

経産省、3次補正で福島に390億円、創薬・医療機器開発を支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111121/158009/

経産省、福島プロジェクトでは医療機器の製造販売許可基準の緩和を検討
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120309/159988/

第4回医療イノベーション会議、5カ年戦略案に各大臣が前向きな発言
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120302/159871/

 医療機器、特に治療用機器はこれまで完全に輸入超過でしたが、日本が得意とするものづくり技術が生かせる分野であり、電機や機械などのものづくりメーカーが企業買収などを通じて医療機器分野に参入する動きが活発化しています。一昨日には旭化成が米国の救命救急医療機器大手であるZOLL Medical社を買収して話題になっていました(旭化成は医療機器への新規参入企業ではありませんが)。こうした動向に対して前述のMETISは、新規参入企業でも規制や制度が理解できるよう、レギュラトリーサイエンスのガイドブックを作製したということです。加えて前述の医療機器法の制定が実現すれば、医療機器はさらに開発・改良しやすくなり、産業振興に弾みがつくに違いありません。

 一方で、中国やアジアでも日本の医療機器産業に対する期待は大きいと聞きます。このところ、中国やアジアの企業からは日本の医薬品のシーズに対しても引き合いが増えているようですが、医療機器は具体的なものを見ることができ、分かりやすいせいか、医薬品以上に引き合いが多いと聞きます。METISでもアジアとの連携・交流を1つのテーマとして取り上げていましたし、今後は医機連でそれを引き継いで、アジアとの連携・交流を強化していく方針だということです。

 いずれにせよ医療機器は、これからの日本の成長をけん引する重要な産業の1つになっていくことでしょう。そして、医療機器の中には再生医療関連や生体分子計測など、バイオテクノロジーと密接に関わるものも数多くあります。そんなわけで、本誌でも今後、医療機器分野におけるビジネスチャンスにまつわる話題、福島でのプロジェクトや、海外展開などの事例も含めて、積極的に取り上げていきたいと考えています。医工連携など、医療機器関連の話題に興味がある方は、ぜひともこういう話題を読みたいというのを、下記のフォームからお知らせいただければ幸いです。

 最後にお知らせです。「日経バイオテクONLINEを2週間(50本まで)無料で」お読みいただけるトライアルキャンペーンを、3月末まで実施しています。トライアルのご利用はお一人につき一度限りですが、まだご利用いただいていない方はぜひお試しください。

https://bio.nikkeibp.co.jp/article/information/20120201/159312/

 少し短くなりましたが、本日はこの辺で失礼します。ご意見、ご批判は以下のフォームよりお願いします。

 https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/

                    日経バイオテク編集長 橋本宗明