中学生から2学期と3学期の試験が終わると、そのままスキーを担いで急行出羽という夜行に飛び乗り、蔵王に居候に通ったものです。しかし、当時の蔵王にジャンプ台はなかったはず。しかし、うれしいことに、その蔵王のジャンプ台で開かれたワールドカップで、高梨沙羅選手が優勝してしまいました。まだ、北海道の上川中学校3年生、あどけない顔の割りには、ぶっちぎりの飛距離でライバルのヘンドリクソン選手を退けました。まだ、飛行姿勢も着地の荒削りですが、とにかくよく飛ぶ、天性のジャンパーです。ジャンプ台に立ったことがある方は理解できますが、それはもうとてつもなく怖い。ジャンプ台の設計は上手くできており、決してどんな選手でも飛び上がるのではなく、ただ落下しうまく斜面に着地するとは頭で理解しているのですが、駄目でした。落下する放物線の形を変える才能と努力、そして目の前に迫ってくる地面にもたじろがない度胸が勝敗を決します。経験を積めば、我が国の空飛ぶ中学生が、2014年のソチ・オリンピックで栄冠を掴むことが十分期待できます。月日は流れ残念ながらその時は空飛ぶ高校生になっているのが、少し心残りですが...

 さてバイオです。

 3月2日の仙台は大雪でした。

 「昨年の3月11日もこんな風な雪で、とても寒かった。しかし、今晩の雪は温かい」この受賞者のコメントで会場にさざ波が広がりました。現地に行く度に、東京では風化しつつある東日本大震災がまだ厳然として我が国や国民の大問題であるという認識を深めます。実際に被災し、復旧と復興に貢献した人々の言葉には、本当にものすごいパワーがあります。背景に、遅々として進まない復興への怒りがあるのは当然ですが、あれだけの過酷な経験を生き抜き、現在も戦っている人間の重みが、言葉に姿を代えて、私たちの心に突き刺さってくるのです。「震災を受けたからこそ、今後はもっと(復興)のアイデアが出る。中央の皆さんは仲良くしていただき、復興に努力していただきたい」(志村大宮病院山中管理部長)。この地域で生きていく覚悟を決め、厳しい運命を超える力を蓄えつつある皆さんが居るからこそ、東日本大震災の復興は成就できるのだと心から思いました。

 仙台市で開催された「復興の象徴」という晩餐会に参加させていただきました。サノフィ・アベンティスと全日本病院協会、日本病院会が主催する会で、東日本大震災の復興に貢献した機関や個人を顕彰する会です。現地の復興の努力を支援するための集まりでしたが、かえって東京からはせ参じた者が、受賞者の言葉に勇気付けられてしまいました。以下に受賞者を列記いたします。受賞者に加え、現地で復興に腐心している大勢の方が、居ることも、皆さんもどうぞ、心に刻んでいただきたいと願っています。

●看護師部門
日本助産師会岩手県支部支部長 大坂氏
網小病院介護老人保健施設網小副施設長 谷中氏
福島県楢葉町住民福祉課保健衛生係長 玉根氏
茨城県立中央病院看護局長 角田氏
●病院・診療所部門
岩手県立高田病院
石巻港湾病院
原町中央産婦人科医院
志村大宮病院
●医師部門
地ノ森クリニック理事長 木川田氏
宮城クリニック委員長 宮城氏
いわき市医師会会長 木田氏
筑波大学つくば災害復興緊急医療調整室長 安田氏
●特別部門
宮城県薬剤師会副会長・石巻薬剤師会専務理事 丹野氏
Japan Medical Sprits
以上

 当日は復興庁が復興予算の査定結果を発表した日でした。6割しか認定されなかった結果に、宮城県知事を含め、関連自治体の首長は一同怒り心頭に発した日でもありました。以前のメールでも書きましたが、住民のニーズを最もよく知る自治体に復興を任せることが一番重要。行政手腕が無いとか、人材が居ないとか、中央官庁はごたごた言いますが、そうした事態を招いたのが、すべての権力を握り、補助金や地方交付税で自治体を愚民化してきた、中央官庁の罪。その罪と現地の自治体の困窮を知りながら、書類や計画の不備をあげつらい予算を削ったことを合理化した平野復興大臣はやはり行政のトップであり、政治家として機能していない。国会が折角法律を制定しても、行政の裁量で復興が遅れる、いつもの我が国の行政の病がぶり返しました。自民党も同罪ですが、議院内閣制と三権分立の総点検を東日本大震災の復興と共に行わなくてはなりません。いずれにせよ、この国の姿を変えなくては、本当の意味の復興も成就しないと思います。
http://www.reconstruction.go.jp/

 大局も勿論重要ですが、足元も重要です。足元が変わることで、我が国の姿も変わる。同時進行が大切です、私もバイオを通じた東日本大震災の復興を夢見るようになりました。東北メディカル・メガバンクと福島で始まったソルガムを活用した除染とエネルギー農業の事業ミックス、そして福島の医療機器や創薬クラスターの成功を何よりも、支援したいと思っております。これは決して他人事ではありません。今週からメディアは震災から1周年を迎える現地の状況を伝えるキャンペーンを展開しています。皆さんもこの1年を振り返る機会も多いと思います。是非とも、皆さんの足元からの支援をご検討願います。

 また、バイオや先端医療による復興関連ニュースがありましたら、どうぞ皆さん、下記よりご一報願います。取材するしか、復興の手助けができません。どうぞご理解願います。 
https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/

 もうすぐ春です。皆さんも光春を堪能願います。

         日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

ご連絡は、https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/