我が国の次のサッカー黄金時代を担う若者が、とうとう英国のプレミアリーグで得点を上げました。ディフェンスを50m5秒台の俊足を飛ばし、ぶっちぎりドスンとゴールに蹴り込みました。あれではキーパーも防ぎようがない。アーセナルのベンゲル監督が見出した宮市選手が現在開催中のFA杯のカップ戦で、1月末からレンタル移籍中のボルトンの選手として初先発、開始わずか3分で初得点を記録したのです。フル代表にも召集されました。是非とも注目願います。ただし、下記のプレミアリーグの公式サイトではわずか1行しか書いておりません。しかも名前も見当たらず、宮市選手はまだまだ頑張らなくてはなりません。
http://www.premierleague.com/en-gb/kids/news/fa-cup-round-up-180212.html

 さて、先週の個の医療でも言及しましたが、東北のメディカル・メガバンクのコア施設(東北大学)に、マルチオミックスの解析システムが導入されます。ここがやや小ぶりですが、日本のThe Sanger Insituteとなる可能性があり、国を挙げて支援すべきです。ただし、悩ましいのは技術革新著しい次世代シーケンサーが、そうは言っても丁度技術的端境期に遭遇しているため、何を入れるべきか、専門家でも迷ってしまうという、誠に悩ましい状況にあります。先週の段階では、現在の技術突破であるsequence by synthesisやsequence by ligationを並行反応で行うという次世代シーケンサーの原理が、CCDカメラの検出感度の限界にぶち当たったため、次の技術突破はIonTrent社(Life Technolgies社が買収)の高密度のイオン電極とDNA合成反応を組み合わせた技術が、どこまで行くか?また、次々世代のナノポアシーケンサーの実用化は、いつになるのか?などと、のんびりした話を我が国の先端研究者と議論していましたが、日本はやはり技術の極東に存在します、なんと英Oxford Nanopore Technologies社が、2012年2月17日に世界初のナノポアシーケンサー「GridION」で解読したDNA塩基配列データを発表しました。同社は2012年中にナノポアシーケンサーを発売すると宣言しました。私たちの想像を上回るスピードでナノポア技術の実用化が進んでいることは間違いありません。ナノポアシーケンサーの実用化動向は、次世代シーケンサーでは1000ドル+情報処理費用まで来たゲノム解読コストを、数10ドル+情報処理費用まで押し下げる可能性を秘めており、今後のゲノム医療の鍵に握っていると考えて間違いないと思います。
http://www.nanoporetech.com/

 医療だけでなく、環境ゲノムや農産物や食品の品質管理、バイオ原料を利用した製品の品質管理など、ナノポアシーケンサーができれば、応用は医学から逸脱するだろうとも期待しております。詳細は日経バイオテクONLINEで報道いたしますので、どうぞご期待願います。

 第一世代のナノポアシーケンサーは、細胞膜で実際にナノポアを形成するたんぱく質5分子で形成されたバイオ・ナノポアを活用した製品となる模様ですが、外見はUSBメモリーそっくりのナノポアシーケンスユニットと、ナノポアを通り過ぎるDNAの塩基によって異なるトンネル電流が計測できることを手掛かりに、塩基配列を高速で読みます。ナノポアシーケンスの情報解析と制御ユニットの形は最新のスパコンのコアユニットそっくりで、これをラックに積み重ねることによって、外見はまったくスパコンそのもので、なおかつどんどん高速処理ができる構造です。

 ここまで来ると、スパコンなのか?DNAシーケンサーなのか?判然としなくなります。まさにバイオと半導体技術が融合した結晶だと考えます。少なくとも2年前まで、大阪大学のチームがナノポアで核酸塩基を判別できたのが世界のチャンピョンデータでしたが、一体どうなっているのか?何故、Oxford社に商業化で先陣を切られようとしていのか?疑問が頭を埋めます。是非とも取材をしなくてはなりません。

 先週の水曜日のメールで取材を御願したシスメックスから、早速連絡がありました。ありがとうございます。今回も、実はナノポアシーケンスを開発中だという企業や研究者の方、是非ともご連絡願います。

 今週もどうぞ、御元気で。

         日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

ご連絡は、https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/