◆◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ちゃんとGreen Innovationしたい!(4)
                  ネオ・モルガン研究所 藤田朋宏社長
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ネオ・モルガン研究所の藤田です。この連載では日本にはGreenInnovationを実現するための沢山の技術と誠実な研究者・技術者の皆さんが沢山居るにも関わらず、この分野では不誠実な研究に注目やお金が集まっている現状を共有してきました。

 このような状況になっている理由の一つに「実用化」という単語の定義がハッキリしていないことが挙げられます。大学の先生方が言う「実用化」、大企業の人が言う「実用化」、官僚の方々がいう「実用化」、さらに最近ではベンチャー企業や投資会社の人が言う「実用化」がありますが、最後のは大学の先生方がいう「実用化」と同じであることが多いように思います(投資会社の方が一番シビアな印象がありますが、こと「実用化」という単語の使い方に関しては、投資会社の方々の「実用化」が一番楽観的な試算をしていることが多いです)。

 もちろん、それぞれの職業に就いている方には、いろいろな経歴を持つ人もいますし、いろいろな価値観を持つ人がいますので、一概に職業だけでどうこう言うつもりは全くないですし、それぞれの立場の方の「実用化」の成否を問うつもりも全くありません。ただ、私が言いたいのは「実用化」という単語1つとってもその印象が全く違うことが、不誠実な研究を進める人たちにとって作為的か不作為的かはともかく、結果的に格好の餌になってしまっているのは間違いありません。

 「実用化」という単語の定義が難しいのであれば「商業化」という単語を使うという手もあるように思いますが、これまた「全く儲かっていなくても少しでも売れば商業化である」という考え方から、「採算があって初めて商業化である」と言っている割には、設備投資がコストとして見積もられていなかったり、採算は合っていてもエネルギー収支は全く合っていない「商業化」もあったりであるという状況に陥っています。

 誰もが自分のプロジェクトが一番優れているとアピールしたいという状況の中で、できるだけ客観的にどのプロジェクトが優れているかを決めるのは大変難しい作業です。とはいえ「実用化」や「商業化」までの時間が短い方が優れているという決め方をしてしまうと、世間知らずで大きく言った者勝ちになってしまいます。まぁ、閉塞感だらけのこの国の状況を考えると、世間知らずで大きく言った者勝ちのルールの業界があるのも悪いことばかりではないのかもしれませんが、一か八かのベンチャー企業を経営しているような私の様な立場の人間から見ても、今の競争のルールはあまりにも不誠実な人が得をするルールになっているように感じることが多いです。