こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 昨年12月の話になりますが、民主党が「文部科学分野における政権交代の成果」という文書を公表しました。この中では、文部科学省の科学技術関連予算が増加していることや若手研究者への支援を強化していることなどを挙げて、科学技術の振興に力を入れていると強調しています。

 しかし、現場で取材している身からすると、どうも違う印象を受けてしまいます。例えば、総合科学技術会議(CSTP)の有識者議員の欠員問題。昨年の臨時国会で、時間切れにより人事案の審議ができず、新たな有識者議員を選出できませんでした。そのためCSTPは現在、本会議が開かれず、何かを機関決定できない状態に陥っています。参議院では野党が多数を占めている点を割り引いても、科学技術の優先順位はそれほどまでに低いのかと思わざるを得ません。

CSTPの有識者議員欠員問題、「人事案は国会冒頭で提出する」と大串政務官
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120113/159010/

 内閣府の科学技術政策担当政務官は毎週木曜、CSTPの有識者会合の後に、記者会見を開くのが慣例となっています。この会見は、政府が科学技術政策について何を考えているかを知るための貴重な場になっています。ちなみに、科学技術政策担当の政務官は通常、他の分野と兼務となります。現在の大串政務官は、国家戦略、経済財政、社会保障・税一体改革、国際平和協力業務、金融庁との兼務です。

 政権交代後、最初の政務官だった津村啓介議員からは確かに科学技術に関するやる気と情熱が感じられ、木曜日の記者会見も頻繁に開かれました。しかし、津村政務官かどうかという程度です。政務官ともなれば優先順位を設定し、どこに行くか、何をやるかを決めているはずです。記者会見にめったに出席できないという事実が、民主党政権の科学技術に対する姿勢を表しているのではないでしょうか。

 昨年12月には、CSTPの機能を強化する方向で改組し、「科学技術イノベーション戦略本部」を発足させるとの報告書がまとめられました。政府は通常国会に関連法案を提出すると言っていますが、本当にその通りになるか注視していく必要がありそうです。

総合科学技術会議を改組へ、通常国会に関連法案提出
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120105/158884/