新年明けましておめでとうございます。

 昨年は大惨事や経済減速にも拘わらず、国内バイオベンチャー5社が上場するという、2003年のバイオブームにも匹敵する現象が起こりました。不況に影響されないとされる製薬業界ではありませんが、上場はベンチャー企業にとって出生道には変わりありません。しかしながら、上場しても株価は下がる一方で、何のメリットがあるのかと考え込む経営者も少なくありません。国内株主は、上場したからには事業を前進させて黒字化に向けて遂行させる舵取りの行方を評価します。バイオベンチャーの経営資源は限られている中で、事業を発展させるには独自の開発推進は当たり前ですが、提携関係も強化させなければなりません。今後は、自らの知財やノウハウを自ら発展させるだけでなく、他者と共有する時代、つまり「知の融合」こそが発展の道筋の一つになるのかも知れません。

 私は、特許庁が主催する産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会の「特許権の存続期間の延長制度検討ワーキング・グループ」に委員として参加してきました。その結果、ようやく昨年12月28日に、新しい特許権延長制度が施行されました。ご承知の通り、弊社の特長的な技術であるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)は、医薬品としての開発に欠かせない画期的な技術となっておりますが、DDSは、従来の医薬品と有効成分が同じという理由から、この延長制度(最大5年間延長)を利用することができませんでした。DDS医薬品の開発期間は新薬と同等の期間を要するため、この取り扱いは不平等でした。この矛盾をナノキャリア設立当初より、関係省庁へ訴えて参りましたが、ようやく成果を得ることができました。この決定は、弊社のみならず、DDS医薬を目指す企業にとって、非常に大きな権利獲得です。

 私たちナノキャリアは、日本発の技術であるミセル化ナノ粒子医薬品を早期に患者さんへ届ける努力を惜しまず、社会貢献を目指して参ります。