2011年は日本にとって大変な年でした。東日本大震災で被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。

 2012年は、どうしても復興の年にしなければなりません。その時、今の日本の産業全体がどのように変わろうとしているか、海外との関連がどのように変化しようとしているかを的確に判断する必要があると思います。世界的な大きな変化の中で、我々の進むべき道を考える必要があると思います。具体的には、日本人の雇用全体としても医療や介護の役割が大きくならざるを得ないと思うのです。

 生命科学、医学の中で飛躍的なテクノロジーの変化として、GWASプラットフォームや次世代シークエンサーの開発があります。ハードは残念ながら、ほとんどが米国製です。おそらく、それに引き続き、プロテオミクス、トランスクリプトミクス、メタボロミクスなど、ゲノム以外の網羅的データの取得が本格化するでしょう。

 しかし、実はデータが増えれば増えるほど、正しい結論が得られるとは言えないことを我々は主張しています。むしろ、逆の事さえ言えるのです。膨大なデータの処理には、それなりの手法と特別な注意の必要性が存在するのです。

 我々の会社は、生物の膨大な多様性データの解析、結果の解釈、更には利活用について研究者をサポートすることを最大のビジネスとしています。ゲノムの個人ごとの多様性を知れば、医療行為などの結果が均一ということはありそうにないことがわかります。そのような不確実性と多様性の中で、最大の安全性と有効性を達成する方法を提供し続けたいと考えます。

 最近では医学や生物学の研究内容も以前のようにテクニシャンが試験管やマウス相手に実験を行うことだけではなくなっています。むしろ、正確で効率のよい機械とコンピュータが膨大なデータを出すことが日常的になっています。例えば、次世代シークエンサーでは、機械の性能の向上により、データのコストは益々低下しています。おそらく、すぐに日本人の何千、何万のエクソーム、あるいは全ゲノム配列を決定するというプロジェクトが始まると予想しています。既に、先進諸国ではそのようなプロジェクトが計画されています。

 しかし、機械の技術向上により、配列決定のコストは急激に低下しても、1. 情報解析、2. 結果の解釈、3. 結果の利活用、が大問題になっていきます。ただし、1の情報解析は共通のパイプラインの作成により、UNIXなど一般的なコンピュータの知識があれば可能となっています。問題は、2、3の結果の解釈と、結果の利活用です。

 この部分は、遺伝学、統計学、分子進化学など極めて幅広く深い知識が必要とされる部分です。

 我々の会社は、情報解析につなげ、2、3の部分に力を入れ、特に日本の医学、生物学研究に貢献したいと考えています。