こんにちは。水曜日のメールマガジンを担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 毎年、10月から11月にかけて、編集部総出で編集作業をしている日経バイオ年鑑が、今年もほぼ仕上げの段階に入りました。そんなこともあって、例年この時期になると今年がどんな年だったかを振り返るのですが、今年はとにかくバイオ研究というよりも、それを取り巻く社会環境が大激変した1年になりました。

 2011年3月11日14時46分、東北地方太平洋沖で発生したマグニチュード9.0の大地震は、我々が経験したこともないような巨大津波を発生させ、東北地方太平洋沿岸の町を、人、車、建物ごと飲み込んでいきました。大震災と、それに伴って発生した東京電力・福島第一原子力発電所の事故は、日本の社会と経済全体に、戦後最大の危機を今もってもたらしています。自然災害の破壊力もさることながら、与党民主党の幹部をすら辟易とさせたリーダーシップなき菅直人元首相の居直りと、原発事故への対応を巡って露わになった経済産業省と電力会社の馴れ合いは、震災による被害を大きく増幅させたように思います。しかし、そのような状況になっても秩序を失わない被災者たちの我慢強い姿と、国内外から駆けつけた支援者たちの行動は、日本国民全員に大きな感動と、復旧・復興に向けて立ち上がる勇気を与えました。

 11月に入っても原発事故は収束する気配は見えず、被災地では依然、大量のがれきが処理を待っている状態が続きます。一方で、ギリシアに始まった欧州債務危機は世界経済全体に重くのしかかり、歴史的水準に進んだ円高と、タイ中部を中心とする洪水は、震災からの早期復興を目指す日本の製造業に大きな打撃を与えています。東日本大震災の本格復興を盛り込んだ総額12億円超の2011年度第三次補正予算が成立したのがほんの数日前の11月21日のことで、日本経済が将来に光明を見いだせるようになるには、まだしばらく時間がかかりそうです。

 それでも少しずつ明るさの兆しが見えはじめています。バイオ分野で特記できるのは2011年中に5社目のバイオベンチャーの新規株式上場(IPO)が決まったことです。これまで03年と04年に4社ずつのバイオベンチャーIPOがありましたが、2011年のIPOはそれを上回る数字です。株式市場全体が軟調な中で、今年上場したバイオベンチャーの株価動向は順調とは言いがたいですが、少なくとも投資家がバイオ分野を数少ない成長分野と見ていることが、過去最大の5社のIPOという数字になって現れているのだと理解しています。

カイオム・バイオサイエンスが12月20日に上場へ、バイオベンチャーでは今年5社目
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111118/157968/

 そんなわけで、日経バイオ年鑑2012にはこれからの期待もこめて、「2011年は日本が輝きを取り戻すためのさまざまな取り組みがスタートした“新生”の年である」と書きました。もう残りわずかですが、来年につながるそんな1年となることを期待しています。

 (ちなみに、過去のメールマガジンに各担当者が書いた記事は日経バイオテクONLINE「 https://bio.nikkeibp.co.jp/ 」に再掲載しています。検索窓に「HEADLINE/NEWS」「バイオ年鑑」などのキーワードを入れて検索してみてください。例年、メールマガジンの中ででどのように1年を振り返っていたかご覧いただけます。なお検索窓は、スペース区切りで複数語検索が可能です)。

 今年のバイオ年鑑の発行は12月13日で、12日までは予約特価でお申し込みいただけますので、どうかご利用ください。

http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/book/04.html

 それから、10月のサイトリニューアルのキャンペーンに合わせて実施していた日経バイオテクONLINEの無料誌読キャンペーンは11月30日までです。

https://bio.nikkeibp.co.jp/article/information/20110929/155678/

 先週のメールマガジンでご紹介した、医療機器とIVD(体外診断薬・機器)企業を対象にとする、中国の医療政策や制度、医療機器市場、規制、流通手続きなどのに関するセミナーは12月9日の開催です。中国の規制当局である中国国家食品薬品監督管理局(SFDA)の、医療機器審評センターの元センター長で、現在は審査員などを要請する高級研修学院の副院長を務めておられる劉吉英さん、中国最大手の製薬企業である中国医薬集団のグループである中国医療機器有限公司の崔さん、朱さんらを講師にお招きしていますので、人脈作りという点でもメリットのあるセミナーかと思います。

http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/111209/index.html

 また、日経バイオテク創刊30周年記念セミナー第二弾、次世代シーケンサーをテーマとするセミナー『1Gシーケンスの挑戦、ゲノム解析の新たな地平へ』を11月30日に品川で開催します。次世代シーケンサーを利用する研究者の裾野が広がり、さまざまな研究領域で応用されはじめた状況をお伝えできるかと思います。恒例のパネルディスカッションも用意していますのでぜひともご参加ください。詳細は以下のサイトからお願いします。

 http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/111130/index.html

 先日よりご案内しています11月28日に秋葉原で開催を予定しています日経バイオテク創刊30周年記念セミナー第一弾!『PGx・バイオマーカーが変える医薬品開発』は、申し込みは明日までです。まだお申し込みいただいていない方は、ぜひともお急ぎお申し込みください。詳細は以下のサイトをご覧ください。

 http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/111128/index.html

 本日はこの辺で失礼します。ご意見、ご批判は以下のフォームよりお願いします。マールマガジンのデザイン変更(記事タイトルを前にして、記者の記事は後ろにした)に関するご意見などもぜひお寄せください。。

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                    日経バイオテク編集長 橋本宗明