2週間ぶりにお目にかかります。日経バイオテク/機能性食品メールを担当しておりますバイオ部編集BTJ編集長の河田孝雄です。

 先週半ばまで「日経バイオ年鑑2011」の編集・校正に注力したのに続き、今週は、昨日の木曜日(11月25日)に発行・公開した月刊PDFマガジン「BTJジャーナル」2010年11月号の編集に注力しました。

 この11月号では「食品のエビデンスをどう考えればよいか」をテーマに、以下の5本の記事で、特集を構成しました。PDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけますので、お楽しみください。

米飯摂取は日本女性の糖尿病リスクを高める、国立がん研セがJPHCコホート成果を発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111277459

オリゴノールの論文2報、インフルエンザウイルスの感染・増殖を抑制し、糖尿病の脂質代謝異常と腎機能を改善する
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010110977364

レスベラトロールはIGF-1を介して認知機能を維持、名市大の岡嶋研二教授らの研究をメルシャンが支援
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111077390

第14回トレハロースシンポジウムに300人、たんぱく質凝集抑制を九大と広大が発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010110977365

みつばち健康科学研究所のHPを山田養蜂場がリニューアル、文献DBに論文約3000報を集約、年度内に予防医学も
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112277631

※BTJジャーナルのダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html

BTJジャーナル2010年11月号(第59号)を発行・公開、がんワクチン臨床試験と優先度判定、食品エビデンス論文、文化勲章・文化功労者を掲載
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577686

 こんな中、この2週間のうちに10数本程度、機能性食品と関係する記事をBTJ/日経バイオテク・オンラインで報じました。メール末尾の記事リストをご覧ください。

 一昨日と昨日の取材で特におもしろいと感じたのは、農医連携と発酵食品です。その一部はすでに報道しました。

 一昨日(11月24日)は、幕張メッセで開幕した「アグリビジネス創出フェア2010」を取材しました。

農水省主催のアグリンビジネス創出フェアが開幕、若手表彰は中央農業セと大分県、富山県の研究者
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112477646

「EBEで世界の長寿食『日本食』を輸出する。それが元気な日本再生のカギ」、岩手医大の小川彰学長が基調講演
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577685

 岩手医科大学の小川彰学長は「医農連携」をテーマとした基調講演を1時間行いました。上の記事本文にも記載したのですが、この中で、陸軍軍医総監を務めていた森鴎外の話は、よく知られたことではありますが、陸軍において脚気で死亡した方の人数などを改めて講演で聞いて、ともかく大変なことだと改めて思いました。

■以下、上記記事からの引用です■
 この兵糧比較試験のきっかけとなったのは、1882年末から8カ月余り行われた軍艦龍驤(2530t)の演習航海だった。品川からニュージーランド、チリ、ホノルルを経て品川に戻る航海で乗員378人のうち169人が脚気になり、23人が脚気で死亡した。海軍を震撼させ、龍驤事件と呼ばれている。1883年には海軍全体で、5346人の軍人のうち1226人が脚気患者になり、49人が死亡した。「このままでは有事の際に戦闘などできない」と考えた高木総監は、軍艦筑波(1978t)で兵糧比較試験を1884年に実施した。

 2年前の軍艦龍驤と同じ航路で、兵糧だけを変えたところ、乗員334人のうち脚気死亡は0人となった(事故死1人、病死1人)。軍艦龍驤では、1日当たり白米6合という兵糧だったのを、軍艦筑波では米に麦を2割混ぜた麦飯やパンと、たんぱく質や脂質などのバランスを考えた副食物に変えた。高木総監は、英国艦隊では脚気がないことに着目してこの兵糧比較試験を行い、脚気死亡がなくなったという成果を踏まえて海軍の兵糧を変更した。

 一方の陸軍は白米の兵糧を変更しなかった。この結果、龍驤事件の約10年後の日清戦争では、海軍の脚気死亡は1人に対し、陸軍の脚気死亡は4064人だった。龍驤事件の約20年後の日露戦争では、海軍の脚気死亡0人に対し、陸軍の脚気死亡は2万7800人だった。脚気患者は海軍が軽症者若干名に対し、陸軍は21万1600人にも上った。■以上、記事の一部転載です■

 食の科学を深めて、世界の長寿食「日本食」を輸出することが、元気な日本再生のカギになる、という小川学長の講演締めくくりも大変刺激になりました。

 もう1つのキーワードは、発酵食品です。先週金曜日(11月19日)と土曜日(11月20日)に北里大学の白金キャンパスで開かれた、日本乳酸菌学会の設立20周年を記念したシンポジウム「進展する乳酸菌研究─今後の応用と可能性を探る─」を取材しました。CNS(Cell、Nature、Science)といったトップジャーナルに近く論文発表されるような世界最先端の最新の成果がいくつも発表になっていたようです。関連記事とりまとめ中です。

日本乳酸菌学会の設立20周年記念シンポに280人、「乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス」を記念出版
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112477636

 会場となった北里大学は"農医連携"に最初に取り組み始めた大学のようです。産学連携による乳酸菌プロジェクトにも注力しています。北里研究所の成り立ちから脈々とつながる取り組みだけに注目です。

北里大学が乳酸菌プロジェクトを発足、健康増進機能を開発して食・医療に応用へ、企業との共同研究も拡大
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010071674865

 この辺りは、2週間に1度、印刷物を発行している日経バイオテク2010年11月22日号に、「企業研究」として、学校法人北里研究所の記事をまとめた中でも、触れています。

 さて、乳酸菌が活躍する日本の伝統的な発酵食品としては、漬物や味噌・醤油などがあります。

 一昨日(11月23日)には、漬物や味噌汁などにも詳しい食文化史研究家の永山久夫さん(西武文理大学客員教授)の講演を東京・六本木駅近くの東京ミッドタウンにあるサントリー美術館のホールでうかがいました。

 「長寿は免疫力が支える~元気な百歳はなにを食べているのか~」という第で、自作の紙芝居も演じていただきました。

 この講演は、第15回サントリー健康セミナー2010年「プロテクト乳酸菌で免疫力を高めよう~プロテクト乳酸菌の最新の研究成果~」で行われたものです。

プロテクト乳酸菌の免疫賦活能には培養温度が重要、サントリーが生物工学会の
シンポジウムで発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101276615

サントリーがプロテクト乳酸菌サプリを新発売、ウイルス抵抗力高める効果を8月の国際免疫学会で発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010091476099

 セミナーでは最初に、日本大学の上野川修一教授が「免疫のしくみと乳酸菌」と題して講演なさいました。上野川教授は、日本食品免疫学会の会長や、腸内細菌学会を主催している日本ビフィズス菌研究センターの理事長なども兼任なさっています。

日本食品免疫学会、ポスター賞6演題が決定、うち4題はプロバイオ、企業はヤクルト、サントリー、東洋水産、森永乳業
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2009052765083

日本ビフィズス菌センター研究奨励賞が決定、阪大の西野助教は薬剤排出活性を迅速把握できるマイクロデバイスも紹介
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2008061356143

 上野川教授ににうかがった内容も、ただいま記事に反映中です。

 そして発酵食品の味噌については、昨日木曜日(11月24日)に、ホテルオークラ東京で、全国味噌工業協同組合連合会のみそ健康づくり委員会が主催する「第32回マスコミセミナー」を取材しまして、鑑評会で農林水産大臣賞を受賞した6社6商品の味噌汁などを味わいました。

 発酵によって、味噌の主原料である大豆の機能性成分などがパワーアップすることが、次々と明らかになっています。

低アレルギー食品開発研究所が発足、フリーズドライ味噌など医療機関経由で販売へ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577688

クラス2アレルギーの原因となる大豆アレルゲンも味噌で低減、近畿大学の森山達哉准教授がクラス2第3のパターンも紹介
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577684

 メール原稿の締切時間が近づいてまいりました。

 11月半ばまで編集に集中していた「日経バイオ年鑑2011」でも、機能性食品関連の項目を20ほど掲載しています。ぜひご活用ください。

※日経BP社からのお知らせ
●日経バイオ年鑑2011、予約特価で発売開始!
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2007110150430

 最後は記事リストです。ここ2週間で、機能性食品の関連記事は14本ほどが、BTJ/日経バイオテク・オンラインに掲載されました。記事見出しと、記事のポイントを以下に紹介します。

◆「BTJ/日経バイオテク」より◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       機能性食品分野のバイオテクノロジー関連記事(直近2週間分です)
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低アレルギー食品開発研究所が発足、フリーズドライ味噌など医療機関経由で販売へ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577688
■ポイント■アレルギー免疫学の急速な進展に伴い、チェックポイントも増えざるをえないようです■

「EBEで世界の長寿食『日本食』を輸出する。それが元気な日本再生のカギ」、岩手医大の小川彰学長が基調講演
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577685
■森鴎外にまつわる具体的な数値がとても印象に残りました■

クラス2アレルギーの原因となる大豆アレルゲンも味噌で低減、近畿大学の森山達哉准教授がクラス2第3のパターンも紹介
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112577684
■クラス2食物アレルギーのパターンは今後も増えていくのでは、と思います■

農水省主催のアグリビジネス創出フェアが開幕、若手表彰は中央農業セと大分県、富山県の研究者
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112477646
■昨年に続き幕張で開催のアグリビジネスイベントは盛況だったようです■

日本新薬、第2四半期は増収減益、鼻炎と肺高血圧症の治療薬に続きがん疼痛治療薬の承認取得に成功
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112477637
■機能性食品事業では、健康食品素材や品質安定保存剤、たん白製剤が増収に転じました■

日本乳酸菌学会の設立20周年記念シンポに280人、「乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス」を記念出版
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112477636
■新発刊の書籍は660ページを超える大作で内容はとても充実しているように思います■

みつばち健康科学研究所のHPを山田養蜂場がリニューアル、文献DBに論文約3000報を集約、年度内に予防医学も
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112277631
■論文数3000報という充実ぶりです■

スルフォラファンの抗ピロリ菌作用は最強と谷中昭典理科大教授が潰瘍学会で発表、村上農園が支援
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010112277630
■乳のラクトフェリンや緑茶のエピガロカテキンガレート(EGCg)、ウコンのクルクミンとの比較データも興味深いです■

アステラス製薬とサッポロビールがベトナムで微生物探索を開始、NITEとベトナム政府の枠組みに参加
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111677535
■10月に名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催され、生物多様性条約に則った協力関係の枠組みがさらに重要になりました■

写真更新、タキイ種苗が機能性野菜「ファイトリッチ」を商標出願、従来の野菜より栄養価が高い品種をシリーズ化
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111677533
■野菜の健康機能訴求も活発になってきました■

ヤクルト、2011年3月期中間決算で連結純利益は5月予想の1.5倍に、2010年9月の1日販売本数は2990万本
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111277460
■創業75周年で2010年6月に初めて達成した1日3000万本に、再び肉薄しています■

米飯摂取は日本女性の糖尿病リスクを高める、国立がん研セがJPHCコホート成果を発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111277459
■コホート研究は、打ち出の小槌。世界最長寿国の日本の論文は、注目されています■

「大くくりの組織にしてR&Dの総力を結集」、味の素の研究開発を統括する三輪取締役が10月新体制の狙いを解説
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111177429
■総力を結集するため、大規模な改組を行いました■

味の素の甘味料事業構造改革、アスパルテームはバイオ技術を2012年に導入して環境負荷削減
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010111177428
■環境負荷軽減がコスト競争力向上にも寄与します■

 ここで改めて、メールのタイトルにもなっている「日経バイオテク」の説明をさせていただきます。日経バイオテクは、日本経済新聞社のグループ企業である日経BP社(BPは、Business Publicationsの頭文字です)が発行している定期刊行物(印刷物)です。創刊は1981年10月12日なので、今年秋には創刊30周年を迎えます。ニューズレターという、一般の雑誌よりも薄い冊子状のものを、2週間に1度、読者にお届けしています。

 90年代半ばにインターネット時代を迎え、日経バイオテクでは1996年から、報道記事をオンラインで提供する事業を開始しました。「日経バイオテク・オンライン」という情報提供事業です。記事本文の第1パラグラフまでは、どなたでもご覧になれますが、第2パラグラフ以降の深みのある説明は、有料購読契約を結んでいる読者にのみ、ご覧いただけます。

日経バイオテク・オンラインはこちらから
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 もう1つ、バイオ部編集からお知らせを。バイオ部編集では、「BTJジャーナル」という月刊のPDFマガジンも発行しています。こちらは、PDFファイルをダウンロードすると、記事全部をご覧いただけます。

 写真や図版を多数掲載しています。機能性食品と関連する記事も掲載することがありますので、覗いてみていただければと思います。

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                    日経BP社バイオ部
                    BTJ編集長 河田孝雄