2週間ぶりにお目にかかります。日経バイオテク/機能性食品メールを担当しておりますバイオ部編集BTJ編集長の河田孝雄です。

 先週はドイツのベルリンを取材で訪れる機会に恵まれました。現地での取材日数は6日間で、そのうち4日間は、ワールドヘルスサミット。病床数が3200と、欧州の大学病院で最大という、300年の歴史を持つCharite-Universitatsmediz Berlinが会場でした。

 先進国のみならず世界中の健康を高めるための方策を議論しました。気候変動の影響についての議論にも大分時間をさいていました。議長を務めたChariteのDetlev Ganten教授は、議論の対象はメディスンではなくヘルスなのだと強調してました。

 金融危機の影響も大きく、先進国はどこも医療費の高騰が問題になっており、 世界中に広めるためにも医療コストをいかに低減するかが、最も重要なテーマでした。

 というわけで当然のことながら"食"も、キーワードとなり、京都大学名誉教授の家森幸男博士は「Preventive Diets for Health for All Beyond the impact of Westernization on the Asian Populations」と題した講演を行いました。大量に生産できるようになった穀物などの農作物が登場する前に、食していた食べ物の良さを再発見したという内容を含む発表でした。この分析にGanten教授がたいへん興味を持ってぜひ話をということになったそうです。

 現在までにこのワールドヘルスサミットの記事を4本報道しました。順天堂大学のシンポジウムでは、何度か記事にも登場していただいている奥村康教授の講演もうかがいました。ベンチャーの取材は、エピゲノム、RNAサイレンシング、糖鎖など。こちらも記事とりまとめ中です。

※BTJ/日経バイオテク・オンラインの報道記事

交流140周年の順天堂大と独Charite大が提携、Berlinの第2回ワールドヘルスサミットで独日ジョイントシンポ開催
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101876730

独Berlinの第2回ワールドヘルスサミットに71カ国から1235人が参加、医療の個別化に伴うコスト高騰と気候変動、金融危機が主題
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101476646

オープンイノベーションで京大が製薬3社と新プロジェクト、アステラスとのAKプロジェクトに続く
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101176590

続報、ワールドヘルスサミットが独Berlinで開幕、オープンセレモニーでノーベル化学賞のYonath博士が講演、京大や順天堂大の主催シンポも
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101176589

 ドイツに取材でうかがうのは3回目か4回目ぐらいですが、首都ベルリンは今回が初めてでした。宿泊所は、都心からは30分ほど離れていたのですが、交通の便のよいところで、学会会場などにはトリムという路面電車や近郊電車、地下鉄で毎日通いました。

 特に気に入ったのがトリム。本数が多いので待ち時間が短いのです。路面電車は東京では都電荒川線と、東急世田谷線ぐらいではと思うのですが、ベルリンのトリム網がたいそう充実していました。

 ところがしばらくして、このトリムは、ほぼ旧東ベルリンの区域にしかないことを知りました。第2次世界大戦後にベルリンが東と西に別れましたが、西ベルリンでは路面電車は次々と廃止になったようなのです。国は貧しかったかもしれませんが、東ドイツの東ベルリンは、トリムが社会基盤でありつづけたようです。

 環境意識の高まりもあり、路面電車の良さが世界でも日本でも見直されていますが、社会システムとしてどのようなものがいいのかは、揺り戻しがあるものなのだと、改めて思いました。

 このトリムも近郊電車も地下鉄も、乗り心地がいかにもドイツっぽいというか、アウトバーンを走るドイツ自動車との共通点もあるようで、たいへん気に入りました。

 1週間ほど離れている間に、消費者庁ではトランス脂肪酸、食品安全委員会ではいわゆるエコナ問題と、ひごろの重点取材テーマで新たな動きがありました。

 12月に発行する「日経バイオ年鑑2011」の編集作業に現在注力しておりますが、トランス脂肪酸もエコナも、このバイオ年鑑でも担当している項目と関係が深いので、記事とりまとめとバイオ年鑑への反映をただいま進めております。

 メール原稿の締切時間が近づいてまいりました。

 ここ2週間で機能性食品の関連記事9本ほどを、BTJ/日経バイオテク・オンラインに掲載されました。記事見出しと、取り上げたポイントとをまとめます。

◆「BTJ/日経バイオテク」より◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       機能性食品分野のバイオテクノロジー関連記事(直近2週間分です)
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消費者庁、トクホ申請の企業情報は「申請者の了解を得て」引き続き諮問時に表示内容も公表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010102176817
■ポイント■日本の強みを生かした競争力の向上のためにも、情報開示のあり方には議論が必要と思います■

「体脂肪+コレステロール」対策のカテキン茶飲料を伊藤園がトクホ申請、花王のコーヒーは高血圧と体脂肪
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010102176816
■お茶もコーヒーもたいへんな健康効果を持つことが改めて検証されています■

味の素が研究開発体制を再編、10月に9研究所・センターを3研究所に集約統合、オープンイノベーションも積極活用
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101976757
■分散か集中かは常に議論となるところですが、味の素は研究開発体制をかなりドラスチックに再編しました■

交流140周年の順天堂大と独Charite大が提携、Berlinの第2回ワールドヘルスサミットで独日ジョイントシンポ開催
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101876730
■順天堂の発表の多くはオートファジー関連でした■

赤坂サカスの「トクホの日」イベントに2日間で3500人、試したら「健康度10点」に
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101876729
■二者択一で迷路を進んでいったら健康度10点。ちょっとショックでした■

プロテクト乳酸菌の免疫賦活能には培養温度が重要、サントリーが生物工学会のシンポジウムで発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101276615
■乳酸菌の健康効用には、培養条件が大きな影響を及ぼすのです■

TRX10、豪Griffith大学、遺伝子変異に基づき、片頭痛を予防するサプリメントの開発に成功、大規模臨床試験に着手
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101276595
■個の医療におけるサプリメントの活用はやはり葉酸まわりが主役になります■

続報、ワールドヘルスサミットが独Berlinで開幕、オープンセレモニーでノーベル化学賞のYonath博士が講演、京大や順天堂大の主催シンポも
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010101176589
■会場となったSharteの近くには森鴎外記念館がありましたが開館中にはうかがえませんでした■

続報、ノニのイリドイド成分はDNA付加物の生成を抑制、「タヒチアンノニ サイエンスフォーラム 2010」で10月7日発表論文の成果も
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010100876583
■ノニは、英国の新開発食品にいち早く認められるなど研究が進んでいます■

 ここで改めて、メールのタイトルにもなっている「日経バイオテク」の説明をさせていただきます。日経バイオテクは、日本経済新聞社のグループ企業である日経BP社(BPは、Business Publicationsの頭文字です)が発行している定期刊行物(印刷物)です。創刊は1981年10月12日なので、先週から創刊30周年目が始まったことになります。ニューズレターという、一般の雑誌よりも薄い冊子状のものを、2週間に1度、読者にお届けしています。

 90年代半ばにインターネット時代を迎え、日経バイオテクでは1996年から、報道記事をオンラインで提供する事業を開始しました。「日経バイオテク・オンライン」という情報提供事業です。記事本文の第1パラグラフまでは、どなたでもご覧になれますが、第2パラグラフ以降の深みのある説明は、有料購読契約を結んでいる読者にのみ、ご覧いただけます。

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 写真や図版を多数掲載しています。機能性食品と関連する記事も掲載することがありますので、覗いてみていただければと思います。

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                    日経BP社バイオ部
                    BTJ編集長 河田孝雄