2週間ぶりにお目にかかります。日経バイオテク/機能性食品メールを担当しておりますバイオ部編集BTJ編集長の河田孝雄です。

 今日(2010年9月10日)は、慶應義塾大学先端生命科学研究所が山形県鶴岡市で開催している第5回メタボロームシンポジウムを取材しております。

 昨日の初日のあいさつで、実行委員長を務める冨田勝・慶應義塾大学先端生命科学研究所所長が、今秋に山形ブランド米「つや姫」がデビューするというお話しがありましたが、JR鶴岡駅で無料配布されていた「クレードル(Cradle)」という出羽庄内地域文化情報誌に、「食の都の食材たち(1)」として、つや姫が紹介されていることに気が付きました。

 この10月にデビューする「つや姫」は、鶴岡市藤島の水田農業試験場で1998年から開発がすすめられてきたもので、10万分の1の確率で生まれたお米とのことです。

 山形の米といえば、「はえぬき」が主力品種ですが、販売先は業務用が多くを占め、消費者の知名度は低いとのこと。そこで新品種は、おいしさを最優先して、はえぬきと出穂期・収穫期の異なる育種目標のもとで開発が進められ、「山形97号」、のちのつや姫として結実したとのことです。

 冨田所長があいさつで紹介していたように、旨味アミノ酸であるグルタミン酸やアルパラギン酸の含有量が、炊飯米でどのくらい異なるか、つや姫とコシヒカリを比較したメタボロームデータのグラフが、この記事にも掲載されています。

 今年は異例の猛暑などで、イネの栽培にも影響が出ているようですが、つや姫の10月デビューが楽しみです。

 第5回メタボロームシンポジウムは「特集『栄養と健康』」をテーマとしており、農作物の健康効果の解明にも、メタボローム技術が活躍しています。

 来年2011年には6月26~30日に、Metabolomics Societyの第7回国際会議「Metabolomics 2011」が鶴岡で開始アされることが決まり、開催告知の英文ポスターには「健康」という漢字が大きくデザインされています。

 それから昨晩のテレビ番組で知ったのですが、明後日の日曜日(9月12日)に第1回検定が開催される「んまい! 山形農と食の検定」が、たいへんな人気を集めているとのことです。検定は9月と11月の2回開催で、「各回100人程度」の申し込みを山形県の新農業推進課では想定していたのですが、初回の9月分だけで336人の応募があったとのことです。山形県では農業、食文化に対する関心の高まりが要因の1つとみているようです。

 冨田所長は最初のあいさつでもう1つ、ユネスコの食文化の創造都市に、鶴岡市が立候補した話題も紹介しました。もしも登録に至ることになれば、食文化の創造都市としては、コーヒーで有名なコロンビアの都市、中国の四川に続く3番目の都市になるということです。

 メタボロミクス、プロテオミクス、トランスクリプトミクス、ゲノミクス、インタラクトミクスなどのオミックスは、食材の開発や健康機能の証明まで大きく貢献するものです。研究にかかるコストも下がってきており、技術の普及とあわせて、今後の研究発展が楽しみです。

 今週は火曜日と水曜日には、食品のリスクコミュニケーションをテーマとする講演会が、東京大学弥生キャンパスで開催されました。主催は、東京大学大学院農学生命科学研究科に2006年11月に設置された「食の安全研究センター」。

 ハザートとリスクをきちんと分けて認識する市民の比率を増やしていく取り組みが、大切なんだと学びました。

 メール原稿の締切時間が近づいてまいりました。

 ここ2週間で報道した機能性食品の関連記事をここ2週間で18本報道しました。以下に、記事見出しと、取り上げたポイントとをまとめます。

◆「BTJ/日経バイオテク」より◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       機能性食品分野のバイオテクノロジー関連記事(直近1カ月分です)
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血圧下げる「ごぼう茶」をあじかんが商品化、抗酸化力と肌水分量もアップ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090976025
■ポイント■ゴボウはマクロビオティックでも重要な食材です■

「Nutri-metabolomics」の第5回メタボロームシンポジウムが鶴岡で開幕、参加登録者数は250人超
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090976017
■鶴岡市はユネスコの食文化の創造都市に立候補したとのこと。来年6月にはメタボロミクス国際会議が6年ぶりに鶴岡で開催されます■

リスク評価の会合を公開にすべきか否かは専門家間でも見解相違、近く開催のエコナWGは公開
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090875998
■公開のメリットとデメリットが議論されました■

WHO国際がん研究機関が評価しているのはHarzardだがタイトルはRiskのまま、オランダ語とドイツ語ではRiskとHarzardは同じ単語
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090875997
■オランダ語とドイツ語ではリスクとハザードとを区別する単語がないというのが新鮮でした■

東大農「食の安全研究センター」が連日開催のリスクコミュニケーション講演会、9月7日は188人、9月8日は136人が参加
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090875993
■両日とも盛会だったようです。初日の講演会は味の素と花王が共催でした■

米FDA、遺伝子組み換えサーモンを原料とする食品の表示について公聴会を9月21日に開催
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090775964
■GMOの表示議論は、サケにも広がってきました■

アンチエイジングでも注目のオレアノール酸、阪大などが共発現解析でマメ科植物の生合成酵素を同定
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090775963
■共発現解析技術が威力を発揮しています■

冊子「『エコナ』と食の安全・コミュニケーション」を花王が発行、食の専門家や報道関係者が対象
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090675947
■詳しい経緯や分析が掲載されています■

食品安全委員会が「エコナ」に関するWG議論を近く開始、委員数は前回WGの3倍
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090675946
■2010年8月までに追加データがかなり揃いました■

日本脂質栄養学会の策定委員会、「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」を取りまとめ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090575915
■日本の高齢者にむやみにスタチンというのは、エビデンスが乏しいようです■

続報、ガラクトオリゴ糖を含むビフィズス菌発酵飲料が肌の乾燥を抑制、ヤクルトが学会発表の成果を記者説明会で紹介
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090175851
■ヤクルトでは、オリゴ糖単独でも、肌に効果を認めています■

ヤクルト、オリゴ糖強化の「ミルミルS」を10月発売、年240億円目指す
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010090175849
■「ミルミル」ブランドの強さが改めて認識されました■

阪大医の前田和久准教授ら、再生医療技術でテーラーメードの現代版食養生
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010083175824
■ボディマップの研究からHarvardの食ピラミッドからの発展です■

写真更新、青汁のキューサイをコカ・コーラウエストが359億円で子会社化
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010083075790
■福岡で撮影した写真を追加掲載しました■

高崎健康福祉大と暁酵素、純植物性酵素飲料は生活習慣病の予防と治療に効果、特許2件成立
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010083075785
■植物の発酵食品が健康によい理由が徐々に分かってきました■

日水製薬と星薬科大、OTC薬「コンクレバン」の抗疲労メカニズムを検証
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010083075784
■BTJジャーナル2010年8月号で特集した「疲労」の研究成果です■

35歳以下が対象の和漢医薬学会ベストポスター賞、3題のうち2題が北里大学大学院感染制御科学府の所属
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010083075760
■大学法人北里研究所の研究成果も目立ちました■

「和漢薬と生活習慣を科学する」の第27回和漢医薬学会で京都に1000人、シンポジウム1は「エコと生薬資源」
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010082975757
■和漢医薬学会は盛況でした。日本の強みの一層の発展を期待しています■

 ここで改めて、メールのタイトルにもなっている「日経バイオテク」の説明をさせていただきます。日経バイオテクは、日本経済新聞社のグループ企業である日経BP社(BPは、Business Publicationsの頭文字です)が発行している定期刊行物(印刷物)です。創刊は1981年10月12日なので、今年秋には創刊30周年を迎えます。ニューズレターという、一般の雑誌よりも薄い冊子状のものを、2週間に1度、読者にお届けしています。

 90年代半ばにインターネット時代を向かえ、日経バイオテクでは1996年から、報道記事をオンラインで提供する事業を開始しました。「日経バイオテク・オンライン」という情報提供事業です。記事本文の第1パラグラフまでは、どなたでもご覧になれますが、第2パラグラフ以降の深みのある説明は、有料購読契約を結んでいる読者にのみ、ご覧いただけます。

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                    BTJ編集長 河田孝雄