今週は、金曜日(6月11日)と土曜日(6月12日)には、盛岡市で開かれている日本ビタミン学会第62回大会を取材しております。

 2週間前のこのメールでお伝えしましたように、ビタミンの研究はこれから再びさらに活発になるのでは、と見ております。

 ヒトにおいて、不足したときの表現形がはっきりしているビタミンは、研究の宝庫、打ち出の小槌と思います。

 月曜日と火曜日は宮城県で開催された日本分子生物学会春季シンポジウムを取材しましたが、世話人をお務めになられた東北大学の大隅典子教授は、必須脂肪酸の脳への作用に関する注目成果も発表なさっている研究者です。

 必須脂肪酸は、厳密にいうとビタミンではないとは思いますが、アラキドン酸やドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などには特別な機能性があるように思います。

 先週は、金曜日(6月4日)と土曜日(6月5日)に栃木県で開催された日本温泉気候物理医学会の第75回学術集会を取材しました。

 2年前に報道した温泉の新たな効能表示は、早ければ今年度中にも、環境省が制度化することが分かりました。シンポジウムI「温泉の禁忌症・適応症およびう注意事項」で、シンポジストの1人である環境省自然環境局自然環境整備担当参事官室の中原敏正氏が、フロアからの質問への答えで明らかにしたものなのですが、2年前の記事に書いた通りなのでこれは想定内でした。

※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
アトピーやリウマチ、うつ、不眠が温泉の適応症に、温泉気候物理医学会が基準案を
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2008060555976

 もう1つのシンポジウムII「宇宙からの帰還~宇宙医学と温泉医学」も、とてもおもしろかったです。なにしろ、日本人最長の163日間を国際宇宙ステーションで過ごした野口聡一さんが地球に帰還して2日後に、このシンポジウムは開かれたのです。その宇宙飛行士の健康管理を担当なさっている宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術部の宇宙飛行士健康管理グループ長である立花正一さんもシンポジストとして登壇なさいました。

 宇宙空間が人体にどんな影響を及ぼすのか、その解決策がどのように進歩しているのか、ただいま記事をとりまとめ中です。野口飛行士の要望に応えて、村上春樹の著書「1Q84」を、ステーションまで届けたという話題も、印象に残りました。

 宇宙ステーションが、機能性食品といったいどんな関係があるのかと思われるかもしれませんが、日本の有力食品企業が総力を結集して開発した宇宙日本食も、当然のことながらシンポウジウムで話題になりました。宇宙食については09年9月に少し記事をまとめました。

※BTJ/日経バイオテク・オンラインの記事
技術賞受賞のドリーム・チーム宇宙日本食を公開、名古屋開催の食品科学工学会に1100人
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2009091367731

 メール原稿の締め切り時間が迫ってきました。そこで、ここ2週間ほどの機能性食品関連のBTJ/日経バイオテク・オンラインの記事と、■記事補足■を、紹介させていただます。機能性食品関連の取材にも注力しているフリーランス・編集者の松岡真理さんの記事もお楽しみください。

◆「BTJ/日経バイオテク」より◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       機能性食品分野のバイオテクノロジー関連記事(直近2週間分です)
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東大と九大、東北大学に「エピゲノム」の新組織が今春相次いで発足
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010061074070
■記事補足■機能性食品の研究で、"エピゲノム"は必須アイテムになってきました■

北大の原博教授ら、小豆や緑豆のペプチドに強い食欲抑制作用、CCK分泌活性は大豆を上回る
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060573948
■食品のたんぱく質に内在するペプチドの研究はこれから大きく飛躍しそうです■

2010年4月完成の「日本の展望」で言いたい最大のポイントは2点、金澤一郎・日本学術会議会長が「日本学術会議の最近の活動と今後にむけた決意」を岩波「科学」2010年6月号で発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060473929
■詳しくは岩波書店の「科学」にてお読みください■

「他のオミクスよりエピジェネがバランス良さそう」と岩田淳・東大特任准教授、エピジェネティクス研究会でパーキンソン病について口頭発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060473928
■パーキンソン病対策でも、エピジェネ効果の機能性食品が期待できそうです■

写真更新、日本エピジェネティクス研究会第4回年会、年会長受賞者は阪大、筑波大、京大の研究者
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060273902
■エピジェネ研究はおもしろいです■

熊本大中尾光善教授ら、ヒストン脱メチル化酵素LSD1の阻害でミトコンドリア機能向上、2010年初に国際特許出願
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060273867
■中尾教授の成果発表では、以前にも、国際特許出願の記事をまとめたことがあります■

パテント・リザルトの「特許資産の規模ランキング」、技術分類別の「突然変異または遺伝子工学」は九大が頭抜けた資産
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060173860
■特許の価値を数値化する手法に注目です■

マルハニチロ、パセリエキスの血糖値低下作用を2種モデル動物で実証、効果はトルブタミドと同程度
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060173859
■水産系食品企業がパセリとはちょっと意外でした■

カルノシン・アンセリン研究会がホームページを開設、過去の研究会講演要旨に分析法や代謝経路など公開へ、リンク企業や新着情報も募集
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060173855
■抗酸化ペプチドは魅力的です■

文科省NISTEPが「サイエンスマップ2008」を発表、論文データベースから注目される研究領域を分析、生命科学系の比率は低下傾向
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010060173834
■機能性食品関連の研究領域にも注目です■

09年度大学・研究機関の特許資産の規模ランキングをパテント・リザルトが発表、評価の基準を出願人から権利者に変更、広島大学が7位に急浮上
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010053173827
■特許の価値を客観数値化する「パテント・スコア」は特許が成立しています■

環境エピゲノミクス研究会、第3回定例会を2010年7月9日に東京で開催
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010052973797
■食品の安全性評価でも、エピゲノムの観点が欠かせなくなってまいりました。■

大塚食品、栄養・食糧学会でマンナンを試食展示、妊婦の体重コントロールと繊維補給を訴求、病者用からダイエット食へ拡販
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010052973798
■結構おいしかったのとのことです■

米子市で開催の日本エピジェネティクス研究会第4回年会に300人、来年は熊本で「アカデミック交差点」、再来年は東京で開催、新たな代表幹事に佐々木裕之・九大教授
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010052973796
■中尾教授が主催する来年の研究会には皆さんも参加しましょう■

ブロックバスターEPA・DHA製剤は血圧降下や脂質代謝改善の効果がEPA製剤に勝る、島根大医が武田薬品との動物実験成果を学会発表
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010052873787
■ω3脂肪酸の機能性はすごいのです■

雪印乳業技研、SBT2171株使用"芳醇"ゴーダチーズのメタボ予防効果検証を進める、脂質改善、大腸炎抑制、免疫機能の改善効果を学会で3題
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010052873760
■この成果を踏まえて、おいしくチーズをいただきましょう■

 上記のように、食品分野の重要な学会活動も、報道しております。日経バイオテク・オンラインの記事にご期待ください。

 ここで改めて、メールのタイトルにもなっている「日経バイオテク」の説明をさせていただきます。日経バイオテクは、日本経済新聞社のグループ企業である日経BP社(BPは、Business Publicationsの頭文字です)が発行している定期刊行物(印刷物)です。創刊は1981年10月12日なので、今年秋には創刊30周年を迎えます。ニューズレターという、一般の雑誌よりも薄い冊子状のものを、2週間に1度、読者にお届けしています。

 90年代半ばにインターネット時代を向かえ、日経バイオテクでは1996年から、報道記事をオンラインで提供する事業を開始しました。「日経バイオテク・オンライン」という情報提供事業です。記事本文の第1パラグラフまでは、どなたでもご覧になれますが、第2パラグラフ以降の深みのある説明は、有料購読契約を結んでいる読者にのみ、ご覧いただけます。

日経バイオテク・オンラインはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/BIO.jsp

 もう1つ、バイオ部編集からお知らせを。バイオ部編集では、「BTJジャーナル」という月刊のPDFマガジンも発行しています。こちらは、PDFファイルをダウンロードすると、記事全部をご覧いただけます。

 写真や図版を多数掲載しています。機能性食品と関連する記事も掲載することがありますので、覗いてみていただければと思います。

BTJジャーナルのダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html

 日経バイオテク・オンラインの記事全文をお読みいただくには、日経バイオテク本誌の読者になっていただく必要があります。日経バイオテク本誌のお申し込みは、以下からお願いします。

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                    日経BP社バイオ部BTJ編集長 河田孝雄