昨晩のブラジルvs日本のバレーボールは興奮いたしました。東洋の魔女までは到達しておりませんが、一時低迷していた日本の女子バレーの復調を確信しました。あのブラジルを相手に、3:0の完封は見事でした。この試合を決めたのは、第一セット。先にセットポイントを握ったブラジルのスパイカーが自分より慎重が35cmは低い、セッターの竹下選手のブロックの穴に猛烈なスパイクを舌舐めずりしながら、打ちこんだのですが、そこに油断が生じた。懸命に下から延ばした竹下選手の上向きの手にボールが当たり、見事なロブボレーとなりました。この1点で完全にラテンのチームのメンタルにひびが入りました。パキッと音さえ聞こえたような気もします。勿論、江畑、荒木、木村選手の健闘は目を見張るものがありました。今回の試合で決めるのは難しいかも知れませんが、まちがいなくロンドンオリンピックには出場でき、銅メダルは狙えるところまで成長しました。
 
 さてバイオですが、今回は東北の復興についてお伝えいたしましょう。経産省の肝入りで、復興関連予算としてDNAマイクロアレイに基づいた創薬ネットワークを福島県で形成しようと計画が進展しています。復興でバイオ研究にもドライブがかかる可能性があると思っております。私たちは常に東日本震災の復興のつち音に耳を澄まし、機会を作って貢献しなくてはなりません。

 11月11日に日本医療政策機構と戦略国際研究所(CDI)が共催した「緊急フォーラム『グローバルに考える被災地の今」というセミナーに出席してまいりました。米軍による友達作戦が、既得権で動きが取れない行政を補い、被災者の救援に貢献したことは記憶に新しいところです。これによって米軍と自衛隊の中により深い信頼感と連携が結ばれました。さすが米国ですが、この作戦終了時に、米国大使館を中心に「友達イニシアチブ」を開始、今回の東日本大震災の復興を支援するため、日米の若者レベルでの交流支援を着手していました。外交とはまさにそういうことの積み重ねだと思います。TPPの議論は日本の開国のために、不可欠であると思いますが、こうした外交努力無くして、我が国の国益を外交的に確保することは難しいと懸念しています。

 しかし、外交は政府だけがやる訳ではないことも事実です。震災発生から1か月以内に米国民は120億円寄付を集めたとCDIのMichael Green日本部長。今回の震災でも様々なNGOやNPOが支援に駆けつけました。むしろ、こうした支援を我が国の官僚主義の壁が阻んだことも、社会を変えるためには忘れてはならないことです。9.11の時、Green部長は当時のBush政権の外交補佐官をしていました。茨城県の10歳の子供からBush大統領に届いた手紙を開封したところ「頑張って下さい」というメッセージに、自分のお小遣いから捻出した2400円が同封されていました、これを見たホワイトハウスのスタッフ全員が皆泣いたと、先週も目に涙をためて話していました。こうした心の絆こそ、両国の外交の橋となることは間違いありません。そしてこうした心の交流の機会をどうやって創造するか?言い換えれば、政府がいかに邪魔をしないか、こそが政府の最も重要な節度であると考えています。

 東日本大震災は世界の工業生産体系がグローバルに融合してしまったことを痛感させられました。これは被災した日本だけでなく、日本を失うと世界も工業製品の製造が不能になるという関係を露呈したのです。勿論米国のことですから、それなら国産化だと、一時は真剣に検討をいたしました。しかし、Green日本部長によれば、東北の技術を国産化するためには、最低でも5年は必要で、事実上不可能であると判断し、ダイナミックな日本の復興がどうしても必要だという結論になりました。こういう共存共栄関係も、我が国が厳しい国際環境の中で生き残る術であることを、再確認しました。やはりイノベーションは国民の生き残りにも、そして、国民の安寧と幸せにも重要な貢献をするということです。このためにも、私たちは変化を恐れてはなりません。しかし、これを蛮勇に終わらせないためにも、つまり福島原発のような事故を起こさないためにも、充分なリスク評価とリスクの顕在化、リスクへの対応を予め解析し、準備しておく社会や行政とならなくてはならないと思います。その意味では、各省庁が恣意的な統計操作を止め、リアルな数字を収集、公開する独立機関を設置する必要があるかも知れません。TPPの議論で、賛成反対の省庁が勝手な推計値を発表して、世論を混乱させる罪を犯しました。こうした統計数字は全て公開し、民間シンクタンクや大学が自由に解析し、評価することを許さなくてはなりません。官僚の無謬神話は、年金問題で既に国民の中では崩壊しております。

 東日本大震災の被災地には雪が降り始めました。復旧を急ぐとともに、新しい日本を地域から作り出す必要があります。この会議で、福島交通などを通じて、復興にずっぽりコミットした経営共創基盤の富山最高経営責任者氏が「6か月もかけて、当たり前の結論しか出ない復興会議は必要ない。判断せず、責任を取ろうとしなかった、当時の官邸はまったく機能しなかった。平時には官僚制度は機能するが、震災のような危機には、現場に任せることが重要だ。国は予算を地域に渡し、どんどん復興を任せるべきだ」と指摘したことは真言でした。「除染や移転など、重要な決定は子供たちにとって、その決定が良いことなのか、それを基準に決めるべきだ。私たちのような年寄りはどうでもよい」との指摘は心に響きました。

 既得権を維持することに汲々して我が国の成長や闊達さを阻んでいる、我が国の明治以来の有司専制統治機構を棚卸しする時が来たと、私は判断しております。
 
 さて、先週の日本人類遺伝学会でも世界第大ののゲノム解析企業、中国BGI社がデビューしました。創薬や個の医療に関しても次世代シーケンサーの貢献は無視できなくなりました。臨床試験のDNAサンプルも近い将来、全ゲノム解析する時代がやってきます。これから次世代シーケンサーも、高度化と同時に診断機器として普及するための大衆化が既に始まっています。今や新薬開発や個の医療サービスに貢献が始まった、次世代シーケンサの新展開を、皆さんと議論したいと考えています。

 11月30日午後、品川でセミナーを開催いたします。かなり席が少なくなってまいりました。今回は医療を次世代シーケンサーの大衆化がどう変えるのか?を議論します。

 これはまさに、皆さんにとって今そこにあるビジネスチャンスです。
 どうぞ下記から詳細にアクセスの上、お早目にご登録願います。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/111130/index.html

 今週も、お元気で。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

ご連絡は、https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/