昨夜、BSでなでしこジャパンの試合を放映していることに気づき、後半終了すれすれで、浦和レッドダイアモンドレディーズVSINAC神戸レオネッサの試合にチャンネルを合わせました。浦和が無配のI神戸に土をつけるかと誰もが思った終了1分前に、澤選手のゴールで同点に追いつく凄い展開でした。1試合、神戸が少ないですが、日テレが勝ち点で1点差まで迫って来るなど、終盤を迎え熱を帯びてきました。トヨタ自動車もリーグの公式スポンサーになるなど、なでしこ支援の輪も広がっています。なんとか、この勢いが日本の元気に繋がるように、期待しております。

 さて、バイオです。

 次世代シーケンサーの応用が急速に展開しています。東京大学医学部付属病院キャンサーボードの小川誠司特任准教授の取材をいたしましたが、同氏は白血病の前がん状態である骨髄異形成症候群(MDS)の多数の患者で、mRNAのスプライシンに関係するたんぱく質遺伝子群に変異が存在し、その結果、mRNAのスプライシング異常が起こっていることを発見しました。今まで謎に包まれていた骨髄異形成症候群の病因に迫る発見です。エピジェネティクスに作用する治療薬が我が国でも今年日本新薬から発売されましたが、それ以外の治療薬は対象療法しかないのが現状です。スプライシング異常を標的とした新薬創製の可能性も、小川特任准教授の発見で出てきたと期待しています。また、今後の研究目標として、染色体のエピジェネティクな変化とスプライシング異常の関係も興味深々です。遺伝子発現を調節、たんぱく質を合成する2つの仕組みの関連が、今回の発見を手がかりに解明される可能性があるためです。いよいよ生命のシステムとして、複数のオミックスの変化を連関付けて解釈することもできる、まさにシステム生物学の時代がやってきました。

 こうした技術突破の背景に存在するのが、実は次世代シーケンサーの進展です。もう次世代シーケンサーは次世代どころではなく、実質的には第4世代ぐらいまで進展し、猛烈な勢いで解析能力の向上とコスト削減が進んでいます。また、ハイエンドの機器だけでなく、卓上型の10億塩基程度を解析する大衆化したシーケンサーまで登場しつつあります。私はこれから次世代ゲノムシーケンサーの技術突破は、更なる解析能力の増大と大衆化の2つに絞られると思っております。

 誰でも簡単に10塩基程度のゲノムを解析し、生物機能を解釈できるシーケンサーが2010年に相次いで、我が国市場でも販売されるようになりました。皆さんはまだ認識しておられないと思いますが、こうしたゲノム解析の大衆化が、医学や医療のビジネスモデルを激変させ、新たなビジネスチャンスや研究の機会を拡大することは不可避です。

 病院の検査室でゲノムシーケンサーが稼動する、顕微鏡並みに大学の研究室にゲノムシーケンサーが設置される....こうしたことは決して未来のことではありません。ゲノム研究の大衆化こそ、平均的研究者のレベルが欧米よりも高い我が国の力を見せる大チャンスであると考えます。次世代シーケンサーの開発では米国に圧勝された日本に、とうとうチャンスがやってきたのです。

 皆さんとこうした新たなビジネスチャンスや研究のチャンスを議論すべく、11月30日午後、東京品川で2011次世代シーケンサーのセミナーを開催いたします。小川先生にもご講演をいただきます。その他、この技術革新を牽引している研究者も招聘、皆さんと次世代シーケンサーの近未来を議論したいと願っております。

 どうぞ下記のサイトから、詳細にアクセスの上、お申し込みをお急ぎ願います。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/111130/index.html

 一人でも多くの読者のご参加を期待しております。

         日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

ご連絡は、https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/