初めまして。日経BP社バイオ部の編集記者の河田と申します。

 お楽しみいただいていた「FoodScience」メールが2010年3月末をもって休刊になりました。今回のメールからは、「日経バイオテク/機能性食品メール」に衣替えして、メールをお届けします。「日経バイオテク/機能性食品メール」は月に2回、金曜日(第2金曜日と第4金曜日)にお届けします。次号は4月23日の予定です。

 「日経バイオテク/機能性食品メール」は、バイオテクノロジーを駆使した研究開発で次々と明らかになる人間や生態系のメカニズムと、食品の機能性との関係性にフォーカスしたトピックスをお届けしていきたいと考えております。

 「日本人の腸で、海草に含まれる多糖類が分解されるのは、海洋性の微生物が持っている分解酵素の遺伝子を、腸内に住む細菌が取り込んだから」という、昨日(2010年4月8日)流れたNature誌論文の話題は、おもしろいですよね。

 もともと食べ物は、身の回りの環境にあるものを食してきたので、食の機能性は実は、環境との関係が大きいのです。

 食の機能性を追究する研究は、基本的には医薬品の開発と共通した部分が多いのですが、食の場合は、環境の影響を考慮することがより大切では、と思います。

 食の安全性について、偏った意見が広まっているように思うのですが、食の安全性を証明する方法論というのは、実はありません。経験的に相対的に安全な食を選んできたという、食経験に頼らざるをえない部分が大きいのです。

 食の安全性の問題で一番、難しいと思うのは、安全性の懸念を示すのは簡単にできる一方で、安全性を担保するのはとってもたいへん、という事実です。

 バイオテクノロジーの発達で新たに登場した高感度・高性能の分析機器を使えば、食によって起こる人体の変化は、容易に捉えることができます。良い面をピックアップすれば、「食の好ましい健康機能を見いだした」成果といえますし、悪い面をピックアップすれば「有毒性の懸念が見つかった」となります。

 ここでとても難しいのは、「良い面」とか「悪い面」というのは、とても恣意的ということです。同じ変化でも、ある角度から見れば「良い」になるし、別の角度から見れば「悪い」になるのです。

 繰り返しになりますが、衣替えさせていただいて今回からお届けする「日経バイオテク/機能性食品メール」では、食の機能性にフォーカスしたトピックスをお届けしていきますが、「機能性」は、好ましい機能性もあるし、好ましくない機能性もある。というわけで「安全性の懸念が、税金による最先端研究と、消費者委員会・食品安全委員会の消費者代表委員の意見とで、拡大再生産されている」という現在の問題を、なんとか改善していきたいと考えております。バイオ研究の最先端では、画期的な高
性能機器が続々と登場しています。使い方によっては"高価なおもちゃ"とも呼びたくなってしまうのは、私だけでしょうか。

 説明が最後になりましたが、メールのタイトルにもなっている「日経バイオテク」について説明させていただきます。「日経バイオテク」は、日本経済新聞社のグループ企業である日経BP社(BPは、Business Publicationsの頭文字です)が発行している定期刊行物(印刷物)です。創刊は1981年10月12日なので、今年秋には創刊30周年を迎えます。ニューズレターという、一般の雑誌よりも薄い冊子状のものを、2週間に1度、読者にお届けしています。

 日経バイオテクは今年最新号の2010年3月29日号は、第684号です。実は、夏と年末年始にお休みをいただいていて、発行回数は1年に24回です。

 90年代半ばにインターネット時代を向かえ、日経バイオテクでは1996年から、報道記事をオンラインで提供する事業を開始しました。「日経バイオテク・オンライン」という情報提供事業です。記事本文の第1パラグラフまでは、どなたでもご覧になれますが、第2パラグラフ以降の深みのある説明は、有料購読契約を結んでいる読者にのみ、ご覧いただけます。

日経バイオテク・オンラインはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/BIO.jsp

 この96年の日経バイオテク・オンラインの開始により、報道記事をリアルタイムで読者にお届けすることができるようになりました。オンラインを開始してから14年余りが経過し、現在までに合計で2万8625本余りの報道記事が、アーカイブに蓄積されています。日経バイオテク読者になると、この2万8625本余りの記事の中から、複数語の「キーワード」検索を行えます。

 日経バイオテクの読者でない方々も、1つのキーワードなら、記事検索を行えます。記事見出しと、記事本文の第1パラグラフしかご覧いただけませんが、ご関心のキーワードで検索してみていただければ、と思う次第です。

日経バイオテク・オンラインの検索は、以下のリンク先の検索窓をご利用ください。

→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/index.jsp?icate=0&pg_nm=1

 印刷物である日経バイオテクの購読者は、日経バイオテク・オンラインの記事を読むことができます。日経バイオテクの年間購読料は現在、16万3200円です。これには、日経バイオテク・オンラインの1アカウント文の料金が含まれています。

 今回はメールマガジンの衣替えの事情説明が、大半になってしまいましたが、今後、2週間ごとに、機能性食品のトピックスを、日経バイオテク・オンラインの記事を中心にお届けします。

 最後に、ついいましがた日経バイオテク・オンラインで報道した機能性食品関連の記事の関係で、ちょっと話題を提供します。

 3月末に東京大学で開かれた日本農芸化学会の食品セッションで、「またか」と思ってしまう場面に遭遇しました。口頭発表の内容について、「そのヒト試験は、ダブルブラインドの試験か。本当にブラインドになっているのか」という質問があり、発表者が少し答えに手間取っている間に、会場でちょっと笑いのようなものが起きました。

 味覚も大切な食の機能性研究では、ダブルブラインドを過度に追究するのは、得策ではないと思います。以下の記事リストの一番上の記事と関係するのですが、ヒト試験でエビデンス度が高いのは、RCT(Randomized controlled trial;無作為化割り付け試験)です。RCTは、ダブルブラインドを保証するというものではありません。未だに「ダブルブラインド」試験的な話を、食品の機能性研究で聞くと、「被験者のブラインドを担保するためのプラセボの作製にはさぞかし苦労したことだろう、しかし、味覚の鋭敏さなど、被験者の個人差も大きいのだから、どこまでブラインドになっていると保証できるのだろう」とついつい思ってしまう次第です。

 それでは、次回は、2010年4月23日(金)に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けします。メール末尾に、関連記事のリストを掲載しました。今回は初めてなので、過去1カ月分くらいのリストとしたところ、記事本数は40本となりました。日経バイオテクの購読者でない方々には、記事見出しと第1パラグラフしかお読みいただけませんが、まずは、どのような記事を報道しているかを、知っていただければ幸いです。

                    日経BP社バイオ部BTJ編集長 河田孝雄

※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html

◆「BTJ/日経バイオテク」の関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━
       機能性食品分野のバイオテクノロジー関連記事
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「もしもRCTを認めないのなら話にならない」と消費者庁の検討会で田中平三座長、4月14日開催の第8回で論点整理に向けた意見交換を終了
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197日ぶりに新トクホ、消費者庁が初の許可で総数は903件に、トップの東洋新薬は176件
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ペクチナーゼで微細米粉、木村屋總本店が米粉パンをSTAFF発表会で提供
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βグルカンのシンポジウム第3回は初の大阪開催、神戸大の水野雅史教授が基調講演
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010030271651

初の「食品産業技術ロードマップ」をSTAFFが発表、社会的要請領域5つのうち3つを取りまとめ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010030271649

健康食品認証制度協議会が認証機関の指定申請受付けを開始、日健栄協が応募へ
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