やっと冷えて参りました。BioJapan2011が終わって、横浜から自宅に戻った時に金木犀の香りに包まれましたが、その香りも失せ、家の前の通りの落ち葉にはイチョウが混じるようになりました。今年は暑さが続いたので、秋をスキップして冬が来るかと思っていましたが、秋は必ず訪れるのですね。喉風邪が流行している模様です。皆さんも秋を堪能しつつ、身体にはお気をつけ願います。

 さて個の医療です。

 20万人以上の患者さんのご協力によって実現したバイオバンクジャパンが、11月13日(日)にシンポジウム、「患者が支えるバイオバンクとその未来」を開催いたします。今まで、医学研究者が正面に出て、オーダーメイド医療実現プロジェクトが進めらてきましたが、実は多くの患者さんや多数の患者団体の支援によって、バイオバンクジャパンのプロジェクトは進められてきたのです。今回のシンポジウムでは、バイオバンクが患者さんにとってどんな意味があり、皆さんの参加が医学研究をどう進展させているのかが、議論されます。個の医療の実現の基盤となる、バイオバンクの現状と課題を把握するためにも絶好の機会であると考えます。

■日程:2011年(平成23年)11月13日(日) 13時30分~16時30分
■場所:東京大学医科学研究所 1号館 講堂(港区白金台4-6-1)
  地下鉄南北線・三田線「白金台」駅1番出口より、徒歩5分
■入場:無料
■事前申し込み、お名前とご連絡先をご記入のうえ、pubpoli@ims.u-tokyo.ac.jp
または FAX 03-6409-2080 までお申し込みください。
■プログラム(予定):
13:30 開会あいさつ 武藤香織(東京大学医科学研究所准教授)
13:40 講演 アリス・ウェクスラー氏(米国・遺伝病財団・理事)
14:25 講演 シャロン・テリー氏(米国・ジェネティック・アライアンス代表)
15:05 休憩
15:20 パネルディスカッション進行:松原洋子氏(立命館大学生存学研究センター教授)
指定発言:増井徹氏(難病研究資源バンク、独立行政法人医薬基盤研究所室長)16:30 閉会

 今回海外から二人の講師を招聘しています。中でも米国の遺伝病財団理事であるアリス・ウェクスラーさんは、ハンチントン病の母をもつ歴史学者です。母親がハンチントン病であると診断後、父や妹とともに、ハンチントン病の原因を究明するため、研究者を探し、研究用の寄付金を集めてきましたた。また、1979年から20年間にわたり、ベネズエラに存在するハンチントン病の大家系の親族を一軒ずつ訪問し、4000名から血液提供を受け、ハンチントン病の遺伝子の発見に大きく貢献しました。遺伝病と戦う患者家族のリーダー的存在です。1986年、ハンチントン病の研究を応援するため、「遺伝病財団」を創設、研究を応援しています。

 読者の中には『ウェクスラー家の選択』をお読みになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ハンチントン病のリスク持った家族の葛藤と闘争を描いた著作ですが、著者は今回の演者のアリス・ウェスクラーさんです。

 我が国でも難病のゲノム解析のプロジェクトが始まったと聞いています。是非とも、患者さんと研究者が手に手を取って、プロジェクトを進展、一刻も早く治療法や予防法を開発できる体制を是非とも、とっていただきたいと願っております。

 患者さんこそが、医療や医学研究の主役である。これが常識となる時代が早く日本にもやって来て欲しいと思っております。

 冷え込んできました。皆さん、どうぞお風邪を召されぬよう、ご自愛願います。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満