9月7日以来5週間ぶりにお目にかかります。「日経バイオテク/機能性食品メール」も担当しております日経BP社バイオ部編集BTJ編集長の河田孝雄です。前回の9月9日付メールの2週間後が、秋分の日の9月23日で祭日だったため、日経バイオテク/機能性食品メールをお休みさせていただきました。

 昨日(10月13日)に新たに8品目が、特定保健用食品(トクホ)の表示許可を取得して、トクホ総数は969品目になりました。

 今回の8品目はすべて飲料。伊藤園3品目、アサヒ飲料2品目、キリンビバレッジ1品目、それに佐藤園1品目、アートネイチャ1品目です。

アサヒ飲料、リンゴ由来プロシアニジン配合の「ポリフェノール茶」、体脂肪対策のトクホ表示許可取得
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111013/155985/

体脂肪とコレステロールの両方に役立つトクホ茶カテキン飲料、伊藤園がほうじ茶、ジャスミン茶、烏龍茶も品ぞろえ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111013/155987/

 この中で、これまでの研究の蓄積が新たに結実したという意味で一番注目なのが、アサヒ飲料の「ポリフェノール茶」です。

 このお茶に配合しているのは、リンゴ由来プロシアニジン。一般にリンゴポリフェノールと呼ばれる素材です。

 リンゴポリフェノールはそもそもは、10年前の2001年にアサヒビールの子会社になったニッカの弘前工場で開発された素材です。ただいま、かつての記事を検索してみたら、リンゴの未熟果からりんごポリフェノールを抽出する方法を独自に開発したニッカが95年6月、「アップルフェノン」という商品名の食品素材・食品添加物として、弘前工場で本格生産を開始しました。

 植物性食品素材に広く含まれているポリフェノール成分は、いろいろ調べてみると、生活習慣病対策などの健康機能を期待できる新発見も、相次いでいます。

 このポリフェノールの健康機能性を追求した飲料の商品化とマーケッティングが、この9月から活発になっています。花王は「ヘルシア」について「12週間健康チャレンジ!」を9月1日から開始し、9月29日に苦味をおさえた「ヘルシア緑茶 すっきり」を新発売しました。サントリーは「黒烏龍茶」の広告に新たに喪黒福造を起用し「秋の健康習慣チャレンジ」キャンペーンを開始しました。伊藤園は「2つの働きカテキン緑茶」を9月5日に新発売し、「人間ドックへ行こう!」キャンペーンを開始しました。

続報、茶飲料のポリフェノール機能競争が激化、花王「12週間健康チャレンジ」、サントリー「喪黒福造」、伊藤園「人間ドックへ行こう」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111001/155717/

 3社3商品とも、消費者庁が健康強調表示を許可するトクホ。9月29日にヤクルトホールで開催された「トクホフォーラム―トクホ制度誕生20周年記念・トクホの日制定1周年―」では、3商品ともアンケート回答者に無料配布されました。このフォーラムは「食べて応援しよう!」「運動の秋!食欲の秋!トクホの秋!」をテーマに掲げ、日本健康・栄養食品協会(日健栄協)が主催したイベントです。

運動の秋!食欲の秋!トクホの秋!、トクホ制度誕生20周年記念の「トクホフォーラム」でヤクルトホール満席
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111001/155755/

 花王の「ヘルシア緑茶 すっきり」は、「すっきり」は、「苦味を抑えることで緑茶葉の持つ香りとうまみを引き出し、緑茶本来のすっきりした味わいを実現した」ことを特徴としています。花王のヘルシアブランドの定番商品として5品種目。花王は現在、23品種についてトクホ表示許可を取得しており、そのうち「ヘルシア」ブランドが20品種を占めます。ヘルシアブランドの商品は全て体脂肪対策の飲料です。「すっきり」は、「苦味を抑えることで緑茶葉の持つ香りとうまみを引き出し、緑茶本来のすっきりした味わいを実現した」ことを特徴としている。

 花王は「ヘルシア」で「12週間健康チャレンジ!」を開始してTV-CMを増やしました。「ヘルシア緑茶 すっきり」ではTV-CMに江角マキコ氏を起用しました。ヘルシア緑茶の香川照之氏とヘルシアウォーターの塚本高史氏、ヘルシアスパークリングのほしのあき氏に江角氏が加わりました。

 一方、サントリーは「黒烏龍茶」の広告に新たに喪黒福造を起用し、TV-CMは8月30日から全国で開始しました。交通広告は9月1日から首都圏と関西で開始した。喪黒福造は、藤子不二雄A氏による日本のブラックユーモア漫画作品「笑ゥせぇるすまん」の主人公。TV-CMシリーズの最初の登場篇では「あなた、きょうも脂っこいものを食べたのに、黒烏龍茶を飲んでいませんねぇ。いいんですかぁ? 脂肪にドーン!! 特保黒烏龍茶。食べながら脂肪対策」と登場しました。TV-CMは8月30日から11月末まで、交通広告は9月1日から10月14日までの予定とのことです。

 サントリーは、高血圧対策のトクホ「胡麻麦茶」も、黒烏龍茶と横並びで広告を投入している。こちらは引き続き高橋克実氏が出演しています。サントリーは「サントリートクホ 秋の健康習慣チャレンジ」のキャンペーンを8月30日から10月14日まで実施しています。

 伊藤園の「2つの働きカテキン緑茶」は、体脂肪対策とLDLコレステロール対策の2つの健康機能を訴求するトクホ。7月28日にトクホ表示許可を取得しました。寺島進氏が出演するTV-CMは8月27日から事前告知CMを開始し、9月7日から商品名を登場させました。「カテキン緑茶」の健康機能性であるコレステロール対策に、もう1つ、体脂肪対策の健康機能を追加した。2つの健康効果を持つことを訴求したことで、どれだけ売上げを拡大できるか注目しています。

 このように飲料分野では、健康機能性の開発と商品化、マーケッティングが活発です。しかし、トクホ市場全体を見ると、たいへん厳しい状態にあります。

2009年9月に厚労省から消費者庁に移管されたトクホ制度、直近1年の新規許可は48品目と1年前に比べ半減、純増はわずか7分の1未満に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111014/155992/

 この要因の1つは、安全性の確認の要件が、日本だけ突出して厳しい場合があるということです。欧米をはじめとする世界標準をもとに事業化しようとしても、思わぬ障害にぶつかることが多々みられます。

 日本のアカデミアで、薬理学・毒性学は世界で優れた水準にあることが知られています。

論文の被引用数が多い“スター研究者”を国際比較、日本は免疫学、材料科学、農業
科学、生物学・生化学、薬理学・毒性学が強い https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20111001/155713/

 この毒性学の最先端の知見・成果を、食品の安全行政にどう反映していくのがよいのか、重要な課題と思います。

 メール原稿の締め切り時間になりましたので、最後に、ここ5週間で報道した機能性食品関連の記事39本のリストを以下に掲載し、ポイントを紹介させていただきます。

 なお、今週月曜日(10月3日)にバイオポータルサイトの「Biotechnology Japan(BTJ)」を全面刷新しました。Biotechnology Japanは、1981年10月創刊のニューズレター「日経バイオテク」のニュースをオンラインで提供するサイトとして、1996年からサービスを続けてきましたが、2011年10月に日経バイオテクが創刊30周年の節目を迎えるのを契機に、ブランド名も日経バイオテクに統一し、「日経バイオテクONLINE」に生まれ変わりました。

 日経バイオテクONLINEは今秋から下のURLになりました。引き続きご活用いただければと思います。

 https://bio.nikkeibp.co.jp/

                    日経BP社バイオ部
                    BTJ編集長 河田孝雄

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