毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。今日は、前回の2011年9月16日から2週間ぶりでお目にかかります。
 今週前半は、東京農工大学の小金井キャンパスで開催された第63回日本生物工学会大会(2011)を月曜日と水曜日に取材しました。
 1500人を超える参加者が集まったとのこと、盛会だったようです。
日本生物工学会で東京農工大に1500人、初日シンポで小宮山宏氏が基調講演、中村修二氏が招待講演
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092684206
 初日のシンポジウムで、青色LEDの中村修二さんは「青色LEDの開発と省エネへの貢献」と題した招待講演をなさいました。日経バイオテク・オンラインの記事では7年前に2回ほど、触れさせていただきましたが、講演は今回初めてうかがいまして、たいへん刺激的でした。
 日本は、博士号を取得している方々、技術者の方々の活躍の場としては、好ましくない点が多々あると、指摘なさってました。米国では、ベンチャーを立ち上げるときに、科学者は“頭脳”だけを拠出し、出資はしないとのことでした。米西海岸では「3つベンチャーを立ち上げて3つとも失敗しても、豪邸が3つ残る」といったこともあるとのお話でした。
ロッテ・久保利弁護士vsグリコ・升永弁護士トクホ・ガムの広告差止請求を東京地裁が棄却、ロッテは即日控訴
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2002/7419/
◆特許訴訟◆
続報、東京地裁、アスパルテーム特許訴訟で味の素に約1億9000万円の支払いを命じる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2002/4106/
 今週火曜日は、福島県いわき市で取材しました。
福島県いわき市が原発事故に伴う風評被害対策、農作物見える化プロジェクトを10月に始動
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884234
 いわきを代表する特産品の1つであるナシの分析を行っていました。「農作物見える化プロジェクト」の取り組みに引き続き注目して参ります。
 今週水曜日午後は、北里大学海洋生命科学部と理研オミックス基盤研究領域(OSC)の学術交流協定締結を取材しました。
理研オミックスと北里大海洋生命科学部が水生生物ゲノムで学術交流協定を締結、9月28日に調印
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884257
 岩手県の特産品であるアワビやナマコ、ホタテは付加価値が高いので、オミックス技術を活用したイノベーションが期待できます。
 特産品は、9月25日(日)に福井県立大学福井キャンパスで開かれた日本育種学会2011年秋季大会の市民公開シンポジウム「みんなで話し合う福井の作物と農業―食糧生産と文化の視点から―」でも、まさに“キーワード”でした。
 伝統作物は、大量生産・大量消費される作物に押されて衰退しており、ここ30年のうちに作物の種類が半減してしまった、といったことも各地で起こっているようです。
 伝統作物の付加価値を高め、特産品として市場を拡大するのに寄与する研究が求められていて、日本育種学会でも、この視点からの取り組みの成果発表が目立ちました。
 市民公開シンポジウムでは、山形大学農学部の江頭宏昌さんも、「在来作物の魅力と活用―山形を例に」と題した講演でおもしろい話題を提供なさっていました。
 「佐藤錦」で有名な山形のサクランボは、産出額が年間233億円(08年)と、山形を代表する果実ですが、品種名が付いた1928年(昭和3年)から60年間ぐらいは、ほとんど注目されていなかったとのことです。現在では年間60万人が山形のサクランボ園を訪れており、この観光客が1人2万円山形でお金を使うと120億円と計算できます。たいへんな経済効果といえます。
 このように、どの伝統作物が、消費者の人気を得て需要が増えるのか、予想も難しいとのことで、とにかく遺伝資源をしっかり確保しておくということが重要になります。県など自治体の担当部署の方が頻繁に交代したり、地元の試験場や大学などの予算が削られたりと、伝統作物を維持する困難さは増しているようですが、バイオテクノロジーが寄与して欲しい分野です。
 このメールの最初で紹介した生物工学会の初日のシンポジウムでは、三菱総合研究所の小宮山宏理事長/東京大学総長顧問が「日本『再創造』―『プラチナ社会』の実現に向けて―」と題した基調講演を行いました。60歳以上の方々向けの伸びる市場では、医薬品が目立つが、そればかりではない、とお話しでした。
 小宮山理事長は、プラチナ構想ネットワークの会長もお務めですが、三菱総研が進めているプラチナ社会研究会では、2011年度提案プロジェクトとして「機能性を有する食品の普及による『健康社会』実現プロジェクト」を始めようとしています。
 メール原稿の締め切り時間になりましたので、以下に、最近2週間で直接記事とりまとめを行った記事18本の見出しリストを、取り上げたポイントとともに掲載します。ご参考にしていただければと思います。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※直近2週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの直接担当記事18本
【2011-09-30】
運動の秋!食欲の秋!トクホの秋!、トクホ制度誕生20周年記念の「トクホフォーラム」でヤクルトホール満席
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092984306
■ほぼ満席で約400人が参加する盛会でした。アンケート回答者に配られたトクホ商品セットも、ずっしりと重かったです。■
【2011-09-28】
林原生化研が第15回トレハロースシンポを11月に開催、「復活!福島の梨」やPfizer社、大塚製薬の発表も
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884259
■梨の成果は、JA全中主催の全国高校生対抗ごはんDE笑顔プロジェクト選手権で発表した内容です。■
【2011-09-28】
世界化学年記念シンポに450人、「低炭素ではなく『新・炭素社会』構築へ」と三菱ケミカルの小林社長
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884258
■21世紀は、バイオマスや二酸化炭素からケミカルを製造する「錬炭素術師」の時代です。■
【2011-09-28】
理研オミックスと北里大海洋生命科学部が水生生物ゲノムで学術交流協定を締結、9月28日に調印
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884257
■三陸特産のアワビやナマコ、ホタテのオミックス研究が進展します。■
【2011-09-28】
日立がゲノムデータ大量処理のコストを8割削減、国立遺伝研が協力
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884237
■オープンソースソフトウェアの活用で、コストが1/5になりました。■
【2011-09-28】
福島県いわき市が原発事故に伴う風評被害対策、農作物見える化プロジェクトを10月に始動
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092884234
■特産のナシを細かく切って測定していました。■
【2011-09-27】
キリン健康プロジェクト横断ブランド「キリン プラス-アイ」から健康茶、第1弾は“ぬくもり”素材3種を配合
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092784221
■3種類のぬくもり素材とは、ショウガと焙煎大麦、それに独自配合のオリジナルスパイスです。■
【2011-09-26】
日本生物工学会で東京農工大に1500人、初日シンポで小宮山宏氏が基調講演、中村修二氏が招待講演
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092684206
■初日のシンポジウムのテーマは「美しい地球持続のための脱炭素社会の構築」でした。■
【2011-09-22】
続報、茶飲料のポリフェノール機能競争が激化、花王「12週間健康チャレンジ」、サントリー「喪黒福造」、伊藤園「人間ドックへ行こう」
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092284179
■メタボ対策飲料の市場が再び活性化してきました。■
【2011-09-22】
荏原実業がオゾン技術でバイオ支援に参入へ、細胞アレイの製作装置を九工大の春山教授と開発
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092284129
■半導体加工用装置を転用する場合に比べコストは10分の1とのことです。■
【2011-09-22】
ヤクルトの米販売実績は2011年8月に12万7000本/日、順調に伸長
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092284127
■ヤクルト販売海外トップの韓国は1日当たり401万8000本です。■
【2011-09-21】
論文の被引用数が多い“スター研究者”を国際比較、日本は免疫学、材料科学、農業科学、生物学・生化学、薬理学・毒性学が強い
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092184098
■スター研究者とは、分野ごとに論文の被引用数が多い世界上位250人までの研究者のことです。■
【2011-09-20】
淡路開催の第32回肥満学会、機能性食品素材の企業発表が相次ぐ
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092084097
■不二製油、ユニチカ、ハウス、森乳、ファンケル、日本水産、林原、花王、アミノアップなど注目発表です。■
【2011-09-20】
アミノアップが30億円で製造棟とエコハウス棟、生産能力はAHCC2倍、オリゴノール4倍
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2011092084096
■機能性素材の生産能力が大幅に増強されました。■
【2011-09-16】
味の素のカプシエイト類は継続摂取で体のエネルギー消費量を増やす、肥満学会で天使大の斉藤昌之教授らが発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1665/
■褐色脂肪は2タイプに分類すると説明しやすいようです。■
【2011-09-16】
販売上方修正の「アサヒTeaO(ティオ)」、ブランド刷新の特長その1は「セイロン茶葉」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1664/
■予想通り「セイロン」を訴求してきました。■
【2011-09-15】
国立健康・栄養研の石見部長ら、エクオールの産生促進成分をNZ産の食材から検索へ、JSTが支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1630/
■エクオールは大豆の成分から生まれる注目成分です。■
【2011-09-15】
「ヘルシア緑茶 すっきり」を花王が9月29日発売、8月22日にトクホ表示許可取得
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1629/
■「すっきり」を実現した技術もいろいろありそうです。■