毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。今日は、前回の2011年9月12日から2週間ぶりでお目にかかります。
 この2週間で取材した展示会・学会は、埼玉県の「日本脂質栄養学会第20回大会」、幕張メッセの「分析展2011/科学機器展2011合同展」、仙台市の「日本食品科学工学会第58回大会」、つくば市の「第5回バイオ関連化学シンポジウム」、つくば市の「第25回カロテノイド研究談話会」などです。来週は福井の「日本育種学会第120回講演会(2011年秋季大会)」も取材する予定です。取材した内容の記事は順次とりまとめ中です。メール末尾に記事リストとコメントを掲載してますので、ご覧いただければと思います。
 この日曜日(2011年9月11日)は、米国の9.11から10年、日本の3.11から半年という節目の日でした。テレビ報道特別番組を視聴するなどしながら、改めていろいろと考えました。宮城方面へも、3.11より後で初めてうかがいました。
 原子力発電所の事故による放射性物質拡散の問題は、社会への影響がますます大きくなっているように思います。放射性物質の生体への影響は、遺伝子への作用が大きな意味を持っていますので、バイオ関連研究者は分かりやすく説明する責任が問われています。たいへん幅広い分野をカバーした情報収集も必要になりますが、「自分の専門領域外なので、分からない」という説明は、許されないと思います。今週発売された文藝春秋2011年10月特別号の特集「原発 私は警告する」で、児玉龍彦・東京大学教授の「除染せよ、一刻も早く」が掲載されました。ごく最近のゲノム研究を踏まえた記載もありました。
 放射性物質に関するアカデミア系などのシンポジウム・講演会などを取材する機会も多いのですが、その大半は「分かりにくい」「物足りない」「つっこみを入れたくなる点が多すぎる」内容に感じます。タコツボ研究者であることを自ら認めるような言動は、とても残念です。
 原子力で飯を食ってきたアカデミア研究者の方々にも放射性物質の生体への影響の最先端についてしっかり情報収集して欲しいし、バイオ研究者にも情報を共有できる取り組みをさらに強化してもらいたいと思います。
 BTJ/日経バイオテク・オンラインでこの半年に報道してきました放射性物質関連の記事リストを以下に掲載させていただきます。
日本化学会主催の放射性物質除染の講演会は会場増設、招待の福島高校生徒7人も参加
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1177/
放射性物質の食品健康影響評価、「閾値がないという考えに立つことを明確に示すためにも、定量的情報を加えた方がいいのでは」と津金国立がん研セ部長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0716/
総合科学技術会議が本会議を開催、次年度アクションプランを決定
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0708/
3300文献、3万ページを検討した食品安全委、健康への悪影響が見いだされる放射線量は累積で100mSv以上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0590/
7月中結論の食品安全委員会放射性物質WGの第9回は7月26日、第8回でウランの不確実係数を100から300に変更
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0548/
日経バイオテク7月18日号「特集」、エピゲノム研究の最前線
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0431/
屋内栽培キノコは福島県産でも心配無用、キノコの放射線量を高崎健康福祉大などが詳細調査
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0208/
日本蛋白質科学会、原子力機構、セシウム結合たんぱく質の作製に取り組む
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9749/
国立がん研究センター、放射性物質による健康影響に関し、個人の被曝放射線量測定装置の配布などを提言
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9620/
農水省、福島県飯舘村の実証試験の圃場でヒマワリとアマランサスの種を播種、微細藻類の利用やバイオ燃料化なども検討
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9361/
マイクロアルジェコーポレーション、陸生藻を用いて原発周辺地域の放射性物質を取り除く技術を提案
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9332/
「輸出額目標年1兆円の環境は原発事故で180度変わった」、農水省の輸出促進室長が講演、1次補正予算1億円余で放射能検査機器を整備
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9324/
東大の秋光准教授ら、エピジェネティックな遺伝子発現制御にRNA分解経路が関与、ChIP-seq活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9121/
核種別文献は計449報、食品安全委員会は5月12日に放射線WGでα核種を議論
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8863/
Pennsylvania大学、福島第1原発の事故の影響の予測に役立つレビューを発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8687/
食品安全委員会の放射線WG座長に東北大学の山添康教授、7月取りまとめに3桁の論文
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8528/
食品安全委員会、放射性物質の食品健康影響評価に関するWG(第1回)を4月21日に開催、19人のうち新規3人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8463/
農産物の産地表示、国産品は都道府県名でなくてもいいことを改めて消費者庁がHP掲載
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8338/
続報・詳報、原発事故で外国籍の研究者が急いで国外脱出、研究戦力ダウンの長続き懸念高まる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8199/
厚労省、食品安全委員会の通知を受けて食品衛生法の放射線物質暫定規制値の検討を進める
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8060/
結論は放射性ヨウ素年50mSvと放射性セシウム年5mSv、食品安全委員会が「放射性物質に関する緊急とりまとめ」を通知
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8036/
国立がん研究センター、「原発事故の健康被害はほとんど心配ない」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8020/
1週間以内に答申へ、「食品衛生法に基づき放射性物質の指標値を定める」食品健康影響評価を食品安全委員会が開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/7918/
【放射線の科学コミュニケーション(5)】5月28日の「食品の放射性物質汚染」緊急シンポに350人参加、一般150人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9323/
【放射線の科学コミュニケーション(4)】5月28日の食品衛生学会緊急シンポ、厚労省の講演「食品中の放射性物質」は中止、魚介類汚染を東京海洋大教授が講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9235/
【放射線の科学コミュニケーション(3)】食品の放射性物質汚染の緊急シンポ、日本食品衛生学会が5月28日に都内で開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8780/
【放射線の科学コミュニケーション(2)】東大理は学校の先生向け勉強会を5月8日に開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8544/
【放射線の科学コミュニケーション(1)】北大CoSTEPの緊急出版書籍へのアクセスは2日間で2万近く、東京のサイエンスカフェもすぐ定員に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8486/
 メール原稿の締め切り時間になりましたので、以下に、最近2週間で直接記事とりまとめを行った記事17本の見出しリストを、取り上げたポイントとともに掲載します。ご参考にしていただければと思います。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※直近2週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの直接担当記事23本
【2011-09-15】
国立健康・栄養研の石見部長ら、エクオールの産生促進成分をNZ産の食材から検索へ、JSTが支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1630/
■エクオールは製薬企業も注目する大豆の成分です。■
【2011-09-16】
「ヘルシア緑茶 すっきり」を花王が9月29日発売、8月22日にトクホ表示許可取得
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1629/
■コーヒーの登場も楽しみです。■
【2011-09-14】
生物資源研と岡山県、理研PSC、複合病害抵抗性遺伝子BSR1でイネやトマト、FOXハンティング法を活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1583/
■FOXはなかなかよいネーミングと思います。■
【2011-09-13】
サッポロが複合耐病性のオオムギ品種「彩の星」を育成、育種学会の注目課題に選ばれる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1560/
■埼玉県で栽培が本格化してきました。■
【2011-09-13】
トマトなどで形質転換せずにエピジェネノックダウン、北大農が育種学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1557/
■遺伝子組換え作物(GMOあるいはGML)に該当しない画期的な育種法といえそうです。■
【2011-09-13】
東大薬、エベクチン2がコレラ毒素の細胞内物質輸送を制御、COS-1細胞を活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1530/
■アフリカミドリザルCOS-1細胞がポイントでした。■
【2011-09-13】
神奈川県立がんセンターなど、がん患者で血中アミノ酸濃度バランスは変動、味の素アミノインデックス技術の成果を論文発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1529/
■がん患者928人の血液を分析しました。■
【2011-09-12】
東京医科歯科大の高柳宏教授ら、RANKLを発現する骨細胞は骨を作り替える指令細胞、単離培養で解明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1527/
■骨細胞の解析は難しいことがよく分かりました。■
【2011-09-12】
キユーピー、乳酸発酵卵白は血中コレステロール下げる、慈恵医大との成果を食品科学工学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1525/
■鶏卵は機能性成分の宝庫と思います。■
【2011-09-11】
ユニチカ、セラミドが経口で表皮セラミド増やす機構解明、代謝産物スフィンゴイドに着目、クラボウや東洋紡の細胞を活用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1504/
■コンニャクイモ素材が、セラミド市場でトップとうかがいました。■
【2011-09-10】
アサヒ飲料と山形大、紅茶ポリフェノール飲料が脂質・糖代謝を改善、タンナーゼ処理で効果高まる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1503/
■セイロン紅茶の研究であることを強調していました。■
【2011-09-09】
食品科学工学会第58回大会が仙台で開幕、技術賞は帯広「とかち野酵母」と長崎「ワンダーリーフ」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1495/
■産学官連携の成果が目立つ学会です。■
【2011-09-07】
東大医が酸性オルガネラ動態を可視化できる蛍光プローブ、分析展/科学機器展2011のJSTブースで発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1437/
■蛍光プローブの研究発展は目覚しいように思います。■
【2011-09-07】
Monsanto社のω3健康大豆、厚労省が食品安全委員会へ評価依頼
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1436/
■日本モンサントからは発表していないようです。■
【2011-09-07】
九大生体防御研の中山敬一教授ら、ユビキチン化酵素FBXL5は鉄代謝IRP2を分解して過剰な活性化を防ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1430/
■定量プロテオミクスで研究がさらに発展しそうです。■
【2011-09-07】
伊藤園がトクホ緑茶「2つの働きカテキン緑茶」を新発売、9月7日からTV-CM開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1411/
■寺島進さん登場のコマーシャルも目だっています。■
【2011-09-07】
花王が体脂肪対策コーヒーのトクホ表示許可を取得、高血圧対策に続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1410/
■コーヒー豆の高騰が続いていますが、コーヒー飲料市場が活性化しそうです。■
【2011-09-06】
北海道初開催の第20回バイオイメージング学会に200人、ベストイメージ賞に浜松医大、がん研、北大、理科大
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1409/
■イメージング技術の進展目覚しく、議論も活発でした。■
【2011-09-06】
キリンがプラズマサイトイド樹状細胞を活性化する乳酸菌を発見、ウイルス感染対策の機能性食品へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1408/
■乳酸菌の機能性研究としては新たな評価系を活用した成果です。■
【2011-09-06】
理研PSCと神戸大、藻類の巨大単一細胞をメタボローム解析、代謝物の局在・移動を把握
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1397/
■巨大単一細胞ならではの解析です。■
【2011-09-06】
フジッコ、黒大豆ポリフェノールの成果を食品科学工学会で5件発表、新素材クロノケアSPを食品開発展で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1395/
■兵庫県の丹波黒は、日本を代表する食材ブランドと思います。■
【2011-09-05】
日本脂質栄養学会第20回大会に300人超、米Monsanto社のω3大豆油の成果発表も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1353/
■酸化安定性に優れたω3を大豆で強化しました。■
【2011-09-02】
九大生体防御研の中山敬一教授ら、細胞分裂を抑えるp57は造血幹細胞の静止期の維持に必要
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1292/
■中山敬一教授はここ2週間で2本、高注目度の論文を発表しました。■