こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 午前中に、幕張メッセで開催されている分析展の取材に行きました。もう少しゆっくり取材したかったのですが、午後からは会議などがあるので、とんぼ返りをしなければなりません。
 先週のメールマガジンでも取り上げましたが、米食品医薬品局と欧州医薬品審査庁がこの夏までに、バイオマーカーを用いた医薬品の開発や、医薬品の処方を決めるために使うコンパニオン診断薬の同時開発などに関するドラフトガイダンスをまとめました。それ以来、米国ではスイスRoche社の黒色腫治療薬「Zelboraf」とそのコンパニオン診断薬「COBAS 4800 BRAF V600 Mutation Test」、米Pfizer社の非小細胞肺がん治療薬「Xalkori」(クリゾチニブ)とそのコンパニオン診断薬「Vysis ALK Break Apart FISH Probe Kit」が同時承認されるなど、実際の事例が相次いでいます。
 さらに米連邦議会では、個別化医療のさらなる推進を目指した法案の提出が検討されているとのことです。日本では協和発酵キリンとファイザーが、コンパニオン診断薬と同時開発した医薬品を申請したことを公表していますが、開発段階を見れば診断薬との同時開発を進めている企業が幾つかあります。
米議会議員、個別化医療推進で法案を再提出へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1364/
中外製薬、抗体2品目をRoche社から導入、フェーズIを開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/1332/
 いずれにせよ、今後、診断薬との同時開発は極めて重要になると思われますので、来週月曜発行の日経バイオテク本誌9月12日号には、医薬品開発受託機関大手であるシミックで薬事コンサルタントをされている島田正夫さんに、両ドラフトガイダンスに関する解説記事を寄稿してもらいました。医薬品や診断薬の開発にかかわっておられる方は、ぜひご覧ください。
 ただ、実際に同時開発を進めようとすると壁は多くありそうです。開発の初期と後期とで診断薬に要求される精度やコストなどは大きく異なってくると考えられます。その2つを同時に市場に出せるよう準備を進めるのは、本当に大変な作業になりそうです。当然ながら企業だけではなく、審査当局と連携を図りながら進めなければ実現は困難でしょう。また、かなり早い段階で共同作業を行うとあれば、やはり別の企業とやるよりも、同じグループ企業の中に製薬部門と診断薬部門があった方がスムーズに連携できるでしょう。
 その観点でいうと、今後、製薬企業と診断薬企業との提携や買収などの動きが活発化していく可能性があります。製薬企業は少し前までは製薬部門への事業の集中が大きなトレンドでしたが、昨今は買収などを通じてジェネリックや診断薬、研究用機器・試薬など周辺分野に事業を拡大する動きが目に付くようになっています。再生医療や化粧品、機能性食品などに乗り出す企業もあり、10年後、20年後の製薬産業がどのような形に向かっているのか、興味深いところです。
 本日は少し雑駁になりましたが、このあたりで失礼します。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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カゴメ、サラヤ、三井化学アグロ、四国総合研究所、ネオ・モルガン、全農など参加、
競争率17倍だった農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)生研センター(BRAIN)
のイノベーション創出基礎的研究推進事業の新規採択課題、
「BTJジャーナル」2011年8月号に掲載しました。
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→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
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 BTJジャーナル2011年8月号を先月末(8月25日)に発行・公開しました。BTJジャーナルは、全文を無料で読むことができます。ぜひご一読いただければと思います。
 最新号(2011年8月号)のダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1108
 “青”コーナー「リポート」は、農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)の生研センター(BRAIN)のイノベーション創出基礎的研究推進事業を取り上げました。2011年度の新規採択課題は15課題で、競争率は17倍を超えました。年55億6500万円という予算規模も魅力です。事業仕分けの結果を受けてNARO傘下の研究機関には一切配分されませんでした。新規採択課題で研究分担者が所属する民間企業はカゴメ、サラヤ、三井化学アグロ、四国総合研究所、ネオ・モルガンの5社でした。研究代表者の所属では、全国農業協同組合連合会(全農)が唯一の民間系でした。
 この記事は、以下のBTJ/日経バイオテク・オンラインの記事をもとにとりまとめました。BTJジャーナルの記事はどなたでも全文をご覧いただけます。PDFマガジンですので、採択課題などを一覧表で見やすく掲載しています。
2011年度予算55億円のBRAINイノベーション創出事業、新規課題の分担企業にカゴメ、三井化学アグロ、ネオ・モルガンなど
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0800/
BRAINイノベーション創出事業の新規15件は競争率17倍超、事業仕分けでNARO研究者への配分は無し
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0799/
※2011年8月号(第68号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年8月号(第68号)
●CONTENTS
JSTのA-STEP「FSステージ」、農水省BRAINのイノベーション創出、
文科省NISTEPの科学技術指標 
P.2 アカデミア・トピックス
大学の成果を実用化へ橋渡し
JSTのA-STEP「FSステージ」
P.9 リポート
BRAINイノベーション創出事業
55億円に17倍、仕分け影響も
P.11 キャリア
NISTEP「科学技術指標2011」
P.12 BTJアカデミック・ランキング
JST・A-STEP探索の創薬がトップ
P.14 広告索引