こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。
 総合科学技術会議(CSTP)は毎週木曜日に、科学技術政策担当の政務官と有識者議員が出席する会合を開催しています。会合の後には会合の内容や科学技術政策について記者会見が開かれるので、出張などで東京にいない場合を除いて、可能な限り出席するようにしています。
 昨日の会見では、CSTPが作成中の「平成24年度科学技術重要施策アクションプラン」について興味深いやり取りがありました。昨日の会合では、アクションプランの最終的な案が提示されました。この中味と、6月29日に公表されたパブリックコメントを募集するための草案を比較すると、競争的資金の執行ルールの見直しについての記述がかなり後退した印象を受けます。
 詳細は近日中に記事を掲載しますが、当初の記述では科学研究費補助金(科研費)全体の基金かを目指すとなっていました。寄せられたパブリックコメントでも、当然ながらその方針を支持するものばかりでした。ちなみに、科研費は今年度から一部項目(「若手研究(B)」「挑戦的萌芽研究」「基盤研究(C)」)が基金化され、予算の執行が複数年度にまたがって行えるようになりました。
 アクションプランの最終案では、この科研費基金化の範囲拡大についての記述があいまいになっています。記者会見ではこの点について質問がありました。事務方の説明によると記述が変更された原因は、基金化に対する財務省の反応にあったようです。
 財政規律の遵守を旨とする財務省の論理からすると、複数年度分を最初に渡してしまう基金化は、公的資金が適切に支出されているかどうかのチェックが働きにくくなるという点で、財政民主主義の原則に反していると映っているそうです。研究者からすればデメリットは何もない基金化ですが、立場が変われば見え方も変わってくるのでしょう。全面基金化は必要以上に研究者を甘やかすことになるという意見もあるようです。