現在、新幹線で台風を目指し、西に向かっております。まったく西方の空は暗く、ときおり強く窓を打つ雨も、台風の気配を濃厚に漂わせています。窓の外を流れる町は、息を潜めています.。
 しかし、こういう時にこそ、妙に張りきってお出かけする癖が学生時代からあります。我に艱難辛苦を与えたまえといった感じです。皆さんの小学生時代のお友達にも一人はこの手の子供がいたはずです。まったく、後3年で還暦だというのに、成長していない。
 昨夜からこのメールでこの歓びをどう表現しようかと苦吟していましたが、適切な言葉が出ない。技量未熟です。なでしこジャパンの快挙を、昨日の早朝の衝撃を、いろいろな表現をしても、気持ちがこぼれてしまいます。「まんがか、映画でしかない終わり方」と、なでしこジャパンのメンバーすら表現したほど、劇的な勝利。ロスタイム後半残り3分の澤選手の同点シュートで、ほぼアメリカは力尽きました。PK戦の前の円陣で、なでしこは信じられないことに皆笑みを浮かべていました。一方のアメリカの選手の表情は追い詰められ、ひきつっていました。最初のPKを止めた海堀のファインセーブと最初のPKを決めた宮間の遠藤選手ばりのゆっくりしたシュートで、世界最高のゴールキーパーであるソロのメンタルは壊れてしまったと思います。早朝でも20%を越えた視聴率、そして日本の勝利を称えて、NYのエンパイアステートビルディングが日の丸色にライトアップされるました。また中国の新聞がアジアの快挙と報道しています。国内外皆で、なでしこの勝利を手放しで歓迎しています。これがまた、本
当に嬉しい。
 なでしこがサッカーという異文化を咀嚼、単なる模倣ではなく、身体が小さく、ドイツやスウェーデンの選手と並ぶと子供にしか見えないチームが、その特徴をとことん追求し、素早さと連携というジャパニーズサッカーを創り上げたことに対する賞賛です。オシム前全日本代表監督もサッカーの日本化こそが、世界に通用する道だと主張しておりましたが、なでしこがそれを身をもって証明しました。今回の勝利で一番プレッシャーがかかったのは、間違いなくザッケローニ監督だと思います。欧米の真似をして例え勝利を掴んでも、我が国民もそして全世界もこれほど賞賛することはないでしょう。
 表彰式で、永里が結婚を発表して、大騒ぎになった模様ですが、これからのなでしこの人生は、キャリアか?結婚か?という選択ではないと思います。澤はサッカーを続けるため、米国人の恋人と別れたと報道されていますが、是非とも結婚も、サッカーも成功していただきたい。何故なら、東日本大震災や政治のメルトダウンで疲弊している日本の復興は、なでしこジャパンのような女性の力が鍵を握っていることは間違いないためです。中でも、ライフサイエンスの研究者は女性が過半を占めています。彼女らが世界と競争して研究開発を進めることができなくては、到底我が国の成長産業であるバイオは成り立たない。しかも、少子高齢化を招いた、結婚や子育てを犠牲とした女性キャリア形成では、我が国の根本問題を解決することは不可能です。女性が元気にならなくては、我が国の復興は不可能であることを、特にバイオ産業の興隆は期待できないことを強く認識しなくてはなりません。
 日曜日は山形県鶴岡市で慶応義塾先端生命科学研究所の10周年シンポがありました。メタボロームやシステム生物学などこの研究所の国際的な業績も誇るべきものですが、私が注目しているのはその出生率の高さです。優秀な女性研究員が夫やパートナーと一緒に、この研究所では思うがまま研究ができる環境が整っています。研究所内には託児所が鶴岡市の支援で設置されており、10人近い子供が保育されています。子供が気になれば、すぐに会える最高の環境で仕事ができます。今年、開所した武田薬品の湘南研究所も製薬企業による巨大研究所としては最後のものとなると思いますが、託児所が充実している点だけは、私は強く評価しています。
 いずれにせよ、いままで必ずしも対等な機会を提供してこなかった日本社会は女性に対していっそうの門戸を開けなくてはなりません。女性の方も、昔の良妻賢母のような受け身の生き方を捨て、力強く自らの手で人生を切り開いていく新しい撫子に成長しなくてはなりません。なでしこジャパンの活躍は、日本人に勇気を与えたばかりでなく、日本の女性に自らの価値を確信させるものであったと、私は思っております。佐々木監督のように、目覚めた撫子達と付き合うデリカシーと思慮深さを私たちも身につけなくてはなりませんね。男子諸君も一層の奮闘が必要です。
 さて、こう書いていると友人からメールが。我が国の復興は女性からは大賛成だが、報奨金が全日本代表の一人3500万円に比べて、100万円とか150万円とか言われているが、低すぎるのではないか。誠にその通り、報奨金の増額に加え、女子サッカーリーグを事業として発展させ、まともな給料を払うビジネスモデルを作り上げなくてはなりません。女性も競技場に勿論、足を運ばなくてはなりません。プロスポーツで、男性の独占を許すままでは、世の中は変わりません。
 もうすぐ名古屋です。雨はどんどん凄まじさを加えています。本当に、帰れるのか? 皆さんは、どうぞお元気で。
             Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
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<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
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2011-07-13    
BTJブログWmの憂鬱2011年07月13日、スーパー特区制度で医療技術突破の商業化が大きく前進、震災の影響がある今こそ研究開発と規制緩和を組み合わせた
ウルトラ特区を
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0325/
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2011-07-11   
BTJブログWmの憂鬱2011年07月11日、復興資金捻出のため、国家の成長の基盤となる科学研究費も一律カットで本当の復興はなるのか
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0284/
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石川県立音楽堂で若手研究者らが異分野間のシンフォニーを奏でる
5月末の日本分子生物学会第11回春季シンポジウムを「BTJジャーナル」
2011年6月号に掲載
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→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
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 BTJジャーナル2011年6月号を先月末(6月24日)に発行・公開しました。BTJジャーナルは、全文を無料でお読みいただけます。ご一読ください。
 最新号(2011年6月号)のダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1106
 “赤”コーナー「キャリア」は、日本分子生物学会(MBSJ)の第11回春季シンポジウムを取り上げました。「分子生物学の明日―金沢シンフォニー」というテーマで2011年5月25~26日に金沢市で開催され、390人が集まりました。会場となった石川県立音楽堂で若手研究者らが異分野間のシンフォニーを奏でました。第12回は2012年4月に山梨県の石和温泉で開催されます。
 この記事は以下のBTJ/日経バイオテク・オンラインの記事をもとに構成・編集しました。
日本分子生物学会の第11回春季シンポジウムが金沢で開幕、350人の参加見込む
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9257/
MBSJ第12回春季シンポは2012年4月に山梨県で、テーマは「トランスレーショナル分子生物学~新世代への知の継承~」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9264/
MBSJ春季シンポ、オーファン酵素の基質を次々解明、中山敬一・九大教授が質量分析計12台で新プロテオミクス
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9387/
東大、X線結晶解析と化合物ライブラリーでオートタキシン阻害剤、がん細胞の遊走阻止薬へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9481/
 以上の記事は、全文をご覧いただくには日経バイオテクの有料読者になっていただく必要があります。
 一方、BTJジャーナルの記事は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、記事全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひご一読いただければと思います。BTJ編集長 河田孝雄
※2011年6月号(第66号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年6月号(第66号)
●CONTENTS
東日本大震災と夏期節電対策、エピジェネティクス研究会 MBSJ春季シンポジウム
P.2 アカデミア・トピックス
7月1日からの夏期節電対策
理研は独自技術も実用化
P.6 リポート
熊本に「アカデミック交差点」
エピジェネ研究会に400人
P.9 キャリア
金沢で研究者シンフォニー
MBSJ春季シンポに390人
P.12 BTJアカデミック・ランキング
山中教授「魔法の因子」がトップ
P.14 広告索引