毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。前回の2011年7月1日から2週間ぶりでお目にかかります。
 先週梅雨が明けて、猛暑が本格化しました。これから先まだ2カ月ぐらい、節電の中での熱中症対策が重要な課題となります。
 日常生活の節電では、照明のLED化が進められており、先月は白熱電球の販売をLEDが上回ったという報道もありました。
 消費する電力のうち、直接熱に変わる比率が少ないほど、省電力の照明といえます。現時点ではLEDが優れた性能といえるのですが、LED照明の眼への影響も気になるところです。
 こんな中、今週水曜日(7月13日)には、機能性アイウエア(メガネ)を新発売するというジェイアイエヌの発表会がありました。ドライアイ対策メディカル・アイウエアの開発に関わった慶應義塾大学医学部眼科学の坪田一男教授や、PCやスマートフォンなどのモニター・ディスプレイから発生するブルーライトの脅威から眼をプロテクトするアイウエアの効果を検証した南青山アイクリニック東京の井出武副院長らが、この発表会で登壇しました。
 ブルーライトは、可視領域内の380~495nmの光で、網膜まで到達し、網膜の機能性かを引き起こすといわれ、近年増加傾向にある黄斑変性症の要因と指摘されているとのことです。LEDを利用したディスプレイの登場により、青色成分が含まれる割合の高い光源が増加しており、専門家からも眼に与える影響が懸念されているとのことです。
 現在のところ、ブルーライトをカットするメガネ・サングラスの着用が最も効果的とのことです。
 この対策用のアイウエア「J!NS PC」は、2011年10月初旬に3990円で発売になります。日本マイクロソフトでの先行導入が決定したとのことです。
 さて、健康影響というと、今週は月曜日(7月11日)から水曜日(7月13日)まで、パシフィコ横浜で、第38回日本トキシコロジー学会学術年会が開催され、「毒作用発現におけるマイクロRNAとエピジェネティクスの役割」などのシンポジウムが行われました。
 ブルーライトの網膜への影響についても、このような最先端の解析技術が不可欠になってくるのではと思います。
 このトキシコロジー学会では「iPS細胞等多能性幹細胞を用いた創薬支援技術の最新動向」を水曜日午前中に取材しまして、記事をとりまとめ中です。
 メール原稿の締め切りが近づいてきました。ここ2週間で直接とりまとめた記事リストを、以下に注目点とともに掲載します。
 この中で一番良く読まれているのは、インパクトファクターの記事です。
Nature Biotechnology誌とNature Nanotechnology誌の最新版インパクトファクターが30超、Natureリサーチ姉妹誌の30超は計3誌に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0180/
 米Thomson Reuters社(日本オフィス:トムソン・ロイター)が2010年版インパクトファクター(IF)を発表しました。
 年に1度更新されるIF数値の動向を見ると、Nature誌の姉妹誌では、カテゴリーが「生物学・応用微生物学」のNature Biotechnology誌の2010年版IFが31.085、「ナノサイエンス・テクノロジー」のNature Nanotechnology誌の2010年版IFが30.306と、初めて30を超えました。オリジナル論文が掲載されるNatureリサーチ姉妹誌18誌のうちIFが30を超えたのは「遺伝学」のNature Genetics誌(同36.377)に続くものです。
 この記事では、主なNature姉妹誌のIFの推移を掲載しました。
 それから今週は、日経バイオテクの特集記事で、エピゲノム研究をまとめました。第2の遺伝暗号「ヒストンコード」仮説は魅力的と思います。
 メール原稿の締め切り時間になりましたので、以下に、最近2週間で直接記事とりまとめを行った記事15本の見出しリストを、取り上げたポイントとともに掲載します。ご参考にしていただければと思います。
※直近2週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの直接担当記事
【2011-07-13】
大塚化学出資のオーガンと東京理科大、再生歯ユニットで歯・歯周組織を包括的に再生、PLoS ONE誌に発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0304/
■歯の周囲組織も含めて包括的に再生できるのに驚きでした。■
【2011-07-12】
長野県JA中野市が「エノキ氷」の効果実証へ、高崎健康福祉大と聖マリアンナ医科大らが実施
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0309/
■内臓脂肪を減らすエノキタケの効用に注目です。■
【2011-07-12】
第6回ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞の生命科学分野は東大薬の水沼未雅氏と広大理の森田真規子氏、東北大に特別賞
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0308/
■特別賞のプレゼンターとして黒木メイサさんが登壇しました。■
【2011-07-12】
製薬業界の研究開発費は2年連続で減少、トムソン・ロイターが「2011年版 製薬R&Dファクトブック」を発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0305/
■2010年の研究開発費は、過去3年間で最低となる推定680億米ドルだったとのこと
です。■
【2011-07-11】
理研オミックス領域、ケモカインCCL2がES/iPS細胞の万能性維持に重要、Stem Cells誌で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0283/
■ES/iPSの実用化に向けた成果。CCL2(MCP-1)が万能性維持に重要と分かりました。■
【2011-07-08】
埼玉医大とJST、c-Myc無しでもES細胞が多能性を維持、MAPKとGSK3βの阻害剤添加が有効
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0240/
■培養条件によってはこのc-Mycの働き無しでも多能性を維持できることが示され
ました。■
【2011-07-07】
不妊治療に用いられる顕微授精技術は遺伝子の5%で発現量に影響、東京医科歯科大などが論文発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0241/
■顕微授精で誕生した人は日本で6万人を超えているとのことです。■
【2011-07-07】
「納豆の日」に被災地で水木一郎氏が新曲
「ヒーローはNever ねば Give Up!」披露、アニメにはイソフラ登場
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0238/
■7月10日は納豆の日でした。日本が世界に誇る食文化の代表です。■
【2011-07-07】
日本製紙、高機能茶「サンルージュ」の苗木生産拠点を徳之島に開所
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0234/
■挿し木苗増殖技術である「光独立栄養培養技術」が威力を発揮します。■
【2011-07-06】
屋内栽培キノコは福島県産でも心配無用、キノコの放射線量を高崎健康福祉大などが詳細調査
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0208/
■放射線物質対策ではこのような小まめな調査が大切です。■
【2011-07-05】
理研BSIと同志社大、滋賀医大他、アミロイドβ亜種Aβ43はアルツハイマー病の強力な病態促進因子
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0187/
■これまで注目されてこなかった亜種が重要と分かりました。■
【2011-07-05】
AKB48劇場で常盤薬品が記者発表会、“オトナのコラボ”でカテゴリーNo.1「眠眠打破」の売上高1.3倍へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0186/
■AKB劇場は、秋葉原のドンキホーテのビルの最上階にありました。■
【2011-07-05】
理研と東大、大日本住友他、C型慢性肝炎に起因する肝がん発症リスク2倍のSNP、膀胱がんで重要なDEPDC1のファミリー
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0185/
■日本人のC型慢性肝炎患者ではDEPDC5遺伝子多型が肝がんの発症と関連すると分かりました。■
【2011-07-05】
Nature Biotechnology誌とNature Nanotechnology誌の最新版インパクトファクターが30超、Natureリサーチ姉妹誌の30超は計3誌に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0180/
■基本的にIFはインフレ傾向にあります。■
【2011-07-04】
理研PSC、乾燥・塩ストレス応答を制御する植物ホルモンに相互作用、ストレス耐性植物の開発へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2008/0149/
■植物の包括オミックス研究から成果が生まれています。■
 梅雨が明けて猛暑はまだ始まったばかり。これから2カ月くらい続きます。節電対策の記事をBTJジャーナル2011年6月号に掲載しています。ご覧いただければと思います。
 BTJジャーナル2011年6月号のダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1106
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。皆さんのおかげで2011年1月号で創刊まるまる5周年の第61号を迎えることができました。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄