毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。前回の2011年6月3日から2週間ぶりでお目にかかります。
 いよいよ暑い夏が本格化します。この夏に向けた節電対策の進捗のほうはいかがでょうか。
 理化学研究所などに対策をうかがった内容を順次、シリーズ記事にとりまとめております。以下の記事をご覧ください。これらに続き、実験動物の飼育施設の電力消費量を2~3割も削減し得るという、新たな技術開発の記事もとりまとめ中です。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの節電対策関連記事
続報、【節電対策(1)】夏期休業日の設定を理研とAISTが相次ぎ発表、AISTに3割削減のポスター
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9665/
【節電対策(2)】理研横浜研、第2次補正予算でコジェネ整備へ、シーケンサー2台稼働分
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9689/
【節電対策(3)】つくば市で6月17日に「節電大会」、グリーンカーテン用ゴーヤ苗を1000人にプレゼント
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9714/
【節電対策(4)】シーケンス受託実績が前年比1.8倍の理研横浜研オミックス領域、27から30%の節電達成へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9745/
【節電対策(5)】理研横浜研SSBC領域は36%節電、NMR稼働は34台のうち9台減らす
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9748/
 7月1日から9月22日の2011年夏期に、契約電力500kW以上の大口需要家に対して、使用最大電力量を昨夏より15%抑制するという政府の方針は、日常の仕事で思わぬところにも影響が及んでいます。
 モバイルのパソコンをいつも持参していて取材の合間、移動時間にパソコン作業をしているのですが、充電の電源を確保できる場所が、このところ大幅に減ってきてしまっているのです。
 ノートパソコンのバッテリーは新品を購入した時点では10時間以上持つため、昼間ずっと充電なしで使うことができましたが、だんだんとバッテリー性能が低下します。新たなバッテリーを購入してから1年以上経過した現在では2時間ももたない状況です。
 手軽に飲み物や食べ物を補給できるお店で、電源使用を認めているチェーンなどがいくつかあり、利用しているビジネスパーソンの姿が目立ちます。
 このところ、その電源コンセントが使用できないように変更になったお店が目立ちます。スーパーなどの大型店舗でも、コンセントの閉鎖が目立ちます。
 持続時間が長く、充電効率が高いバッテリーの進化を切に望みます。
 昨日(6月16日)は、東京大学本郷キャンパスで開催された第25回環境ホルモン学会講演会「エピジェネティクスから探る発生から疾患までの制御」を取材しましたが、会場の山上会館ではパソコンの電源を確保できたため、バッテリーの心配をせずに、パソコンの作業を進めることができました。環境ホルモン学会が「エピジェネティクス」をテーマとした講演会を開催するのは今回が初めてとのことです。
 コーディネーターは、国立環境研究所の環境健康研究センターの野原恵子・分子毒性機構研究室長がお務めになられました。野原室長らの発表は、5月に熊本市で開かれた第5回日本エピジェネティクス研究会年会で拝見していました。
 国立環境研究所から東大に異動なさった遠山千春・東京大学大学院教授も昨日の講演会会場にお見えでした。遠山教授は、食品安全委員会「放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ(WG)」の専門委員もお務めです。昨日16時からはこのWG第5回が開催されました。
 放射線は、社会問題として広がる一方です。学校の屋外プールの水については文部科学省が6月中にも利用してもよい放射線量の基準を公表します。海水浴場の放射線量基準値は、環境省が6月下旬には決定して各自治体に通知する方針を6月14日に発表しました。
 このような決定をする度に、放射線の健康影響に詳しいとされる専門家の方々が召集され、またたいへんな時間を割くことになります。
 放射線とエピジェネは深い関係があります。エピジェネ分野のアカデミア研究者の社会貢献・還元も、ますます求められることになりそうです。
 6月16日の講演会には、現代化学2011年5月号掲載の「放射能汚染が未来の世代に及ぼす影響」の著者も参加していました。
※関連記事
「アカデミック交差点」第5回日本エピジェネティクス研究会に400人、第6回は東京、第7回は奈良
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9155/
核種別文献は計449報、食品安全委員会は5月12日に放射線WGでα核種を議論
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8863/
続報、英Edinburgh大、東大、対連合学習の能力を迅速に評価できるラット実験法を確立、ヒトが街の地図を覚えるのに類似
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/3234/
 ここで、メール原稿の締め切り時間になりました。
 以下に、最近2週間で直接記事とりまとめを行った記事15本のリストを、取り上げたポイントとともに掲載します。ご参考にしていただければと思います。
※直近2週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの直接担当記事
【2011-06-16】
【節電対策(5)】理研横浜研SSBC領域は36%節電、NMR稼働は34台のうち9台減らす
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9748/
■外部機関への装置移転も含め、NMRの稼働台数を大幅に減らします。■
【2011-06-16】
【節電対策(4)】シーケンス受託実績が前年比1.8倍の理研横浜研オミックス領域、27から30%の節電達成へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9745/
■理研OCSではいち早く、節電対策をとりまとめ実行に移しているようです。■
【2011-06-16】
春の褒章発表、紫綬褒章は河岡義裕氏、浅野泰久氏、近藤孝男氏、中尾一和氏、北川進氏ら25人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9715/
■震災の影響で6週間遅れの発表になりました。■
【2011-06-16】
【節電対策(3)】つくば市で6月17日に「節電大会」、グリーンカーテン用ゴーヤ苗を1000人にプレゼント
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9714/
■4月27日に理研筑波研究所を訪れた野依良治理事長も、この取り組みの推進役のようです。■
【2011-06-15】
東農大の喜田聡教授ら、記憶能力が向上した組み換えマウス作製、CREB-BDNF情報伝達経路は記憶障害疾患の創薬の標的に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9712/
■長期記憶のみならず短期記憶も向上することを見いだしました。■
【2011-06-15】
【節電対策(2)】理研横浜研、第2次補正予算でコジェネ整備へ、シーケンサー2台稼働分
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9689/
■大震災の直後から自家発電設備の整備を進めている研究者もいます。■
【2011-06-14】
続報、【節電対策(1)】夏期休業日の設定を理研とAISTが相次ぎ発表、AISTに3割削減のポスター
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9665/
■電力消費量が特に多い東京大学でも3割という方針が打ち出されています。■
【2011-06-11】
海洋研究開発機構、DHSリアクターで「ちきゅう」の八戸沖掘削コア試料からメタン生成菌を高効率培養・分離、海底下のバイオガス発生機構解明へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9622/
■排他的経済水域(EEZ)が世界6位という日本の海底資源が注目されています。■
【2011-06-11】
東大先端研、転写因子GATA2の標的因子はendomucin、ChIP-seqとエピジェネの成果を論文発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9621/
■GATA2たんぱく質を認識する良好な抗体を独自に取得したことが、この論文に結実
しました。■
【2011-06-09】
花王がエコテクノロジーリサーチセンターを開所、植物・バイオマス研究棟の温室は一般見学も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9598/
■花王エコラボミュージアムと合わせた設備投資額は総額約160億円です。■
【2011-06-09】
京大と産総研、転写因子Glis1で安全なiPS細胞を高効率作製
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9576/
■山中伸弥さんと五島直樹さんのお2人が論文の責任著者です。■
【2011-06-07】
理研と高輝度光科学研究センター、SACLAで世界最短波長のX線レーザー発振、性能向上で2011年度内に供用運転へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9546/
■世界に誇れる性能を発揮しつつあるようです。■
【2011-06-07】
JSTが米Thomson Reuters社のオンライン論文投稿・査読ツールを採用、まず64誌で使用開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9528/
■高収益な学術論文システムが進化しています。■
【2011-06-04】
東大、X線結晶解析と化合物ライブラリーでオートタキシン阻害剤、がん細胞の遊走阻止薬へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9481/
■X線結晶構造解析と化合物ライブラリー、蛍光イメージングの組み合わせが大学発
の創薬を強力に推進しています。■
【2011-06-03】
理研RCAI、Bリンパ球の免疫応答をリアルタイムで可視化、細胞分化の場所と細胞移動経路を特定
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9450/
■バイオイメージング技術が威力を発揮しています。■
 最後に、先月末に発行・公開したBTJジャーナル2011年5月号の紹介をさせていただきます。巻頭の緑コーナー“アカデミア・トピックス”では、東日本大震災からの復旧を急ピッチで進めているつくば市の大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光施設(PF)の取り組みを、東日本大震災のバイオ研究への影響リポート第3報として掲載しました。
 KEK-PFはたんぱく質のX線結晶構造解析などの東日本の拠点です。原子力発電所の事故による電力供給不足への対応も迫られています。兵庫県のSPring-8など全国の放射光施設がKEK-PFを支援しています。
BTJジャーナル2011年5月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1105
※2011年5月号(第65号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年5月号(第65号)
●CONTENTS
大震災からの復旧と構造生物学 KEK-PF 健康栄養研究の論文分析 ドイツ・
イノベーション・アワード 東レ科学技術賞・研究助成
P.2 アカデミア・トピックス
大震災からの復旧急ピッチ
節電への対応にも苦慮
P.4 リポート
NISTEPが健康栄養研究分析
日本の歴史的変遷も解明
P.8 キャリア
ドイツ・イノベーション賞
東レ科学技術賞、研究助成
P.16 BTJアカデミック・ランキング
NEDO助成金の不正受給がトップ
P.17 広告索引