こんにちは。水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 日曜日に静岡市で開催されたマリンバイオテクノロジー学会を取材してきました。「微細藻類の生産性」に関するシンポジウムがあったので勉強方々取材させていただいたのですが、低コストでかつ安定生産を実現するまでにはまだまだ克服しなければならない課題が山積していることを実感しました。
 米国発のニュースをチェックしていると、このところ藻類の話題が相当盛り上がっているという印象を受けます。ここ2週間ぐらいに日経バイオテク・オンラインに掲載しただけでも、以下の4つの話題がありました。
OriginOil社、藻類抽出の大規模システムをオーストラリアMBD Energy社より受注
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9362/
Cellana社、藻類バイオ燃料の副産物から動物飼料の開発でUSDAとDOEから助成金獲得
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9123/
OriginOil社、合弁会社Ennesys社がフランスで藻類プロジェクトを展開
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9122/
Solazyme社とBunge社、トリグリセリドオイル生産に向け共同開発契約を締結
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8974/
 それで、微細藻類への期待が高まっているのは日本でも同じかなと思って学会に行ってみたのですが、思った以上に冷静な議論をされているという印象を受けました。思うに、技術課題が山積している状況は日本も米国も変わらないのでしょう。ただ、将来の可能性がありそうだとなるとベンチャーが設立され、多少大風呂敷であっても話題を作って投資家からお金を集めて盛り上げていく米国型のやり方と、大企業の中でこつこつと技術開発を進める日本型のやり方の違いが現れているように思います。どちらのやり方が着実に技術を育てていくのに適しているのか。専門メディアの立場で見守っていきたいと考えています。
 このシンポジウムに関する記事は後ほど日経バイオテク・オンラインに掲載する予定です。シンポジウムの中で藻類ベンチャーのマイクロアルジェコーポレーションの竹中社長が、陸生の藻類を用いて福島第一原子力発電所の周辺の土壌から放射性物質を取り除ける可能性があるとして、基礎的な検討データを紹介されていたので、シンポジウムの議論とは別に記事を掲載しました。
マイクロアルジェコーポレーション、陸生藻を用いて原発周辺地域の放射性物質を取り除く技術を提案
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9332/
 ちなみに、農林水産省は土曜日に福島県の飯舘村と川俣町で、土壌から放射性物質を除去(除染)する実証試験を開始しました。農林水産大臣が福島県の飯舘村に行って会合に参加し、ヒマワリの種をまいたことがテレビや全国紙などでも報道されていたのでご存知の方も多いと思います。もっとも、除染の技術の第一は表土削り取りなどの物理的方法、第二は吸着剤などを用いた化学的方法で、ヒマワリなどの植物に吸収させる生物的方法は汚染度の低い地域で検討するということではありますが、バイオレメディエーションにもそれなりの期待がかかっています。今回の飯舘村と川俣町の実証試験は8月をめどに検証する予定なので、ヒマワリとアマランサスの種をまいたということですが、今後、ナタネや藻類の利用なども検討する考えのようです。こういう場面でも、バイオテクノロジーの利用が広がるといいですね。
農水省、福島県飯舘村の実証試験の圃場でヒマワリとアマランサスの種を播種、微細藻類の利用やバイオ燃料化なども検討
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/9361/
 最後に、このメールマガジンでも何度か紹介してきましたが、6月17日午後に、東京・品川のコクヨホールで開催する分子標的薬のBTJプロフェッショナルセミナーのご案内です。この機会に分子標的薬の最前線の情報に是非、触れて下さい。皆様の参加をお待ちしています。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/110617/
 本日はこの辺りで失礼します。
 当編集部でも、ツイッターでゆるゆるとつぶやいています。本当にゆるゆるですが、ご興味がある方はぜひご覧ください。
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東日本大震災からの復旧と構造生物学をBTJジャーナル2011年5月号に掲載
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、放射光施設(PF)の運転停止期間中に支援する共同利用実験の実施内容を5月13日に発表
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 BTJジャーナル2011年5月号を先月末(5月25日)に発行・公開しました。BTJジャーナルは、全文を無料でお読みいただけます。ご一読ください。
 最新号(2011年5月号)のダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1105
 巻頭の“緑”コーナー「アカデミア・トピックス」は、東日本大震災のバイオ研究への影響リポート第3報として、震災の影響を受けている構造生物学の記事をまとめました。たんぱく質のX線結晶構造解析などの東日本の拠点である高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光施設(PF)は、地震被害からの復旧を急ピッチで進めています。原子力発電所の事故による電力供給不足への対応も迫られています。兵庫県のSPring-8など全国の放射光施設がKEK-PFを支援しています。
 5月13日には、PFの運転停止期間中に支援する共同利用実験の実施内容をKEKが発表しました。SPring-8が受け入れる実験課題の予定は104件で、そのうち71件が生命科学分野。SPring-8内にある大阪大学蛋白質研究所のBL44XUでも9件の課題が生命科学分野です。
 以下のBTJ/日経バイオテク・オンラインの記事2本をもとに編集しました。BTJジャーナル2011年5月号のP.2~3にてご覧ください。
【震災からの復旧】バイオ課題のニーズ大、2011年秋からの実験再開を目指すKEK放射光施設(PF)がユーザーアンケート
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8643/
【震災からの復旧】結晶構造生物学の東日本拠点、高エネ研PFは通電チェック開始、2011年秋に実験再開へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8642/
 BTJジャーナルは、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、記事全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひご一読いただければと思います。BTJ編集長 河田孝雄
※2011年5月号(第65号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年5月号(第65号)
●CONTENTS
大震災からの復旧と構造生物学 KEK-PF 健康栄養研究の論文分析 
ドイツ・イノベーション・アワード 東レ科学技術賞・研究助成
P.2 アカデミア・トピックス
大震災からの復旧急ピッチ
節電への対応にも苦慮
P.4 リポート
NISTEPが健康栄養研究分析
日本の歴史的変遷も解明
P.8 キャリア
ドイツ・イノベーション賞
東レ科学技術賞、研究助成
P.16 BTJアカデミック・ランキング
NEDO助成金の不正受給がトップ
P.17 広告索引