毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。2週間ぶりでお目にかかります。
 巨大地震による被災地の復興を祈念するとともに、原子力発電所の事故に起因する放射線物質問題のいち早い安定化を願っております。
 16年前の1995年1月17日に発生した阪神大震災に伴う復興土地区画整理事業が2011年3月28日に完了したとのことです。復興に向けた取り組みには長い年月を要することが改めて思い知らされました。
 風評被害の1つとして、海外の政府が日本からの退避などを自国民に勧めたことがとりだたされています。外食産業やものづくりの工場などで、いわゆる外国人の日本国外への退避によって、労働力が低下していることが報道されています。
 最先端の研究の現場も、この事態と無縁ではいられません。母国政府がチャーターした飛行機で帰国したなど、外国籍の研究者の方々がいち早く帰国したことをうかがいました。3割くらいの方が帰国したままなかなか日本に戻ってきていないという研究機関もあるようです。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
続報・詳報、原発事故で外国籍の研究者が急いで国外脱出、研究戦力ダウンの長続き懸念高まる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8199/
 この面でもリスクヘッジが必要なのだと今回考えさせられました。インフォマティクスの部分はクラウドを利用して、世界中のどこででも研究を行えるという体制を構築しやすいと思うのですが、実際に手を動かして生物や細胞などの解析を行う場合には、研究の場の分散化は進めにくいのではと思います。巨大地震と津波、それに停電などによって、貴重な遺伝資源を失ってしまったという痛ましい話も各所でうかがっております。
 今週水曜日(4月13日)には、東京ビッグサイト(東京・江東)に3月11日後に初めて行きました。ただいまイメージングの取材を進めており、東展示棟で開かれている展示会のブース取材が目的でした。
 東京ビッグサイトの西展示棟は、展示会場としては閉鎖されていました。被災者の方々の生活の場となっていました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
東京ビッグサイトで3月開催予定だった第1回東京ヘルスコレクション、開催は6月以降に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/7912/
第28回日本医学会総会、東京国際フォーラムなどで開催予定だった学術講演・展示は一部をDVDおよびオンラインで実施
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/7888/
 外部者は入れないように総合受付がありました。人工の桜の木が入り口から見えました。被災者の方々は、ネームプレートを首から下げていたように見受けました。普段の生活にできるだけ早く戻られることを願ってやみません。
 ここで最近2週間で直接記事とりまとめを行った記事リストを掲載します。ご覧いただければと思います。
※直近2週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの直接担当記事
【2011-04-13】
論文被引用数の日本研究機関ランキングをThomson Reuters社が発表、JSTや理研など政府系の国内順位は上昇
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8343/
■昨年に続き、すべての分野で日本の機関が世界トップ5に入りました。 ■
【2011-04-13】
文部科学大臣表彰の若手科学者賞、82人のうち43人がバイオ関係、所属組織は京大7人、九大6人、東大と阪大が4人、理研は3人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8342/
■若手科学者賞の発表は毎年楽しみにしています。■
【2011-04-13】
科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者を文科省が決定、震災への配慮で表彰式は行わず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8340/
■震災への配慮で表彰式は行わないことが決まりました。■
【2011-04-13】
農産物の産地表示、国産品は都道府県名でなくてもいいことを改めて消費者庁がHP掲載
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8338/
■風評被害の対策強化は大切です。■
【2011-04-13】
日本学士院賞9件が決定、バイオ関連は谷口直之・理研GDと宮園浩平・東大教授、授賞式は調整中
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8337/
■例年6月に開催されている授賞式は調整中とのことです。■
【2011-04-13】
生体分子計測研、金沢大学の安藤敏夫教授が開発したCCDハイビジョン高速AFMを商品化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8315/
■イメージングの技術進歩は目覚しいです。■
【2011-04-12】
山口大の研究開発委託費等の不適正経理処理の措置を経産省が発表、5課題中4課題がバイオ関連
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8314/
■文部科学省の場合には研究者の氏名は公表されないのですが。■
【2011-04-06】
続報・詳報、原発事故で外国籍の研究者が急いで国外脱出、研究戦力ダウンの長続き懸念高まる
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8199/
■外国人の帰国問題は、外食産業で大きく報じられています。■
【2011-04-04】
慶大医の柚崎通介教授ら、D-セリンがδ2受容体に結合してシナプスでの運動記憶・学習を促進
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8141/
■記憶・学習の分野のさらなる発展が楽しみです。■
【2011-04-02】
バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)が発足、基盤技術開発1件、統合化推進10件を採択、研究統括にエーザイ、研究アドバイザーに新日鉄ソリューションズと大日本住友製薬
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8138/
■バイオ研究を強力支援する永続的な組織としてスタートしました。■
【2011-04-01】
東大と名大、ウニ精子が障害物を回避して遊泳を続ける機構を解明
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8096/
■生命の神秘を改めて感じます。■
 最後に、先月末に発行・公開したBTJジャーナル2011年3月号の紹介をさせていただきます。この東日本大震災の記事を特集しました。巻頭の緑コーナー“アカデミア・トピックス”で、5ページにわたりオンラインで報道した記事を掲載しています。全文を無料でご覧いただけます。ご一読いただければと思います。
BTJジャーナル2011年3月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1103
※2011年3月号(第63号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年3月号(第63号)
●CONTENTS
東日本大震災 論文発表のコツ 日本学術振興会賞
P.2 アカデミア・トピックス
東日本大震災で春学会中止相次ぐ
要旨集発行で学会発表は成立
P.7 リポート
アカデミアの研究業績決定版
国際ジャーナル論文発表のコツ
P.9 キャリア
第7回日本学術振興会賞
第7回日本学士院学術奨励賞
P.11 BTJアカデミック・ランキング
日本学術振興会賞がトップ