東京は桜が満開です。どんな年にも桜は咲きます。震災のため、露天風呂を閉鎖していた宮城県のお気に入りの旅館も、4月10日から岩風呂を再開いたしました。
 震災のためずれ込んでいましたが、若葉の頃の5月6日から入学式と授業再開の詳細を、先週金曜日に、東北大学は決めました。1ヶ月遅れですが学園にも若者が戻ってきます。
 東北大学は直接的は被害だけでも700億円以上であると言われています。この数字には、高額の科学機器を除き、日経バイオテク編集部の現地レポートで最も震災に弱かったとされた顕微鏡などの損害はカウントされていません。こうした被害も考えると、1000億円近い損害を被った可能性があります。勿論、人命と被災地での生活支援(第四次災害の防止)が最優先ですが、震災から一ヶ月経った今、復興のグランドプランを建てる時に、復興の中心となる大学(人材練磨と技術革新の場)を決して忘れてはなりません。長期わたる復興には、若き人材と新しきアイデアの投入が不可欠です。東北大学を中心に東北各県、そして国内外の大学が総力を挙げなくてはならないからです。
 更に、東日本の被災地域を復興させるだけでは不十分だと考えています。元通りに復するのではなく、21世紀型の自然との調和と経済の成長、そして安全・安心を実現する新しい日本をここから創り上げる努力をしなくてはなりません。昨年の10月にスーパー堤防を無駄だと仕分けせざるを得なかった国家財政の破綻は被災によっても悪化することはあっても好転することは望めません。となると、我が国の美しい海岸線をコンクリート漬けして、環境と住民(巨大堤防の閉塞感は相当なダメージ)にストレスを与えつつ、今回の悲劇を防ぎ得なかった20世紀型の復興モデルの絵は、復興構想会議が書けるでしょうが、また予算不足で仕分けられるという不徹底に終わることは歴史が教えるところであります。
 復興だけでは不十分、未来を創造するため周知を集めなくてはなりません。地域と日本の創造と呼ぶべきなのかも知れません。皆さんの心ももう変わっているはずです。今までの大きい事はよい事だという物質的な成長主義が破綻、エネルギーや物財の消費をより低く、自然環境と調和しながら、付加価値、つまり人間の幸福を増大させる新しい日本を創らなくてはなりません。被災地から離れた東京や西日本でも、今までのライフスタイルや仕事のあり方の再検討がもう始まっています。トヨタ自動車が創造した看板システムや一極に財も人も集中させた首都圏のあり方、西日本と東日本で交流サイクル数の異なる送電システム、電力会社の地域独占、会議ばかり新設して動かない政府など、20世紀モデルの大たな卸しを私たちもしなくてはなりません。効率だけの追求から、持続可能性と付加価値の増大を融合させる新しい価値観に基づく、仕分けが必要になるのです。
 勿論、大学も今までのような大学に復興するだけでは不十分。東北大学は、地域創造のモデルを生んだ大学として歴史に刻まれるよう努力しなくてはなりません。東北大学もそのそのための人材を国内外から結集させるべきだと思います。大学人だけでも不十分。あらゆる人材が地域創造のために、大学を結集させる仕組みとリーダーシップをまず創造しなくてはなりません。国も絶対に支援を惜しむべきではないでしょう。
 サッカーJ1ではベガルタ仙台のマルキーニョス選手、モンテディオ山形のウーゴ選手が先週の余震の後に相次いで退団を発表しました。地震のない国の選手や家族にとって、東日本大震災は確かに驚愕すべき衝撃だったと思います。実は、研究機関や大学からも東日本大震災後に外国人の頭脳流出が続いています。東北大学などの東北地域の大学や下水システムの崩壊で研究に制約がかかっている筑波地域の大学・研究機関では、日本人の優秀な頭脳にも、海外移籍の勧誘のメールが殺到しています。
 研究か?地域の創造か? ハムレットのごとく心揺れる研究者も多いと推察しています。この際、大学の人事制度を柔軟化して、つまりサッカーのレンタル移籍のような制度の導入も検討すべきではないかと思います。年金などの社会保護制度の継続を担保しつつ、できれば海外の研究室に期間限定で研究者を派遣、その派遣期間中に何度か来日を義務付け、若手の教育にも携わってもらうという考えです。可能なら、派遣先と共同研究契約を結び、知財も確保できればまったく理想的です。大学の20世紀的人事システムの棚卸しがここでも求められています。
 さて、最後に4月25日に開催するBTJプロフェッショナルセミナーグリーンラボをどう実現するのか?のご案内です。大学や研究機関でも、20世紀モデルのエネルギーを無制限に使う放恣な研究はもう過去のものです。今回のセミナーでは今まで忘れられていた試験・研究機関の省エネを議論いたします。計画停電はなくなりましたが大口事業者(大学や試験研究機関も相当します)には25%の削減が義務付けられる見通しです。こうした電力削減にどう対応する工夫も、今回のセミナーでは緊急に取り上げます。どうぞ下記より詳細にアクセスの上、お申し込み願います。今回は入場料無料で提供いたします。満席寸前です。どうぞお急ぎ願います。
http://ac.nikkeibp.co.jp/bio/110425/
 どうぞ、今週もお元気で。
             Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
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<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
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2011-04-06    
BTJブログWmの憂鬱2011年04月06日、抗体医薬がアンメット・ニーズを解消する手がかりに
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8220/
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2011-04-04    
BTJブログWmの憂鬱2011年04月04日、バイオのパイオニア、協和発酵の元社長・木下祝郎氏が遺してくれたこと
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8171/
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東日本大震災で中止が相次いだ春学会
緊急措置により要旨集・予稿集の発行で学会発表は成立
3月24日に京都で開催の農芸化学会大会関連行事の1つ「化学と生物シンポジウム」は盛会
BTJジャーナル2011年3月号に掲載
BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 BTJジャーナル2011年3月号を先月末の3月25日に発行・公開しました。BTJジャーナルは、全文を無料でお読みいただけます。ご一読ください。
 最新号(2011年3月号)のダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1103
 巻頭の“緑”コーナー「アカデミア・トピックス」は、2011年3月11日の14時46分に起こってしまった大地震による東日本大震災の関連記事を特集しました。バイオテクノロジーと関係が深いアカデミアの活動にも甚大な影響を及ぼしています。
 今号ではまず、2011年春の学会活動への影響を中心に報道記事を特集しました。学会ごとに学会活動を維持するための新たな工夫が相次いでいます。学会は要旨集の発行をもって学会発表は成立しているという判断も相次きました。
 なお、日本農芸化学会の大会関連行事の筆頭である第37回化学と生物シンポジウムは「美味しく健康に生きるヒント―知ってナットク! 日本食の底力」というタイトルで2011年3月24日午後、京都大学百周年時計台記念館ホール(京都市左京区)で開催され、盛会でした。
 震災の影響が大きかった春学会の動向は、ぜひBTJジャーナル2011年3月号のP.2~6の記事をご一読ください。
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひご覧ください。BTJ編集長 河田孝雄
※2011年3月号(第63号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年3月号(第63号)
●CONTENTS
東日本大震災 論文発表のコツ 日本学術振興会賞
P.2 アカデミア・トピックス
東日本大震災で春学会中止相次ぐ
要旨集発行で学会発表は成立
P.7 リポート
アカデミアの研究業績決定版
国際ジャーナル論文発表のコツ
P.9 キャリア
第7回日本学術振興会賞
第7回日本学士院学術奨励賞
P.11 BTJアカデミック・ランキング
日本学術振興会賞がトップ
P.13 奥付け