こんにちは。水曜のBTJ/HEADLINE/NEWSを担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 先週のこのメールで以下の記事を無料公開したところ、いろいろな反響の声をいただきました。
若手期待の最先端・次世代研究開発支援プログラム、採択者の年度内決定に暗雲、和田政務官が申請書の追加提出を示唆
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6217/
 その中には同意いただく内容のものも多かったですが、中には全く異なる意見もありました。さまざまな意見をぶつけあってこそ建設的な議論が出来るわけですので、あえてそうした声の1つを紹介させていただきます。
 「有識者と言われる方々が、本当に先進性の成果を上げているのかどうかは、不明である。日本流の過去の成果(日本ではじめて、但し、基本的な点は海外で成果が先にでている)を持つ著名有識者と呼ばれる方々が評価をするものは、派閥なり、過去の延長線上での評価となり、独創性を明確に指示できるものではない。一方で、一般市民と言われる方にも、有識者に含まれない冷静な視点・視線でものを見ている人たちは大勢います。確かに一般市民の中という大きな誤差を持つところから拾い出す事は難しい可能性は高いですが、パブコメを見ている方々は、何らかの視点・意識でもって見ている方々であり、それに対して、刹那的、無責任と呼ぶのは、真っ当なコメントと思えません。10年、20年と欧米に対して遅れをとっている結果は、その当時も同じ事を言ってました。当時の若手も自分が有識者と呼ばれると世界標準からずれた発言をしているのであり、この状況を変えるには、有識者に加え、一般市民が評価しうる体制が唯一無二の手段と言えます」
 私が「国民の意見は刹那的で、無責任なものになりかねない」といったのは、多数決的に捉えるとということで、確かに多くの意見を求めればその中に非常に貴重な意見が存在する可能性はあります。ただ、多く寄せられた意見の中から貴重な意見を選び出せる目利きが誰かという問題がありそうですし、公募段階で情報を一般公開すると競争上不利にならないのかということも気になります。いずれにせよ、大きな研究費を配分する仕組みについてはご指摘の通り課題があり、今後、皆で議論を重ねていくべきテーマだと考えます。以下のフォームから、皆さんのご意見をお聞かせいただければと思います。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
 ただ、今回の最先端・次世代研究開発支援プログラムの件で言うと、審査がある程度進んだ段階で公募時の要求とは異なることを求め、採択者の決定を遅延させているところに大きな問題があると考えます。政務官の担当が代わったとも仄聞するので、政府の対応は今後変化するかもしれませんが、いずれにせよスピーディーかつ明確化された手法で意思決定をしていくことが、政策にとっての課題だと考えます。
 話は変わりますが、先週20日に日本製薬工業協会の政策セミナーが開催され取材してきました。終了後に長谷川閑史・製薬協会長(武田薬品工業社長)らが開いた記者会見で、記者からは、日本の製薬産業および政策が抱える課題が明らかになったのはよかったけれど、総花的で、どのような落としどころを見つけるのかといったコメントもありましたが、ライフイノベーションで経済成長を実現するにはそうした課題を1つひとつ克服していかなければならないわけで、その意味で非常に有意義なセミナーでした。
 充実したセミナーを聞くことが出来たので、その片鱗を読者の皆様にもお届けしようと、5本の記事をまとめました。それぞれの立場からの問題点の指摘や提案があり、中にはちょっと同意しかねるものもあったりしましたが、非常に納得させられる意見もありました。製薬協の長谷川会長は、「本日は貴重な意見・提案をもらった。現在、政府にお休みになっている官民対話の実現を要請しており、そう遠くない時期に実現すると期待している。その際に、今日の提案から盛り込むことがあれば提案していきたい」などと語っていたので、重要な提案についてはいずれ政策に取り込まれて実現していくことを期待します。
 また、議論の中でもありましたが、医薬品産業の競争力強化のためには、日本市場の活性化も必要で、そのためには医療制度全体の中での医薬品の役割についても見直す必要がありそうです。そうなれば日本医師会、あるいはその他の医療関連団体も交えたジョイントセミナーで、日本の医薬品・バイオ産業をどうして行くのか、それが国益に資するのかを議論するような機会が今後は必要になってくるように思いました。
製薬協政策セミナー、新成長戦略と製薬産業、「官民対話が実現すれば、今日の意見の中から提案していきたい」と長谷川会長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6370/
製薬協政策セミナー、「医療分野ではシーズではなく、ニーズから健康研究の在り方を考えるべき」と京都大学川上教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6369/
製薬協政策セミナー、阪大の森下教授は日本版SPAや自由薬価の導入などの制度改革を要望
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6368/
製薬協政策セミナー、厚労省の唐澤審議官、「薬剤費の財源問題と一緒に医療システムの再編も考えなければ」と“私見”を語る
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6364/
製薬協政策セミナー、経産省川上審議官、「日本版バイオポリス」の取り組みを提案
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6464/
 この問題についても、皆様のご意見をお聞かせください。
 本日はこのあたりで失礼します。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
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京都大学がオープンイノベーションで製薬3社と新プロジェクト、アステラスとのAKプロジェクトに続く取り組みがドイツBerlinでも注目浴びる
「BTJジャーナル」2011年1月号に掲載
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 BTJジャーナル2011年1月号を昨日(1月25日)夜に発行・公開しました。全文を無料でお読みいただけます。お楽しみください。
 最新号(2011年1月号)のダウンロードはこちらから。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1101
 今号の“青”コーナー「リポート」は、2010年秋にドイツBerlinで開催された第2回World Health Summitの現地リポートを掲載しました。参加者数は71カ国から1235人と、前年開催の第1回に比べ75%増えました。300年の歴史を持つCharite-Universitatsmedizin Berlinと日本の関係はとても深いことが改めて示されました。京都大学は主催したシンポジウムでオープンイノベーションのプロジェクトの取り組みを発表しました。順天堂大学とChariteはアカデミック・エクスチェンジ・プログラムの提携を進めています。
 この現地リポート記事は、以下のBTJ/日経バイオテク・オンラインの記事をもとに編集しました。BTJジャーナルなら、PDFファイルをダウンロードするだけで全文をご覧いただけます。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
交流140周年の順天堂大と独Charite大が提携、Berlinの第2回ワールドヘルスサミットで独日ジョイントシンポ開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4338/
独Berlinの第2回ワールドヘルスサミットに71カ国から1235人が参加、医療の個別化に伴うコスト高騰と気候変動、金融危機が主題
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4254/
オープンイノベーションで京大が製薬3社と新プロジェクト、アステラスとのAKプロジェクトに続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4198/
続報、ワールドヘルスサミットが独Berlinで開幕、オープンセレモニーでノーベル化学賞のYonath博士が講演、京大や順天堂大の主催シンポも
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4197/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
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 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2011年1月号(第61号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2011年1月号(第61号)
●CONTENTS
新春展望 独Berlinサミット 上原賞 安藤百福賞
P.2 アカデミア・トピックス
バイオ識者の新春展望
バイオ賀詞交歓会に560人
P.7 リポート
BerlinでWorld Health Summit
京大や順天堂大の主催シンポも
P.10 キャリア
上原賞と安藤百福賞
P.12 BTJアカデミック・ランキング
2010年間アクセスTop50も発表
P.14 奥付け