現在、今年のAustralian Open Tennisをこの大会の公式サイトで見ながら、原稿を書いております。錦織選手、たった今(12時25分)にセットカウント、3:1でイタリアのFognini選手を撃破、見事一回戦を突破しました。怪我に泣いた錦織選手が今年は復活、開花する兆しが出てきました。ベスト32に是非とも挑戦していただきたい。体調次第では、ベスト16、今では熱血ものと食いしん坊万歳で名が通るあの松岡修三選手の不滅の記録、グランドスラム、ベスト8(第二次世界大戦後)の金字塔に迫っていただきたいと、願っています。
http://www.australianopen.com/en_AU/index.html
 さてバイオです。
 「変化に対応できていない。我が国の産業界の主役交代が進んでいない」 これはバイオだけではないのですが、先週のバイオファイナンスギルド(バイオのライセンス、投資関係者の教育プログラム、今年で9年目)の新年セミナーで、いちよし経済研究所の主席研究員山崎氏が行ったこの指摘は我が国の沈滞の原因を突いています。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/bfg/BFG2009.pdf
 実は08年9月のリーマンショックによる株価の下落は、昨年の末には世界の様々な株式市場で既に回復しているのですが、唯一回復が遅れて、未だ低迷しているのが、東京株式市場です。この原因を、山崎氏は「トヨタ自動車、日立、東芝など我が国の基幹産業の株価がまったく低迷していることと、こうした一時代前の製造企業に代わって我が国の経済を牽引する新しい企業が誕生していないためだ」と分析しました。
 世界は新しい経済や政治環境に適合して企業活用や政府のあり方を大胆に変化させ、新しいプレイヤーを社会で活躍させる場を作り、その結果、経済が成長し、国民の幸福が増大しています。しかし、日本は過去20年間、少子高齢化が進み、経済の縮小(デフレ)が継続しています。その背景には少子化だけでなく、既得権を握り締め国際競争力を失った企業や政府、公共機関などが生き残りのために、新規参入を阻む壁を営々と築いているためです。まるで発明後法度とされ、幕府の生き残りのために、あらゆる社会の進歩を止めようとした、江戸時代のような状況になっています。バイオ医薬も、本来なら工業的発酵技術を持つ、日本企業が今ごろ世界市場を席巻していても良い条件に満ちていましたが、変化を嫌った我が国の製薬企業は21世紀にすっかり世界のビッグファーマに引き離される結果となりました。問題は、近視眼的な研究員、自社の実績にしがみつく研究開発責任者、そしてもう時代遅れの戦略を修正する能力も意欲もない経営者でありました。そして、学歴的にはあんなにも優れた経営者や研究者がなんでこんなに愚かな判断をしたのか?年末から考えておりますが、その大きな理由は快い既得権を手放す勇気がなかった、ビジネスモデルやバイオ研究開発をウネリを見ても見なかった。勇気の無さ、あるいは、苦い変革をしなくてはならないという使命感の無さにあると思い至っております。我が国のある経営者が何故、変革ができなかったのか?という問いに「だって、誰も製薬企業が倒産すると思っていなかった」と答えたのは、きわめて正直だったと思います。明日も今日と同じ日が来ると妄信していたのです。その妄信は従業員も国民も共有していることが、問題の根を深くしています。
 どうやら戦後の日本には変化を嫌う精神構造がびっしりと張り巡らされているのです。かつて革命的政権交代だといっていた民主党の今のあり方を見れば納得いただけるのではないでしょうか?民主党は行政に政治を入れようとしましたが、これは結局、行政に取り込まれる結果を生みました。私は国会の機能を拡充して、法によって行政を制御する法治主義を徹底させることが重要だと今は思っています。秦の時代に、既得権を握った貪官汚吏をその能力を活用しながら、制御したのが法であったことを思い出さなくてはなりません。既得権の転換は法による国民の合意がエンジンとなるのです。
 現在、我が国の主要製薬企業トップにインタビューを行い、何故、バイオ医薬開発で世界に1周遅れたのか?そしてその遅れをどうやって取り戻すのか?経営陣と研究開発のトップの胸の内を聞く、連載を始めております。ここでも、既得権にまみれ、変化を自ら起こせない我が国の企業マネージメントやファイナンスの弱さが露呈されております。これがある限り、どんなに我が国の政府が、年末に菅総理の一言で科学研究費補助金を増額、今年は科研費バブルとなったと言っても、肝心の企業やベンチャー企業が機能しないのでは、イノベーションが実現するはずはありません。今年は研究だけでなく、我が国の癌である勇気あるマネージメント人材の育成も重要だと考えています。
 現在、日本の滞在中の欧州復興開発銀行の初代総裁で、リーマンショックを予測したエコノミスト、Jacques Attaliは、少子化問題の解決と利他主義が日本の苦境を救うと分析しています。利他主義とは、既得権の維持のみに腐心する利己主義の対極にあるのです。国境ばかりでなく、大小さまざまな既得権を手放さない国民の心の開国も必要となっているのです。
 冷え込んでおりますが、日本海側は大雪が心配です。どうぞ、皆さん、ご自愛願います。
             Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
============================================================================
<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
============================================================================
2011-01-12    
BTJブログWmの憂鬱2011年01月12日、個の医療で2010年問題解決に立ち上がった武田薬品
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6130/
----------------------------------------------------------------------------
2011-01-11   
BTJブログWmの憂鬱2011年01月11日、内閣府に医療イノベーション推進室を設置、政府の意欲は理解できるが苦言を二つ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6095/
============================================================================
日本分子生物学会と日本生化学会が合同開催の「BMB2010」
来年と再来年は別個に開催へ
「BTJジャーナル」2010年12月号に特集掲載
BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
============================================================================
 BTJジャーナル2010年12月号を昨年末(12月24日)に発行・公開しました。
 “青”コーナー「リポート」では、2010年12月7~10日に神戸市で開催された、日本分子生物学会と日本生化学会の年次合同大会BMB2010を特集しました。1万人を超える参加者が、最終日の夕方のポスターセッションまで熱心な討議を積み重ねていました。2010年は、両学会の合同開催で日本の生命科学の領域を結集することが望ましいなどの理由により一昨年に続き3回目の合同大会となりましたが、2011年は別個開催が決まりました。2012年も別個に開催される見込みです。
BTJジャーナル2010年12月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1012
 以下にBTJ/日経バイオテク・オンラインの関連報道記事一覧を示します。BTJジャーナル2010年12月号のBMB2010特集記事は以下の記事の一部を元にまとめました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインのBMB2010関連記事リスト
BMB2010、生物研、ブタの肉質と肉量に係る椎骨数支配遺伝子を特定、遺伝子診断による人工授精用精液を2011年度に実用化段階へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5704/
BMB2010、論文61報でIF計588超の超高感度たんぱく質分析、「新世代ロボットにより通常ラボで可能に」と夏目AIST主任研究員
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5686/
BMB2010、神戸の理研計算科学研究機構で京コンピュータの搬入が1%超、ポートライナー駅名は「京コンピュータ前」に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5660/
BMB2010、1分子シーケンサーで再現性が0.65から0.99へ、理研OSCの林崎領域長がFANTOM5への参加呼び掛ける
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5584/
BMB2010、siRNAの導入が困難だった細胞種にHVJ-Eベクター、石原産業が阪大と共同発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5528/
日本分子生物学会と日本生化学会、2011年度年次大会は別個に開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5520/
BMB2010、日本分子生物学会と日本生化学会の合同大会が開幕、12月10日まで神戸で開催、市民公開講座は12月11日に東京で開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5517/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年12月号(第60号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2010年12月号(第60号)
●CONTENTS
学術論文数の国内外比較 BMB2010 ベルツ賞
P.2 アカデミア・トピックス
文部科学省NISTEPが
国内外の論文数推移を比較
P.6 リポート
神戸で4日間開催のBMB2010
来年は京都と横浜で別個開催
P.11 キャリア
ベルツ賞のテーマは心不全
P.12 BTJアカデミック・ランキング
多比良氏の控訴棄却がトップ
P.13 奥付け