皆さん、明けましておめでとうございます。既に、松の内は終わってしまいましたが、今年も皆さんとバイオにとって良き年となることを。心から祈っております。元日は相模一之宮寒川神社、私の家の近くの須賀神社、そして学問の神様の湯島天神にも初詣に行き、皆さんの分も万全の祈りを捧げて参りました。昨年はまったく酷い年でしたが、今年こそ新しい息吹を感じられる年となると確信しております。どうぞ皆さんも元気に新年をスタートしていただきたい。
 とはいうものの、9日のサッカー、アジアカップ選手権の日本代表の試合に触れなくてはなりません。セルジオ越後は30点と甘い評価を下しておりましたが、正月そうそうあんな試合をして良いのか?パスサッカーを心がけながら、パスの受け手の選手が全然動いていない。このチームのディシプリンに背く試合を展開したのです。いくら監督が引いて守るアジア諸国との戦いに不慣れとは言え、これはいただけません。第一、引いて守ってカウンターは監督の出身国イタリアのお家芸ではないですか?この原因に16に入る程度で満足している精神構造に問題アリ。相手をなめてかかっては、思わぬ取りこぼしは避けられません。もっと厳しく、国民も期待し、批判しなくては、日本がワールドカップを掌中に収める日などは絶対来ないと思います。
 現在、羽田空港のラウンジでこのメールを書いています。鹿児島で乳がんの専門医に取材して、新しい乳がんのメディアを開発するためです。医療の技術革新に暫く門戸を閉ざしていた日本に、世界レベルの標準医療を普及させる努力の一環です。
 政府も1月7日に内閣府に医療イノベーション推進室を設置、その室長に東大医科学研究所教授で国立がん研究センター研究所所長の中村祐輔氏を任命いたしました。その他、東京女子医大の岡野教授やノーベル賞受賞者の島津製作所の田中さんなど、バイオや先端医療のキーマンを配置する布陣を打ちました。政府の意欲は良く理解でき、しかも中村教授の能力を高く評価しつつ、今回は二つ苦言を呈したい。
 第一は内閣府の総合科学技術会(近く模様替えしますが)との二重行政をどうさばくのかという懸念です。また、きら星の如く先端医療の専門家を揃えれば先端医療が我が国で適切に実施されると考える単純さに落とし穴があるということです。つまり組織としてうまく編成されていないのではないか?このままでは、厚労省、文科省、経産省などを指揮し、総合的な先端医療の普及施策を打つ前に、内部の意思疎通に猛烈な時間を取られ、しかも実際の医療現場の革新に必要な知識や見識が不足したまま、医療イノベーションを立案、管理運営しなくてはならない状況です。決定的な錯誤は、相変わらず医療イノベーションを医師や医療の供給者側からしかとらえていないパターナルな改革と捉えている可能性があることです。早急に、医療イノベーション推進室に患者代表と健康保険組合の代表、そしてコメディカルの代表、地方自治体の代表など、医療の技術革新のステークスホルダーを加える必要があると思います。
 第二は、これは民主党政府の錯誤かも知れませんが、医療イノベーション推進室を行政機関として発足させてことです。参画した先端医療研究者の顔ぶれを見ると、むしろこれは国会の中に設置し、新たな医療イノベーションに必要な国の大きな枠組み変更を法律として規定し、先端医療の実現に絶対不可避な厚労省と文科省の融合的連携と日本版FDAの機能強化、そして先端医療の原資を確保するための医療費の配分を法律で規定する大仕事をしていただくべきであると考えます。このままでは、総合科学技術会議のように、行政の下請け機関として矮小な働きしかできないでしょう。
 気が付いたら消費税を上げる口実に、医療イノベーション推進室が使われただけというピエロのような役割を担わせられぬよう、警戒しなくてはなりません。医療イノベーションには、国の在り方全体の改革が不可欠、これはそもそも行政ではなく、立法府の役割です。
 我が国も本来の民主国家の在り方である三権分立というプリンシプルに、今年こそ立ち戻らなくてはならないと思います。これが今年の決意です。
 さて、昨年の末から我が国の製薬企業がバイオ医薬開発に何故乗り遅れたか?そして2005年前後に始まったバイオ再参入に勝算はあるのか?長期連載を開始いたしました。現在、日本の製薬企業トップ4社の取材を終えたところです。4社の中でも、トップが猛烈にバイオ医薬参入失敗を反省し、次の手を打ち始めた企業と、相変わらずのんびりやっている企業に二分されていました。今後、何故、時代遅れの技術に拘泥し生活習慣病の戦艦大和のような医薬品を作ってしまい、バイオ医薬という技術革新へ舵取りが遅れたのか?我が国の企業が変化を先取りできない原因を以下の連載、「シリーズ、バイオ再参入」で解明しようと思います。どうぞご期待願います。
シリーズ、バイオ再参入(1)、バイオ医薬に回帰した
               我が国の製薬企業に、勝機はあるのか?
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5938/
シリーズ、バイオ再参入(2)、世界に逆行して20世紀末に
          バイオ医薬商品化に急ブレーキをかけた我が国の企業
http://biotech.nikkeibp.co.jp https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5993/
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5994/
 近く、根拠なき楽観により開発を誤ったと認識、猛烈に企業体質を変化させ始めた武田薬品の長谷川社長のインタビューをBiotechnology Japanで掲載いたします。どうぞ下記のニュースサイトにご注目願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/index.jsp?icate=0&pg_nm=1
 どうぞ今週もお元気で。
                Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
                 mailto:miyata@nikkeibp.co.jp
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<<BTJブログWmの憂鬱>> 
最新一週間の記事  http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/ 
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2011-01-05    
BTJブログWmの憂鬱2011年01月05日、謹賀新年 米Genentech社が3剤併用によって、乳がんのPCRを得たことを発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6000/
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2010-12-28   
BTJブログWMの憂鬱2010年12月28日、2010年のバイオで起こった6大変化、大きなうねりに飲み込まれる日本
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5934/
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学術論文数の推移に決定版、文科省科学技術政策研究所が分析
「基礎生命科学」の論文数国別シェア推移と日本国内の機関種類別の論文シェア推移
のグラフも、「BTJジャーナル」2010年12月号に掲載
BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 BTJジャーナル2010年12月号を昨年末(12月24日)に発行・公開しました。
 巻頭の“緑”コーナー「アカデミア・トピックス」では、国内外の学術論文数の推移に決定版が登場したことを特集しました。文部科学省の科学技術政策研究所(NISTEP)が2010年12月16日に発表した「科学研究のベンチマーキング2010─論文分析でみる世界の研究活動の変化と日本の状況─」がそれです。日本が産出する論文数やTop10%論文数は増加していますが、シェアは2000年代に入り低下していること、特に国立大学の失速がTop10%論文数の伸び悩みを招いていることが分かりました。中でも臨床医学系の低迷が目立ちました。
BTJジャーナル2010年12月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1012
 以下にBTJ/日経バイオテク・オンラインの関連報道記事一覧を示します。BTJジャーナル2010年12月号の記事は以下の記事の一部を元にまとめました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事リスト
文科省NISTEPが学術論文分析で科学研究をベンチマーキング、日本は論文数増大もシェア低下
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5769/
文科省NISTEPの科学研究ベンチマーキング、8分野別分析で臨床医学は国立大学の失速分を私立大学がカバー、臨床医学系ジャーナルは中国が日本を上回る
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5798/
大学の研究開発費の政府負担比率が日本は低い、文科省NISTEPが「科学技術指標2010」で分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3224/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。
申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年12月号(第60号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2010年12月号(第60号)
●CONTENTS
学術論文数の国内外比較 BMB2010 ベルツ賞
P.2 アカデミア・トピックス
文部科学省NISTEPが
国内外の論文数推移を比較
P.6 リポート
神戸で4日間開催のBMB2010
来年は京都と横浜で別個開催
P.11 キャリア
ベルツ賞のテーマは心不全
P.12 BTJアカデミック・ランキング
多比良氏の控訴棄却がトップ
P.13 奥付け