毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。明けましておめでとうございます。昨年末の2010年12月17日のBTJメール以来ですので、3週間ぶりでお目にかかります。今年もよろしくお願いします。
 昨年末は、2010年12月24日に発行・公開した「BTJジャーナル」2010年12月号の編集・制作を進めました。
BTJジャーナル2010年12月号(第60号)を発行・公開、学術論文数推移の決定版グラフ7点、BMB2010特集、ベルツ賞を掲載
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5875/
 文部科学省の科学技術政策研究所(NISTEP)がとりまとめた、学術論文数の推移のグラフを、「基礎生命科学」と「臨床医学」の分野について掲載しました。日本の学術論文数はどうなっているのか、事業仕分けの対策に追われる学会活動などでも、2010年には大分話題となりましたが、NISTEPの解析結果は、1つの決定版ではと思われます。
BTJジャーナル2010年12月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1012
 NISTEPから年末には、人間栄養学の論文分析の成果も発表されましたので、さっそく12月27日に記事とりまとめました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
文科省NISTEPが学術論文分析で科学研究をベンチマーキング、日本は論文数増大もシェア低下
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5769/
文科省NISTEPの科学研究ベンチマーキング、8分野別分析で臨床医学は国立大学の失速分を私立大学がカバー、臨床医学系ジャーナルは中国が日本を上回る
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5798/
大学の研究開発費の政府負担比率が日本は低い、文科省NISTEPが「科学技術指標2010」で分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3224/
日本は人間栄養学の研究者養成の大学が圧倒的に不足、動物実験は世界2位だがヒト研究は9位、文科省NISTEPが論文分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5909/
ヒト栄養関連主要論文の被引用数の日本2位は花王、明治製菓とカルピス、ネスレ、ヤクルトもTop10入り、文科省NISTEPが所属機関別ランキングを発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5910/
 年始には、この1年間(2010年1月1日~12月31日)に、BTJ/日経バイオテク・オンラインのどのような記事が、読者に興味を持っていただいたかを、分析しました。事業仕分けや最先端研究開発支援プログラム、それに大学や研究機関の評価/ランキングの関連記事が上位に入りました。これらすべての記事で“学術論文”はキーワードとなっています。インパクトファクターが高いビックジャーナルでの論文発表は、アカデミア界のスーパースターになる必須アイテムともいえるのではと思います。もちろんノーベル賞の受賞が、アカデミアでも一般社会からも大きな注目を集めるのですが、ノーベル賞を受賞なさるのは、素晴らしい業績を挙げた研究者のごく一部の方々だけですし、運も必要なようです。ノーベル賞が世間で大きなインパクトを持つことは、年末年始のテレビ番組を見て改めて認識しました。
BTJアカデミック松の内スペシャル、2010年ニュースアクセス・トップ50をリンク付きで掲載
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6045/
 2010年1年間で読者からのアクセス数が多かったトップ50の記事内容を分類すると、09年秋から実施された事業仕分けとその波及に関連する記事が6本(8位、23位、28位、33位、40位、45 位)と最も多くを占めました。
 次いで、これも事業仕分けと関係が深いのですが、09年度から始まった最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)関連の記事が5本(2位、12位、17位、32位、42位)入った。また、大学・研究機関の評価/ランキング関連の記事も5本(9位、10位、13位、18位、 30位)がトップ50に入りました。
 特筆すべきは、沖縄科学技術大学院大学の連載記事です。4本すべてがトップ50の上位に入りました(7位、15位、19位、22位)。
 また、受賞や表彰の関連記事が合計6本(日本学術振興会賞/日本学士院学術奨励賞が6位と16位、内藤記念科学振興賞が5位、文部科学大臣表彰が25位、上原賞が29位、紫綬褒章が34位)と多くを占めました。
 メール原稿の締切時間が迫ってきました。2011年1月4日に「記者の目」を有料記事
としてBTJ/日経バイオテク・オンラインに掲載させていただきました。
2011年・記者の目、河田孝雄BTJ編集長、「なめられない日本」の報道に注力してまいりります、TPPへの参加にも注目
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5962/
 BTJ/日経バイオテク・オンラインでは2010年に約2050本の記事を報じてきましたが、このうち311本の記事を河田がまとめました。2010年は、アカデミアの研究業績の評価指標となる学術論文(以下、論文)の記事に特に注力しました。アクセス数トップ100 のうち、河田担当の記事は42本でしたが、そのうちのおよそ8割が論文関連の記事でした。
 企業の場合には、事業の収益性が最大の評価基準といえるかと思いますが、アカデミアで最も重要とされる評価基準は、論文といえます。しかも、インパクトファクター(IF)の数値の大きい学術ジャーナル(以下、ジャーナル)への論文発表が、アカデミアの研究者のキャリア形成でとても大きな意味を持っています。アカデミアの研究者にとり、「発表」とは論文でパブリッシュしたことであり、学会やシンポジウムで口頭発表したりポスター発表したことは「発表」ではないというのが一般的であることにある時、改めて気付いてちょっと驚いたこともありました。
 最後に、ここ3週間にとりまとめた記事15本のリストに一言ずつ、■ポイント■をつけたものを紹介します。
※直近3週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの記事
健康と野菜のショールーム「VegeMarche」をデザイナーフーズが港区にオープン、アンチエイジングマイスター育成の場に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6041/
■ポイント■TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)対策の意味でも、野菜の付加価値を高める取り組みは重要です■
バイオセンサーの鈴木周一東工大研究室から3人目の学長、東京農工大の学長に松永是氏が2011年4月に就任へ、相澤益男氏と軽部征夫氏に続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5982/
■素晴らしい人材を輩出なさっています。1980年代後半に、鈴木周一さん門下生の方々のバイオセンサーの成果をたくさん報道したことを思い出します■
2011年・記者の目、河田孝雄BTJ編集長、「なめられない日本」の報道に注力してまいりります、TPPへの参加にも注目
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5962/
■TPPの参加は、日本の農業・畜産業・水産業などにとってもプラスになるのではと思います。日本の食文化は世界に誇れますし、優れた技術もあります■
腸内細菌研究の国際情報発信力を強化へ、3学会が合同で2012年に英文誌を発刊
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5933/
■アカデミアにおける日本のステータスを高める取り組みです■
omicsやシステムバイオロジーでプロバイオティクス研究に新展開、ダノン大会で最新成果
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5924/
■オミクスやシステムバイオロジーは、プロバイオティクスに限らず生命科学関連分野では必須アイテムです■
ヒト栄養関連主要論文の被引用数の日本2位は花王、明治製菓とカルピス、ネスレ、ヤクルトもTop10入り、文科省NISTEPが所属機関別ランキングを発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5910/
■重要と思われる論文の被引用数に焦点を当てて記事をまとめました■
日本は人間栄養学の研究者養成の大学が圧倒的に不足、動物実験は世界2位だがヒト研究は9位、文科省NISTEPが論文分析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5909/
■日本の大学では、人間栄養学の教育が貧弱であることを改めて知りました■
下田HS財団理事長が理事長に就任した日健栄協の賀詞交歓会、1月14日に東京ドームホテルで開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5877/
■健康産業新聞によると、日本の健康食品市場は2010年に1兆1800億円と、前年比6%増と回復してきたとのことです■
恒例のバイオ関連団体の新年賀詞交歓会、2011年の開催は経産省系のみ、厚労省系と農水省系は開催せず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5876/
■バイオ関連団体の賀詞交歓会は毎年、記事にしてきたのですが、今年は経済産業省系の1つのみとなり、ちょっと寂しく思います■
腸内細菌の日本研究が相次いで著名ジャーナルに論文発表、東京大学や理化学研究所の成果
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5826/
■腸内細菌の研究は、日本が高いレベルであることを改めて示されました■
平成22年度上原賞は河西春郎・東大教授と間野博行・自治医大教授、助成金35件との贈呈総額は10億円超、累計は約195億円
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5803/
■ひごろ注目している研究者が受賞なさいました。累計額はもうすぐ200億円です■
理研の遺伝子解析受託サービス事業GeNASがISO9001認証を取得、厚労省QMS省令適合に続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5801/
■着々と品質管理のレベルも高めていることがうかがえます■
文科省NISTEPの科学研究ベンチマーキング、8分野別分析で臨床医学は国立大学の失速分を私立大学がカバー、臨床医学系ジャーナルは中国が日本を上回る
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5798/
■日本では臨床医学分野で私立大学が頑張っています■
文科省NISTEPが学術論文分析で科学研究をベンチマーキング、日本は論文数増大もシェア低下
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5769/
■日本の学術論文数の推移に決定版が登場しました■
不二製油がブラジル販売拠点を設立、チョコレート用油脂や大豆たんぱく質素材を販売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5736/
■伸びる市場に拠点を設立しました。独自素材の世界展開が加速しているようです■ もう1つ最後に、先月末に発行・公開したBTJジャーナル2010年12月号を改めて紹介します。
BTJジャーナル2010年12月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1012
BTJジャーナル 2010年12月号(第60号)
●CONTENTS
学術論文数の国内外比較 BMB2010 ベルツ賞
P.2 アカデミア・トピックス
文部科学省NISTEPが
国内外の論文数推移を比較
P.6 リポート
神戸で4日間開催のBMB2010
来年は京都と横浜で別個開催
P.11 キャリア
ベルツ賞のテーマは心不全
P.12 BTJアカデミック・ランキング
多比良氏の控訴棄却がトップ