毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。2週間ぶりでお目にかかります。
 先週は、木曜日(11月25日)に発行・公開したBTJジャーナル2010年11月号の編集に注力しました。BTJ/日経バイオテク・オンラインの記事の中で、ここ1カ月で最もよく読まれた、がん治療ペプチドワクチンの臨床試験に関する記事3本や、食のエビエンスに関する話題などを11月号に掲載しました。ぜひご覧ください。
 今週は、火曜日(11月30日)に農林水産省の「第4回『新農業展開ゲノムプロジェクト』シンポジウム~遺伝子組み換え等先端技術安全性確保研究成果とEUとの比較~」を、翌水曜日(12月1日)に理化学研究所植物科学研究センターなどが主催する「植物科学シンポジウム『グリーンイノベーションに向けた新たな植物科学─食糧・エネルギー・有用物質生産・環境問題への貢献─』」を取材しました。
 これら農林水産分野では、ゲノム情報を活用した育種研究が活発に進められています。DNAマーカー育種はまずは、ゲノム解読で日本が多大な貢献をしたイネで広く活用されてきましたが、次世代シーケンサーなどと呼ばれる新世代の高性能な塩基配列解析装置の普及が進んで、農林水産で実用化されている多くの生物での利用が広がっています。近く、日経バイオテクの誌面で特集記事をまとめたいと考えています。
 この2週間では以下の11本の記事を報道しました。日経バイオテク11月22日号に掲載した「企業研究 北里研究所」のオンライン再掲記事とともに、以下に示して、記事とりまとめのポイントも付けてみます。
※直近2週間のBTJ/日経バイオテクオンラインの記事
最先端研究基盤事業の植物拠点ネットワークがHPを開設、まずは単年度27億円で最先端機器を整備
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5436/
■ポイント■最先端機器の整備は単年度予算で行いますが、整備した後、若手、女性、地域の研究支援を行うために必要な研究費の確保がどうなっているのか気になります■
バイオ情報大手プロバイダー米GeneGo社を米Thomson Reuters社が買収
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5432/
■アカデミア向けの情報サービス事業も強化されます■
β-グルカン協議会が第6回シンポを東大で開催、齋藤忠夫・東北大教授と奥村康・順大教授が講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5384/
■5社が幹事を務める協議会の取り組みに注目しています■
日経バイオテク11月22日号「企業研究」、学校法人北里研究所、感染制御と治験、農医連携に注力、学部ごとの利益率5%達成目指す
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5331/
■農医連携にもいち早く取り組んで成果を挙げています■
低アレルギー食品開発研究所が発足、フリーズドライ味噌など医療機関経由で販売へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5296/
■農水省の起業化促進型支援事業の成果を活用します■
「EBEで世界の長寿食『日本食』を輸出する。それが元気な日本再生の鍵」、岩手医大の小川彰学長が基調講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5293/
■医農連携をテーマとした岩手医大学長の基調講演が注目を集めていました■
クラス2アレルギーの原因となる大豆アレルゲンも味噌で低減、近畿大学の森山達哉准教授がクラス2第3のパターンも紹介
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5292/
■食物アレルギーの新たなパターンも見つかってきました■
農水省主催のアグリビジネス創出フェアが開幕、若手表彰は中央農業セと大分県、富山県の研究者
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5254/
■民間表彰の農林水産大臣賞は、明治乳業と日本甜菜製糖、雪印種苗の方が受賞なさいました■
日本乳酸菌学会の設立20周年記念シンポに280人、「乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス」を記念出版
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5244/
■NatureやScienceなどの著名誌に近く発表になる成果も紹介されました■
みつばち健康科学研究所のHPを山田養蜂場がリニューアル、文献DBに論文約3000報を集約、年度内に予防医学も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5239/
■論文の集約数が3000報という充実ぶりです■
スルフォラファンの抗ピロリ菌作用は最強と谷中昭典理科大教授が潰瘍学会で発表、村上農園が支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5238/
■補助金に頼らない植物工場の事業化に成功している村上農園はアカデミアと共同で基礎研究にも注力しています■
「心不全」がテーマの第47回ベルツ賞、1等賞800万円は小室一成阪大教授ら、2等賞400万円は福田恵一慶大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5205/
■日本とドイツの交流関係をさらに深める目的でベルツ賞が設立されたのは1964年です■
 メール原稿の締切時間になりました。最後に、先週末に発行・公開したBTJジャーナル2010年11月号を改めて紹介します。
 巻頭の“緑”コーナーは「アカデミア・トピックス」。がん治療ワクチンの臨床試験に関する注目記事3本をまとめて掲載しました。問題があると朝日新聞が報道したことを受け、東京大学医科学研究所が2010年10月15日に記者会見を開きました。10月21日に総合科学技術会議(CSTP)が公表した2011年度予算概算要求の優先度判定では、がんワクチンの臨床研究推進はC判定になりました。
 “青”コーナー「リポート」は、食品のエビデンス論文を特集しました。食品が本来持つ機能性は薬事法や健康増進法等の規制により研究成果は商品回りで表示できません。エビデンス度が高いコホート研究や無作為介入試験の新しい論文発表の成果をまとめました。多目的コホートでは日本の女性で米飯が糖尿病のリスク要因との結果が出ました。ライチ由来のポリフェノールや赤ワインのポリフェノールでは新たな健康エビデンスの成果が論文発表されました。
 “赤”コーナーは「キャリア」。平成22年度の文化勲章受章者7人と文化功労者17人を一覧で掲載しました。そのうちバイオテクノロジーと関係が深い受章者・受賞者については、BTJアカデミックなどの関連記事リンクとともに紹介しました。
BTJジャーナル2010年11月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1011
 2010年11月号(第59号)の目次は以下の通りです。
BTJジャーナル 2010年11月号(第59号)
●CONTENTS
がんワクチン 食品エビデンス論文 文化勲章・文化功労者
P.2 アカデミア・トピックス
がんワクチン報道で記者会見
臨床研究はCSTPでC判定に
P.4 リポート
食品の健康エビデンスが
国際ジャーナルに相次ぎ掲載
P.8 キャリア
文化勲章と文化功労者
P.9 BTJアカデミック・ランキング
がんワクチンはC判定がトップ
P.10 奥付け