こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本です。
 12月に入り、今年も残すところ1カ月になりました。日経バイオ年鑑2011の編集作業も終了し、編集部は部員全員が取材に出払って、再び静かな時間を取り戻しています。我々にとっては実は12月が一番雑務が少なく、取材の書き入れ時といえるかもしれません。
 日経バイオ年鑑2011の内容をほんのちょっぴり紹介すると、2010年のバイオ製品・サービス市場は2兆4322億円で、09年より4.5%ほど成長しました。遺伝子工学技術を用いた製品の市場規模は7.2%の増加で、成長の牽引車は何と言っても抗体医薬です。2010年も武田薬品工業の「ベクティビックス」、アレクシオンファーマの発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬「ソリリス」など、新しい抗体医薬が承認されるとともに、承認済みの抗体医薬が適応拡大したり、臨床現場に浸透するなどして、抗体医薬の市場は大きく拡大しました。抗体医薬、ワクチン、バイオガソリン、バイオプラスチックなどが、2010年の国内バイオ市場の超重要注目分野だったといえます。そして2011年も、これらの分野は依然大きく注目されますし、遺伝子組み換えパパイアの流通など、国内バイオ産業にとって新たなフェーズが始まる年ということにもなります。
 12月が始まったばかりだというのに、日経バイオ年鑑のことを紹介しているとすっかり年始の挨拶みたいになってきました。2011年の展望は改めて、年始にお届けするとして、今年も編集部が総出で、かつ、外部のキーマンにもご協力いただきながら、日経バイオ年鑑2011を完成させることが出来ました。今年は新しい試みとして、2009年8月からの1年間に登録・公開された主要バイオ特許のリストを掲載しました。特許は各種のオンラインデータベースが充実しているので、掲載する価値があるのかどうか少し考えましたが、読者の方から「バイオ特許に限定して検索できれば便利」という声があったので、試しに掲載してみることにしました。日経バイオ年鑑ご購入者に提供しているオンラインデータベースにも州際する予定なので、どうぞご利用ください。
 日経バイオ年鑑は、12月9日まで予約特価で受け付けています。低下の2割引でご購入いただけるチャンスです。ぜひご検討の上、以下のサイトからお申込みください。
 http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/book/03.html
 また、日経バイオ年鑑に関して、「こんな内容を充実させて欲しい」といったご意見があれば前向きに検討しますので、ぜひ、下のフォームからご意見をお寄せください(日経バイオ年鑑だけでなく、日経バイオテク本誌や、BiotechnologyJapanのサイトのサービス内容に対するご意見などでも結構です)。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
 さて、先週は日本PGxデータサイエンスコンソーシアム(JPDSC)との共催のBTJプロフェッショナルセミナー「ゲノムバイオマーカーが変える医薬品R&D」を開催しました。ファーマコジェネティクスはこれまでもさまざまな議論が重ねられ、少しずつ取り組みも始まっていますが、ゲノムワイド関連研究(GWAS)などの研究の爆発的進展を考えれば、あらゆる医薬品において、個の医療が求められるようになってもおかしくありません。製薬企業や診断薬企業において、個の医療への取り組みは待ったなしです。セミナーに参加された方々には、そういう雰囲気をお伝えできたのではないでしょうか。セミナーでは、「コンパニオン診断薬開発の課題」についても議論がなされましたので、その骨子から特集記事を作成し、来週発行の日経バイオテク本誌2010年12月6日号に掲載しました。ぜひそちらもお読みください。
 そのほかセミナーでは、理化学研究所ゲノム医科学研究センターセンター長の鎌谷直之先生の講演が印象的でした。「候補遺伝子から出発して創薬を目指したゲノム創薬は、シーズがたくさん出すぎて効率が悪化し、新薬が出にくくなった。ゲノムと表現系とで化合物を挟み撃ちするゲノムワイド創薬を提唱したい」と話しておられましたが、GWASのデータを用いると、疾患関連の遺伝子の探索のほか、特定の化合物によって生じる表現系の変化なども幅広く解析でき、創薬研究は新しい方向に発展できそうです。
 医薬基盤研究所の山田弘先生には、トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクトの内容を紹介していただきました。化合物の毒性を評価するのに有用なマーカーが幾つか見つかっており、今後、実際の創薬研究に貢献することが期待されます。
 武田薬品工業の劉世玉先生には、JPDSCで行っている日本人の標準的データベース構築の意義について紹介していただきました。医薬品の臨床開発の初期に副作用症例が見つかり、その副作用に関連する遺伝子型を特定しようと思っても、臨床試験の被験者から再びコントロールのサンプルを採取するのは困難であるため、標準的なコントロールのデータベースを構築し、それと副作用のケースのデータとで、遺伝子型を解析できるようにしようというものです。個の医療の実現を後押しする基盤的な取り組みということが出来ます。
 いずれにせよ、11月24日のBTJプロフェッショナルセミナーは非常に充実したものとなりました。参加いただいた方に改めて感謝申し上げます。12月21日には今年最後のBTJプロフェッショナルセミナー「iPS細胞/ヒトES細胞臨床研究の落とし穴、次世代の医療に必要な技術突破」を開催します。皆様奮ってご参加ください。
iPS細胞セミナー 12月21日開催決定!
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010110977361
 本日はこの辺りで失礼します。
 日経バイオテク・オンラインの記事全文をお読みいただくには、日経バイオテク本誌の読者になっていただく必要があります。日経バイオテク本誌のお申し込みは、以下からお願いします。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/index.html
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
 ご意見があれば以下のフォームからお願いします。いただいたご意見を次回以降のBTJメールの中で、匿名で紹介させていただく可能性があることをご了解ください(紹介されたくない場合はその旨を明記しておいてください)。
 
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
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米飯やポリフェノール、トレハロース、ミツバチ産品などの新着エビデンス
このほど公開の「BTJジャーナル」2010年11月号に掲載
BTJジャーナル」のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
アカデミア向けの有料サービス「BTJアカデミック」はこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 BTJジャーナル2010年11月号を先週木曜日(11月25日)に発行・公開しました。
 “青”コーナー「リポート」は、食品のエビデンス論文を特集しました。食品が本来持つ機能性は薬事法や健康増進法等の規制により研究成果は商品回りで表示できません。エビデンス度が高いコホート研究や無作為介入試験の新しい論文発表の成果をまとめました。多目的コホートでは日本の女性で米飯が糖尿病のリスク要因との結果が出ました。ライチ由来のポリフェノールや赤ワインのポリフェノールでは新たな健康エビデンスの成果が論文発表されました。
BTJジャーナル2010年11月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1011
 以下にBTJ/日経バイオテク・オンラインの関連報道記事一覧を示します。BTJジャーナル2010年11月号の記事は以下の記事の一部を元にまとめました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事リスト
米飯摂取は日本女性の糖尿病リスクを高める、国立がん研セがJPHCコホート成果を発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5067/
オリゴノールの論文2報、インフルエンザウイルスの感染・増殖を抑制し、糖尿病の脂質代謝異常と腎機能を改善する
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4972/
レスベラトロールはIGF-1を介して認知機能を維持、名市大の岡嶋研二教授らの研究をメルシャンが支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4998/
第14回トレハロースシンポジウムに300人、たんぱく質凝集抑制を九大と広大が発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4973/
みつばち健康科学研究所のHPを山田養蜂場がリニューアル、文献DBに論文約3000報を集約、年度内に予防医学も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5239/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年11月号(第59号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2010年11月号(第59号)
●CONTENTS
がんワクチン 食品エビデンス論文 文化勲章・文化功労者
P.2 アカデミア・トピックス
がんワクチン報道で記者会見
臨床研究はCSTPでC判定に
P.4 リポート
食品の健康エビデンスが
国際ジャーナルに相次ぎ掲載
P.8 キャリア
文化勲章と文化功労者
P.9 BTJアカデミック・ランキング
がんワクチンはC判定がトップ
P.10 奥付け