こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本宗明です。
 米Advanced Cell Technology(ACT)社が、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)を用いた黄斑変性症(スタッガード病)の治療について、米食品医薬品局(FDA)から新薬治験申請(IND)の許可を得たと発表しました。ACT社の発表によると、今後、米University of California, Los Angeles(UCLA)をはじめとする複数の医療機関で、フェーズI/IIを行っていく計画です。
http://www.advancedcell.com/
 今回の件について、23日夜の時点でまだ日経バイオテク・オンラインには記事をアップしていませんが、ACT社の臨床試験についてはこれまで何度か記事で紹介してきました。臨床試験の実施に際しては、移植する網膜色素上皮細胞の中に、未分化のES細胞が混入していないことがポイントになったようです。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の実用化でも、分化誘導させた移植細胞の中に、いかにして未分化細胞が混入しないようにするかが課題になっていますが、iPS細胞に比べれば均質なES細胞の場合、その制御を行いやすいのかもしれません。
海外発表、米ACT社、ES細胞由来の細胞医薬のINDの追加資料を提出
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2765/
海外発表、ACT社、ES細胞由来の黄斑変性症治療用細胞医薬がオーファンドラック指定獲得
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9289/
 なお、ヒトES細胞を利用した再生医療の臨床試験では、米Geron社が脊髄損傷に対する臨床試験を10月に開始しています。Geron社の臨床試験は、米食品医薬品局(FDA)が09年初めに新薬治験申請(IND)を認可した後も紆余曲折を経て、ようやく今年10月になって臨床試験がスタートしました。
Geron社、ヒトES細胞の患者への投与を開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4205/
海外発表、Geron社とFDA、ヒトES細胞を脊髄損傷治療に用いる臨床試験の差し止め解除に向け協議
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/6572/
FDA、Geron社にヒトES細胞の脊椎損傷に対する臨床試験停止命令、世界初の臨床試験はまたも延期
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4737/
海外発表、FDA、世界初となるヒトES細胞治療の臨床試験を認可
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9082/
 日本の再生医療は、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)、セルシードなど、組織工学的アプローチが先行していますが、iPS細胞を利用した細胞治療、再生医療も幾つか検討が進められています。ただ、米国企業の動きを見れば、ES細胞の可能性も平行して検討していく必要はありそうです。医薬品のスクリーニングに利用できるという点では、iPS細胞は明らかに利用度が高いですが、細胞治療を視野に入れた場合にはES細胞の可能性も含めて考えておく必要がありそうです。
 本日これから秋葉原でBTJプロフェッショナルセミナーを開催します。素晴らしい講師の方々にお願いできたので控え室で議論していても、非常に盛り上がっています。セミナーの内容は、改めて日経バイオテク本誌や日経バイオテク・オンラインの中でも紹介させていただきます。
 ということで、今回はこの辺りで失礼させていただきます。
 日経バイオテク・オンラインの記事全文をお読みいただくには、日経バイオテク本誌の読者になっていただく必要があります。日経バイオテク本誌のお申し込みは、以下からお願いします。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/index.html
                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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アジアの勢いのよさが目立った「BioJapan2010」
横浜に2万5000人以上が集結
「BTJジャーナル」2010年10月号に掲載
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→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
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→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 BTJジャーナル2010年10月号を先月末の月曜日(10月25日)に発行・公開しました。
 “青コーナー”のリポートでは、2010年9月29日~10月1日にパシフィコ横浜で開かれた「BioJapan2010 World Business Forum」を特集しました。
 参加者数は2万5532人と昨年のBioJapan2009に比べ7%以上増え、展示会では特に、アジアの勢いのよさが目立ちました。韓国は過去最大の12小間のパビリオンで出展し、中国は初めての出展でした。台湾からも6社8小間の出展がありました。
 また、製薬メーカーはアライアンスブースを中心に過去最多の25社が出展し、活発な面談を行いました。
 さらに、バイオプラスチックゾーンでは東レやデュポンなどの素材メーカーの出展のほか、今年はバイオプラスチックを内装に多く利用しているトヨタ自動車ののSAIが特別展示されました。バイオプラスチックの採用例として多くの来場者を集め、出展の素材メーカーとの相乗効果が高まりました。
BTJジャーナル2010年10月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1010
 以下にBTJ/日経バイオテク・オンラインの関連報道記事一覧を示します。BTJジャーナル2010年10月号の記事は以下の記事の一部を元にまとめました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事リスト
トヨタがエコプラスチック内装80%の自動車を来年発売へ、「BioJapan2010」特別展示のSAIの60%に上乗せ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4366/
BioJapan2010、オンチップ・バイオテクノロジーズ、新型フローサイトメーターで個別化医療の可能性
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4199/
BioJapan2010、東大医科研の津本教授、抗体研究における物性の重要性を強調
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4192/
ノーベル医学生理学賞、山中教授の予言通り、今回は授賞見送り、不妊治療の体外受精法開発者へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4098/
BioJapan2010、政産学討論、「与党議員は政策人気投票に頼らず自分でも勉強してほしい」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4048/
BioJapan2010、産総研の成松センター長、糖鎖構造の変化に着目したバイオマーカーの開発戦略で講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4055/
BioJapan2010、カロリー制限試験のサル、「寿命延びそうだが元気がない」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4053/
BioJapan2010、再生医療の産業化で議論、セルシードはフランスでコンパッショネートユースを開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4040/
BioJapan2010、武田薬品とRoche社、siRNA医薬の実用化へ優れたDDSを探す
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4038/
BioJapan2010、「来年のBioJapan2011では10から20課題を5分ずつ発表へ」と吉川敏一京都府医大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4002/
BioJapan2010、「腸は体全体の最新情報を知りえるセンサー」と渡辺守・東京医科歯科大教授、“腸脳相関”を提唱
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4003/
BioJapan2010、科学技術投資は「官民合わせてGDPの4%をターゲットに交渉中」とCSTPの相澤議員
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3996/
BioJapan2010、米Merck社がライセンス戦略について講演、09年売上高の6割は提携品から
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3978/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年10月号(第58号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2010年10月号(第58号)
●CONTENTS
世界大学ランキング BioJapan2010 オーストリアIMBA
P.2 アカデミア・トピックス
権威ある世界大学ランキング
2つに分かれて順位に差異
P.6 リポート
BioJapan2010に2万5000人超
25カ国から最新バイオが集結
P.10 キャリア
オーストリアIMBAの望月一史氏
自分で実験できる研究環境を重視
P.11 BTJアカデミック・ランキング
がん治療ワクチン報道がトップ
P.13 広告索引