こんにちは。日経バイオテク編集長の橋本です。
 昨日、武田薬品工業が米Genzyme社の買収を検討しているとするニュースが、複数の海外メディアで報じられました。
速報、海外メディア、武田薬品が米Genzyme社を買収と報道
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/5142/
 Genzyme社は今年の夏、フランスsanofi-aventis社から買収提案を受けたものの、株価が安すぎるとして提案を拒否。sanofi-aventis社が敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛ける事態に及んでいます。報道の内容はメディアによって異なりますが、Genzyme社にすればより高く買ってくれる企業が登場すれば好ましいわけで、そうした交渉過程の情報が、一部漏れ出したのかもしれません。
海外発表、sanofi-aventis社、Genzyme社に185億ドルの拘束力を伴わない買収オファーを提案
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3434/
【解説】sanofi-aventis社がGenzyme社に対して敵対的買収を開始、Genzyme社はホワイトナイトと接触へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4200/
 Genzyme社といえば、ご存知のようにライソゾーム病に対する各種の酵素補充療法治療薬を手掛けることで知られるバイオ企業です。同社のマサチューセッツ州の工場は、製造上の問題で08年以降、度重なる米食品医薬品局(FDA)の検査に依然として合格していないという問題を抱えていますが、希少疾病領域での存在感は圧倒的です。
 一方で、大手製薬の間では、循環器用薬などのブロックバスターに依存したビジネスモデルの見直しが進められています。1製品で数千億円の売り上げを稼ぎ出しても、特許期間が満了するととたんに売上高は激減してしまいます。ブロックバスターに依存して事業を継続するためには、ブロックバスターを出し続けなければなりませんが、それほどの売上高を獲得できる新薬を開発する余地は、もはやそれほど多くはないと考えられます。そこで、抗がん剤や中枢神経系の医薬品といった、まだニーズが満たされていない領域の新薬開発に、各社、研究開発の舵を切っているところです。難病などに対する希少疾病用医薬品はそうしたアンメットニーズを満足させるものであり、英GlaxoSmithKline社が今年2月に希少疾病治療薬の研究開発に特化した部門を発足させるなど、グローバル大手も希少疾病領域に着目しています。
記者発表、グラクソ・スミスクライン、稀少疾患治療薬の研究・開発に特化したユニットを設立
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/8926/
【解説】米国における希少疾病用医薬品の開発状況、Novartis社が積極的な開発状況で1位
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4139/
 そうした文脈で言えば、武田薬品がGenzyme社を傘下に入れるような状況になるのは非常に興味深いことです。武田薬品自体、米国展開を支えてきた主力製品の1つである抗潰瘍薬Prevacidの米国での特許が昨年後半に満了したため、2011年3月期の中間決算では減収減益を余儀なくされました。そこで、抗がん剤やワクチンなどの研究開発を強化するなど、ブロックバスターモデルの見直しを進めているところです。
武田薬品の中間決算、2010年問題が本格的に始まり減収減益に、パイプラインには問題点も浮上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4770/
 もっとも、Genzyme社はsanofi-aventis社からの185億ドルでの買収提案を袖にしているわけですから、金額的に見合うかどうかという問題はあります。いずれにせよ、Genzyme社を巡る買収の行方がどうなるのかは、目を離せないニュースといえます。
 最後に少し宣伝です。今年最後のBTJプロフェッショナルセミナーを12月21日に開催します。テーマは「iPS細胞/ヒトES細胞臨床研究の落とし穴、次世代の医療に必要な技術突破」です。皆様奮ってご参加ください。
iPS細胞セミナー 12月21日開催決定!
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2010110977361
 11月24日開催の「ゲノムバイオマーカーが変える医薬品R&Dのセミナーもまだ申し込み可能ですので、まだお申し込みいただいていない方はこの機会にお申込ください。
「ゲノムバイオマーカーが変える医薬品R&D」11月24日にJPDSCと共同で開催!
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4096/
 本日はこの辺りで失礼します。
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                     日経バイオテク編集長 橋本宗明
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BioJapan2010で横浜に2万5000人超
25カ国から最新バイオが集結
先月末に発行・公開の「BTJジャーナル」2010年10月号に掲載
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→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
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→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
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 BTJジャーナル2010年10月号を先月末の月曜日(10月25日)に発行・公開しました。
 “青コーナー”のリポートでは、2010年9月29日~10月1日にパシフィコ横浜で開かれた「BioJapan2010 World Business Forum」を特集しました。
 参加者数は2万5532人と昨年のBioJapan2009に比べ7%以上増え、展示会では特に、アジアの勢いのよさが目立ちました。韓国は過去最大の12小間のパビリオンで出展し、中国は初めての出展でした。台湾からも6社8小間の出展がありました。
 また、製薬メーカーはアライアンスブースを中心に過去最多の25社が出展し、活発な面談を行いました。
 さらに、バイオプラスチックゾーンでは東レやデュポンなどの素材メーカーの出展のほか、今年はバイオプラスチックを内装に多く利用しているトヨタ自動車ののSAIが特別展示されました。バイオプラスチックの採用例として多くの来場者を集め、出展の素材メーカーとの相乗効果が高まりました。
BTJジャーナル2010年10月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1010
 以下にBTJ/日経バイオテク・オンラインの関連報道記事一覧を示します。BTJジャーナル2010年10月号の記事は以下の記事の一部を元にまとめました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事リスト
トヨタがエコプラスチック内装80%の自動車を来年発売へ、「BioJapan2010」特別展示のSAIの60%に上乗せ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4366/
BioJapan2010、オンチップ・バイオテクノロジーズ、新型フローサイトメーターで個別化医療の可能性
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4199/
BioJapan2010、東大医科研の津本教授、抗体研究における物性の重要性を強調
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4192/
ノーベル医学生理学賞、山中教授の予言通り、今回は授賞見送り、不妊治療の体外受精法開発者へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4098/
BioJapan2010、政産学討論、「与党議員は政策人気投票に頼らず自分でも勉強してほしい」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4048/
BioJapan2010、産総研の成松センター長、糖鎖構造の変化に着目したバイオマーカーの開発戦略で講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4055/
BioJapan2010、カロリー制限試験のサル、「寿命延びそうだが元気がない」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4053/
BioJapan2010、再生医療の産業化で議論、セルシードはフランスでコンパッショネートユースを開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4040/
BioJapan2010、武田薬品とRoche社、siRNA医薬の実用化へ優れたDDSを探す
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4038/
BioJapan2010、「来年のBioJapan2011では10から20課題を5分ずつ発表へ」と吉川敏一京都府医大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4002/
BioJapan2010、「腸は体全体の最新情報を知りえるセンサー」と渡辺守・東京医科歯科大教授、“腸脳相関”を提唱
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4003/
BioJapan2010、科学技術投資は「官民合わせてGDPの4%をターゲットに交渉中」とCSTPの相澤議員
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3996/
BioJapan2010、米Merck社がライセンス戦略について講演、09年売上高の6割は提携品から
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/3978/
■なお、上記の「BTJ/日経バイオテク・オンライン」の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文をご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年10月号(第58号)のコンテンツを目次にて紹介します。
BTJジャーナル 2010年10月号(第58号)
●CONTENTS
世界大学ランキング BioJapan2010 オーストリアIMBA
P.2 アカデミア・トピックス
権威ある世界大学ランキング
2つに分かれて順位に差異
P.6 リポート
BioJapan2010に2万5000人超
25カ国から最新バイオが集結
P.10 キャリア
オーストリアIMBAの望月一史氏
自分で実験できる研究環境を重視
P.11 BTJアカデミック・ランキング
がん治療ワクチン報道がトップ
P.13 広告索引