毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今週は丸々1週間、ドイツBerlinにおります。日曜日(2010年10月10日)から水曜日(10月13日)までの4日間は、設立300年を迎えたCharite-Universitatsmedizin Berlinで開催された第2回ワールドヘルスサミットを取材しました。09年10月の700人参加を大幅に上回る1235人が71カ国から参加する盛況なサミットとなりました。
 日本からの参加者は20人程度だったようですが、京都大学や順天堂大学がそれぞれ、シンポジウムを主催して、目立った活躍をなさっていました。来年は、日独交流150周年とのことで、来年に向けた交流も活発でした。
 サミットの会場となったCharite-Universitatsmedizin Berlinの近く(徒歩で数分)には、森鴎外記念館があることを事前にガイドブックで知りました(開館している時間帯が短いこともあり、建物の前を通ったものの中には入れませんでしたが)が、Chariteと日本の医学会が深い関係にあることを、今回、順天堂大学の方々に教えていただきました。
 明治維新後から第2次大戦後のマッカーサーまでは、日本はドイツに西洋医学を学んできたのですが、なんと、戦前に海外に留学した日本の医学生・医者1000人のうち、およそ700人がChariteへの留学だったとのことです。
 その最初の方が、1838年の開塾から172年の歴史を持つ順天堂大学の3代目の堂主(理事長)である佐藤進博士でした。ドイツへの渡航が明治政府から許可された初めてのケースでした。2011年は、佐藤博士がChariteに留学を開始してから140周年になるとのことです。ワールドヘルスサミットの最終日10月13日には、順天堂大学がCharite-UniversitatsmedizinとともにJoint German-Japaneseシンポジウムを主催し、アカデミックエクスチェンジプログラムの提携に関するサインも行われました。来年2011年には東京で合同シンポジウムを開催すべく、検討・準備を進めています。
 また、ワールドヘルスサミットの初日10月10日には「Open Innovation Models in M8 Universities-How Can We Accelerate Translation of Our Knowledge From Bench to Bedsaide?」を京都大学医学部が主催し、京大のオープンイノベーションの仕組みについて質問がたくさん出されていました。京大は、3年前に開始したアステラス製薬とのAKプロジェクトの成果・経験を踏まえ、新たに製薬企業3社と新プロジェクトの立ち上げを進めています。
 ここでメール原稿の締切時間になりました。ここ2週間に直接担当した報道記事14本のリストとコメントを最後に付けさせていただきます。
※BTJ/日経バイオテクオンラインの直接担当記事【コメント】
独Berlinの第2回ワールドヘルスサミットに71カ国から1235人が参加、医療の個別化に伴うコスト高騰と気候変動、金融危機が主題
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4254/
【議論の対象はMedicineではなくHealthだとサミットのPresidentが強調していました】
プロテクト乳酸菌の免疫賦活能には培養温度が重要、サントリーが生物工学会のシンポジウムで発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4223/
【培養温度によって免疫賦活の活性が大きく異なるという新発見を学会のシンポジウムでサントリーが発表します】
オープンイノベーションで京大が製薬3社と新プロジェクト、アステラスとのAKプロジェクトに続く
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4198/
【アステラスとのプロジェクトが成功している内容について特に知財の観点から数多くの質問が寄せられました】
続報、ワールドヘルスサミットが独Berlinで開幕、オープンセレモニーでノーベル化学賞のYonath博士が講演、京大や順天堂大の主催シンポも
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4197/
【リボソームのような髪型のYonath博士に再会しました。サミットPresidentの要請で武庫川女子大学の家森幸男教授も講演しました】
続報、ノニのイリドイド成分はDNA付加物の生成を抑制、「タヒチアンノニ サイエンスフォーラム 2010」で10月7日発表論文の成果も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4191/
【ノニのシンポジウムは数年前にも取材しまして、PubMed論文の重要性強調が印象に残っていました】
「大豆で栄養プロジェクト」が発進、大豆丸ごと栄養食の魅力を発信
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4143/
【だだ茶豆の成分分析が鶴岡の慶應義塾大学のメタボローム解析拠点で進んでいます】
1030人参加の第31回日本肥満学会、抗肥満効果の検証進む機能性食品の発表相次ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4120/
【伝統的な食の良さが肥満学会でも多数発表されました】
10月末に大宮で日本人類遺伝学会第55回大会、信大遺伝子診療部の劇団の遺伝ドラマ4部作を終日上映
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4119/
【4部作を揃って一度に上映するのは今回が初めてとのことです】
ヤマハ、1日3mgのアスタキサンチン内服は紫外線照射による色素沈着を抑制、美肌効果も確認
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4118/
【アスタキサンチンの美肌効果の検証が進んでいます】
第31回日本肥満学会の若手研究奨励賞(YIA)は阪大、京大、群馬大の研究者に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4117/
【肥満学会では若手研究者の活躍も特に目立っていたように思います】
10月9日は「トクホの日」、サントリー、花王、明治乳業、大正製薬、ロッテの協賛で10月6日と7日にイベント
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4116/
【東京・港の赤坂サカスでイベントが行われました】
日本肥満学会の理事長を退任する松澤佑次氏が「2010理事長提言」を発表、基礎は「エピジェネティクスによる分析」を追加、新理事長は中尾一和京大教授
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4044/
【肥満学会の理事長が松澤佑次病院長から中尾一和教授に交代になります】
第31回日本肥満学会が前橋で開幕、10年ぶりの診断基準改定をシンポジウム1で討議、ウエスト周囲長は男85cm、女90cmで変わらず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4039/
【男85cm、女90cmのエビデンスがさらに蓄積されたとのことです】
BioJapan2010、「腸は体全体の最新情報を知りえるセンサー」と渡辺守・東京医科歯科大教授、“腸脳相関”を提唱
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4003/
【腸の病気には難病が多い。腸脳相関は今後ますますおもしろい研究の切り口になりそうです】
 上記の記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテク」のご購読が必要です。申し込みはこちらから。
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 最後に、先月末に発行・公開したBTJジャーナル2010年9月号を紹介させていただきます。猛暑日が続く8月上旬に、東京工業大学の大岡山キャンパスで開催された日本進化学会の話題をとりあげました。24時間を超える長丁場のシンポジウム・講演会が行われ、ゲノム生物学の進歩によって宇宙と生物学が近づいていることを実感しました。
BTJジャーナル2010年9月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1009
 BTJジャーナルの誌面は、次のサイトでPDFファイルをダウンロードすると、全文を
ご覧いただけます。
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 ぜひお楽しみください。
                          BTJ編集長 河田孝雄
※2010年9月号(第57号)のコンテンツを目次にて紹介します。
●CONTENTS
ノーベル賞有力候補者 日本進化学会 JCウイルス受賞
P.2 アカデミア・トピックス
ノーベル賞有力候補者が発表に
論文の被引用解析が威力を発揮
P.5 リポート
東京・大岡山で日本進化学会
ゲノム生物学が天文学と連結
P.8 キャリア
神経病理学の総説の国際賞
JCウイルスで日本人が2人目受賞
P.9 BTJアカデミック・ランキング
Kurt Jellinger賞がトップ
P.10 奥付け