毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今日2010年8月6日(金)は朝、65年目を迎えた平和記念式典が広島で開催され、初参加の米国や英国、フランスなどの代表が参列しました。参加国数は74カ国とのこと。明日8月7日は第92回全国高校野球選手権大会が甲子園球場で開幕します。記念式典や夏の甲子園は毎年夏の恒例といえますが、今年は特に猛暑が続いています。皆さんは熱中症対策にどのような工夫をなさっているでしょうか。
 今週は、学会や研究会の取材に注力しています。今日は、埼玉県開催の第4回ポリフェノール研究会ですが、昨日の木曜日までの4日間は、東京工業大学の大岡山キャンパスで開かれた第12回日本進化学会大会を取材しました。会議や他の取材などで取材できなかった時間帯もありましたが、毎日、大岡山に通いました。
 メイン会場は、昨年できたばかりという大岡山駅の改札を出たすぐの蔵前会館でした。公開講演会やシンポジウム7本が開かれたこのメイン会場から、合計14本が開催されたワークショップ(WS)の会場まで何回も往復しました。およそ歩いて5分ほどなのですが、炎天下では少し遠く感じられました。途中、図書館の脇も通りまして、東工大が新たなモダンな図書館を建設中で、来年春に完成することを今回知りました。
 学術ジャーナルのコストが激増する中で、学術ジャーナルの費用を誰が負担するのか、が話題になっているので、図書館の動向も気になります。これまで図書館が負担してきましたが、運営費交付金などが削られている中で、高騰する学術ジャーナル費の負担が重荷になっています。論文を投稿する研究者が学術ジャーナル発行の費用を負担するオープンアクセスの学術ジャーナルも増えていますが、それはそれで問題も多いようです。この点はまた、記事にまとめるとともに、このメールでも触れていきたいと考えてます。
 さて、今回の日本進化学会で一番驚いたのは、宇宙・天文学の分野で、計測技術が飛躍的に進化を遂げていて、たいへんな発見が相次いでいるという事実でした。太陽系の外の惑星(太陽以外の恒星を回る惑星、「系外惑星」と呼ばれていました)が初めて見つかったのは1995年とのことですが、いまでは500個ぐらい見つかっているようです。2010年3月に打ち上げられたケプラー衛星も貢献しているとのこと。「矮小銀河」というのもたくさん見つかるようになってきていて、地球の歴史における生物の進化で、矮小銀河というのも重要だったようです。
 WS11「生命の起源と初期進化;地質学、地球化学、生化学、分子進化学かrなおアプローチ」では、国立天文台の研究者の発表をうかがいました。国立天文台の方の発表をうかがったのは、多分初めてでして、発表をうかがった後で、日本経済新聞2010年8月1日朝刊のサイエンス面の「星の生死を見る」を改めて読んだりしました。
 「バイオマーカー」という用語は、宇宙天文学でも使われていることも初めて知りました。地球以外の宇宙空間に生物がいるのかどうか、スペクトル観測(分光観測)で把握できるO3やCH4が、生物が存在している可能性を示すマーカー(バイオマーカー)として利用されていて、より優れたバイオマーカーの同定の研究も精力的に進められているようです。
 「バイオミネラリゼーション」が、生物の進化でとても重要とのことで、リン鉱石の枯渇といった資源問題や、骨代謝の解明といった長寿社会の健康問題ともリンクしています。
 WS9「ヒトはなぜ病気になるのか~進化学の目で見る新たなアプローチ」では、「進化医学」という言葉が、北欧で1992年から広まったことを知りました。WS4「メタゲノム/メタトランスクリプトームが明らかにする生物多様化メカニズム」、WS6「ゲノムから見る微生物進化」なども、興味深く拝聴しました。記事に反映して参ります。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの関連記事
新型シーケンサーの普及で生物学が地質学・地球科学、天文学と繋がる、第12回日本進化学会大会で合計24時間超の一貫シンポジウム
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2950/
文科省の新施策「ゲノム支援」、支援課題の第1回公募は8月31日締切、予算超えたら第2回はなし
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2890/
第12回日本進化学会大会が東工大で開幕、次世代シーケンサー関連発表が相次ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2881/
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 メール原稿の締切時間になりました。ここ1週間では、先週金曜日(7月30日)に産業技術総合研究所(AIST)関西センター(大阪府池田市)で開催されたヒューマンストレス産業技術研究会第19回講演会「日常生活におけるストレス評価技術」も取材しまして、まずは東芝の記事をまとめました。
東芝がウェアラブル睡眠センサーの試験販売を開始、産業衛生分野で有用性確認を進める
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2788/
 最後に、先月末に発行・公開したBTJジャーナル2010年7月号の案内を。事業仕分けと文科省施策、日本エピジェネティクス研究会年会、日本分子生物学会春季シンポジウム、「グローバル・リサーチ・レポート:日本」などの内容を盛り込みましたので、ご覧いただければと思います。
「BTJジャーナル」2010年7月号のダウンロードはこちらから
→ http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html#btjj1007
 目次は以下の通りです。
●CONTENTS
事業仕分けと文科省施策
日本エピジェネティクス研究会
日本分子生物学会春季シンポジウム
「グローバル・リサーチ・レポート:日本」
P.2 アカデミア・トピックス
政権交代と事業仕分け
文科省の新施策発表
P.5 リポート
米子でエピジェネティクス研究会
来年は熊本、再来年は東京で開催
P.9 キャリア
松島で分子生物学会春季シンポ
P.10 キャリア
「グローバル・リサーチ・レポート:日本」
P.11 BTJアカデミック・ランキング
トップ10に文科省4本、iPS細胞4本