毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日のバイオテクノロジージャパン(BTJ)メールで編集部原稿を担当しておりますBTJ編集長の河田孝雄です。
 今日の第5金曜日のメールではまず、昨日(2010年7月29日)に配信された「DDBJ メールマガジン No.51」(http://www.ddbj.nig.ac.jp/ddbjnew/mag/)の話題から。
 このメルマガの新しいコーナーで「困ったde Q」というのが始まりまして、次世代シーケエンサから得られた配列データ登録について、解説があります。
http://www.ddbj.nig.ac.jp/ddbjnew/mag/mag51-j.html#07
 以下は、このメルマガの内容の一部です。
■DDBJメルマガからの引用です■
"困った de Q" 第1回 ("SAKURA de Q" 同様,ユーザから寄せられる Q and A です)
Q.次世代シークエンサ(454,Solexa,SOLiD など)から得られた配列データの登録はどうすれば良いですか?
A.登録は生データか,解析後の配列データかにより登録先が異なります。
解析する前の,出力された生データは DRA が登録先になります。DRA への登録には,次世代シークエンサからの「出力データ」と,研究概要やサンプル情報などの出力データを説明する「メタデータ」が必要になります。詳細は,DDBJ Sequence Read Archive (DRA) をご覧下さい。
アセンブル等によって解析した後の配列データは,長大配列(ゲノム)や大量データを登録する DDBJ 大量登録システム(MSS)をご利用下さい。詳細は,Mass Submission System (MSS) とは? をご覧下さい。
■以上、DDBJメルマガからの引用でした■
 DDBJが次世代シークエンサのデータ登録にクラウドを利用し始めたということを、この春に報道しました。確か、次々世代のHeliscopeについても、データ受け入れの調整を進めているとのことでした。このHeliscopeのデータについては、日本国内では実質的に、理化学研究所の横浜研究所だけかもしれませんが、国際共同研究が活発になっている昨今では、国内と国外とを分ける意味はあまりないかもしれません。
遺伝研DDBJが次世代シーケンサー配列のクラウド型解析サービスを開始、まずはマッピングとアセンブリーをβ版で公開
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/9773/
 先週、東京・新宿で開かれた日本骨代謝学会でも、次世代シーケンサや次々世代シーケンサを利用したChIP-seqの成果がいくつか発表されていまして、そのうち、この春から東京大学分子細胞生物学研究所に赴任なさった、今井さんの研究では、米Bostonとの共同研究で、Heliscopeを活用なさっていました。
※BTJ/日経バイオテク・オンラインの日本骨代謝学会の関連記事
東大分生研の今井特任講師がアンドロゲン成果を骨代謝学会で発表、HeliscopeでChIP-seqのコスト半分以下
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2720/
写真更新、東大分生研が初の大規模改組、7月に高難度蛋白質立体構造解析センターが発足、エピゲノム疾患研究センターには骨・関節疾患制御分野も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2581/
サケ鼻軟骨プロテオグリカンは軟骨の石灰化を抑制して軟骨を維持、一丸ファルコスが骨代謝学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2586/
 上記のランキングの記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテク」のご購読が必要です。申し込みはこちらから。
→ http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/
 このシーケンサや質量分析装置、顕微鏡などの画像解析装置などの観測装置の発展によって、生命現象のさらなる解明が進み、昨日の常識がくつがえされる、ということが多々起こっています。
 今週水曜日には、消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」の最終回(第11回)を傍聴取材しまして、まずは少し報道もしましたが、消費者団体の代表の方々などのご発言をうかがいながら、食品として利用されている天然の有機物などの安全性や機能性の評価を、どう進めていけば、消費者にも納得してもらえるのか、いろいろと考えさせられました。
 この消費者庁の検討会では、現在のところ最長寿国を誇っている日本の強いといえる、食品の健康機能性の研究蓄積を、日本の産業振興に生かしていくべき、といった産業界の委員の発言は、完全に拒絶されました。
 消費者庁は、新たな消費者行政を実現するために、09年9月に新たに設置された組織であり、産業振興とは一線を画する、という説明が消費者庁サイドからありました。
 日本の強みを生かした産業振興も、消費者の生活レベル向上に資すると、私は思うのですが、いかがでしょうか。日本の強みをそぐような政策は、めぐりめぐって、日本の消費者の不利益にもつながると思います。
トクホの必要性検証も含めた制度的課題は消費者委員会で更なる議論へ、消費者庁の検討会が論点整理を終了して8月に報告書
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2696/
 メール原稿の締め切り時間が近づいてまいりました。今週、東京・千代田で開かれた第12回日本RNA学会年会は、初めて参加者が400人を超え、盛況だったようです。「No RNA、No Life」という年会のキャッチコピーも、クールと思いました。年会長を務められた東京大学の鈴木勉教授が名付けたのでしょう。
第12回日本RNA学会年会の参加者数が400人を突破、新学会長の塩見春彦慶大教授が永田町へのパブコメを呼びかけ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2691/
 最後に、ここ2週間の報道のうち、直接担当した記事リストを、コメントとともに紹介させていただきます。先週は、BTJジャーナル2010年7月号の編集・制作作業に注力していました。事業仕分けと文科省施策、日本エピジェネティクス研究会年会、日本分子生物学会春季シンポジウム、「グローバル・リサーチ・レポート:日本」などの内容を盛り込みましたので、ご覧いただければと思います。
※ここ2週間に報道したBTJ/日経バイオテク・オンラインの担当記事
東大分生研の今井特任講師がアンドロゲン成果を骨代謝学会で発表、HeliscopeでChIP-seqのコスト半分以下
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2720/
【今井さんは、受賞発表では、ソフトボールで骨折させてしまったという、分生研の加藤茂明教授の手のレントゲン写真も、示していました】
トクホの必要性検証も含めた制度的課題は消費者委員会で更なる議論へ、消費者庁の検討会が論点整理を終了して8月に報告書
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2696/
【消費者団体の代表らが求めている安全性懸念の払拭を徹底していくと、食べるものがなくなります】
第12回日本RNA学会年会の参加者数が400人を突破、新学会長の塩見春彦慶大教授が永田町へのパブコメを呼びかけ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2691/
【FIFAワールドカップ2010南アフリカ大会で、一躍、時の人となった本田選手の写真も、示されました】
BioGaia社が日本アクセスと提携して統合歯科医療領域へ参入、売上高は初年度10億円、5年後50億円を見込む
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2656/
【抗菌作用を持つ乳酸菌は、日本でも伝統的に利用されていますが、最新の分析技術でメカニズムを突き詰めていくと、安全性の懸念払拭という壁に突き当たります(バイオガイオの事業化とは全く別の話です)】
9月開催の10周年「BioFachオーガニックEXPO2010」で有機農産者の出展が無料に、農水省が産地収益力向上支援事業で支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2624/
【有機農作物の特徴についても、さらに研究を進めてほしいです】
サケ鼻軟骨プロテオグリカンは軟骨の石灰化を抑制して軟骨を維持、一丸ファルコスが骨代謝学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2586/
【この骨代謝学会においては、民間企業の単独発表は、ごく稀でした】
東大分生研が初の大規模改組、7月に高難度蛋白質立体構造解析センターが発足、エピゲノム疾患研究センターには骨・関節疾患制御分野も
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2581/
【中規模の研究機関といわれる分生研でも、研究の選択と集中が加速しているようです】
不二製油と米Solae社が合弁契約を解消、フジプロテインテクノロジーは解散手続きを開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2501/
【30年以上続いた共同事業化を終結することが決まりました】
北里大学が乳酸菌プロジェクトを発足、健康増進機能を開発して食・医療に応用へ、企業との共同研究も拡大
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/2473/
【北里大学が打ち出している農医連携の具体的なプロジェクトです。第一三共とワクチン事業を展開し、感染制御機構を設置している北里大学の戦略についても、追って報道します】
 上記のランキングの記事は全文を、リンク記事も含め全部ご覧いただくには「日経バイオテク」のご購読が必要です。申し込みはこちらから。
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 最後に先月末に発行・公開したBTJジャーナル2010年7月号の内容を、目次にて紹介します。
●CONTENTS
事業仕分けと文科省施策
日本エピジェネティクス研究会
日本分子生物学会春季シンポジウム
「グローバル・リサーチ・レポート:日本」
P.2 アカデミア・トピックス
政権交代と事業仕分け
文科省の新施策発表
P.5 リポート
米子でエピジェネティクス研究会
来年は熊本、再来年は東京で開催
P.9 キャリア
松島で分子生物学会春季シンポ
P.10 キャリア
「グローバル・リサーチ・レポート:日本」
P.11 BTJアカデミック・ランキング
トップ10に文科省4本、iPS細胞4本